はじめに
こんにちは、estieでCTOをしているNari (@tiwanari) です。最近は、長男の身長が次男の倍くらいだという事に気づいて2年の差はすごいなと実感しています。
さて、今回は、最近estieが力を入れて構築しているデータ分析基盤についての記事です!
私自身はデータ分析基盤チームに所属しているわけではなく、プロダクトチームの1メンバーとして活用する立場です。
開発組織としてデータ分析基盤の利用が日常になるためには、まずはどんどん活用してフィードバックを返すことが大事だろうと考え、新規プロダクトチームであえて先陣を切って実例を作っています。ただ、そのような思惑がなくとも、単純にデータ分析と機能開発のリズムが心地よいので社内の至るところで勝手に宣伝してます。
今日は現在のestieの状況も赤裸々に伝えながら、どのように楽しんでいるかお伝えできればと思います!
estieでのデータ分析環境のこれまで
今回は、言ってしまえば「データ分析が楽しい…!」というだけの記事なのですが、なぜ estie で分析基盤が整えられてきているのかという背景事情を先にお伝えできればと思います!「それよりもどう使っているかを早く知りたい」という方は次のセクションにお進みください。
BtoBプロダクトの意思決定
estieは、「オフィス賃貸業務をサポートするestie pro」など、BtoBプロダクトを開発しています。
私自身はestieに入ってから実感したのですが、A/Bテストなどによって不特定多数のユーザへのプロダクト価値提供を模索するBtoCと比べると、一人ひとりのお客様の顔が想像しやすく、プロダクトの機能が直接的に業務貢献につながるBtoBのほうが「顧客が近い」環境です。例えば、estieでは職種の違いにとらわれず顧客定例や商談に参加する機会に恵まれており、「この指標が2%上がった」だけではなく「○○会社の✗✗さんに喜ばれた」ということが直接わかります。
そして、プロダクトを開発していく上でも、施策の意思決定に顧客フィードバックを反映することが、最小工数で最大の成果を生み出す価値提供を実現するための近道になっており、良いアイディアを生み出すためにも全てのメンバーが積極的に顧客からの声を聞き、業務・ドメインの理解を深め、共有していく職場になっています。
これは、良いプロダクトを作るためには「顧客の声を聞く」が強い武器になるということであり、かつA/Bテストなどの統計的手法でユーザ数がBtoCに比べて限られることもあって特に初期段階では有効ではないことも意味しています。
そのような背景もあり、これまでのestieでは、データ分析自体はアクセスログを用いて各企業ごとにどれくらい機能を使っていただいているか等をマクロに把握することが基本的な進め方となっていました。それに必要な最低限の機能を持った分析基盤を用いていたのですが、より細かいデータ分析によって業務理解を深めたり、数年蓄積されてきたデータを分析したりするにあたって既存基盤の限界が見えてきました。
マルチプロダクト戦略におけるデータ基盤の重要性
estieは、「オフィス賃貸業務をサポートするestie pro」を開発していると前述しましたが、実をいうと内部的には5,6個のプロダクトが開発されており、それをまとめて「estie pro」として提供しています。これが、昨年1月にシリーズA調達を行った際に代表の平井が宣言したマルチプロダクト戦略であり、その延長線上としてVPoPの久保が具体化し始めたWhole Product構想の具現化になっています。
上記のWhole Product構想の図でも少し垣間見えるかと思いますが、不動産業界という大きな業界には業態が無数に存在します。それらに対して戦略を持って適切なプロダクトを高速に構築してつなげていくことが最も顧客価値につながり、「産業の真価を、さらに拓く。」と我々は信じています。一方で、「プロダクトをつなぐ」ためには、技術的に解くべき課題がたくさんありますし、今まで無かったつながりを技術によって見出すことが可能で、それを面白いと思ってくれるメンバーが続々と集まってくれています。
そして、プロダクト群をつなぐための1つの軸が「データ」であり、estieは不動産データを様々な方法で蓄積して唯一無二の商業用不動産データベースを構築しています。例えば、企業提携等で新しいデータの種類が増えたり、プロダクト上のユーザ行動データから有益なインサイトが得られたりと、データのエコシステムが常に進化し続けます。
このような背景のもと、データ分析基盤を単に刷新するだけでなく、「複数のプロダクトがつながることを考慮した新たな価値を生む基盤を構築しよう」という欲張りなアイディアがestieの新しいデータ基盤の構築です。このつながる部分の面白さを語り始めると余白が足りないので、ぜひカジュアル面談で気軽に聞きに来ていただければと思います!
さて今回はデータ分析基盤の活用例について、少しだけお話します!
estieの新しいデータ分析基盤と新規事業チームでの活用例
estieでは基盤が提供され始めたばかりで、各プロダクトチームが自分たちのデータをどんどんとつなぎこみながら実例を作っていくフェーズとなっています。
私が参画している新規事業では、特にアクセスログやデータベースの情報を組み合わせ、職種に関わらずデータ分析を行って顧客に求められる機能開発を行っています。
日々の流れは非常にシンプルで、以下のようなサイクルを高速で回しています。
- 企業ごと、ユーザごとなど、細かい単位でデータを分析し、目標達成のために改善すべき指標の仮説を立てる
- 顧客フィードバックも踏まえながら、様々な観点から打ち手を検討して機能開発・リリース
- フィードバックをもらいつつ、仮説が正しかったかデータを見て検証
BtoCのプロダクトでは当たり前のプロセスだと思うのですが、上述したように顧客の声を聞きながら新しい体験を提供してきたため、estie ではこのサイクルの浸透はまだまだこれからなのが正直なところです。このため、新規事業開発チームでは、開発メンバーも事業メンバーも職種問わず毎日分析すること、チケットに検証結果を書いていくことを習慣づけるようにしています。また、目標がかなり野心的なものを設定しているため、各メンバーがムーンショットを狙ったアイディアをどんどん出して実現していく楽しいチームになっています。

このプロセスを実現するデータ基盤の推しポイントをご紹介します。新しいデータ分析基盤では、Snowflakeを採用しようとしており、その良さがそのまま基盤の良さにもつながっています。
個人的には、前職のデータ分析の体験が非常に良かったこともあり、「ついにやりたかったことができる…!」と日々楽しみながら分析・開発を行っています。また、「新しい機能が使われていないことがわかった」という仮説の反証が日常的にできることは大きな進捗と思っています。

新しい道具を一緒に育て、大きな価値を提供していきませんか?
estieで整え始めたデータ分析基盤は、まだまだこれから1つ1つのプロダクトで実例を作っていくフェーズで、つまずきながら少しずつ使い方を理解しているような状況です。
しかし、この先には、複数のプロダクト横断の分析やデータ連携など面白いことがたくさん待っており、estieを大きく成長させる鍵になっていると信じています。
このような状況のestieを助けていただける方、一緒に1からプロセスを学びながら作りたいという方は、ぜひ以下のカジュアル面談フォームからご連絡ください!(ご連絡の際は「この記事を見た」とご記載いただけますと幸いです!)
この基盤構築をリードしているVPoEの青木信から詳しくお話します!