投資家の期待を超えていく


こんにちは、estie(エスティ)取締役CFOの上田です!

このたび、estieはシリーズBで28億円のエクイティ資金調達を発表しました。グロース市場が依然として厳しい状況にある中、私たちを高く評価し、期待を寄せてくださった投資家の皆様には心より感謝申し上げます。今回の調達プロセスの最前線に立っている者として、「皆様の期待に必ず応える」という強い使命感を抱きながら、このブログを書いています。

投資家から期待されているもの

今回出資を決めた投資家はいずれも金融投資家と呼べる方々であり、究極的に期待されているものは、『投資リスクに見合った財務リターン』です。これはestieにとって当然に超えるべきハードルであり、私はその実現にCFOとして強くコミットしています。しかしながら、私たちの応援者である彼らとestieとの関わり方は、単なる「投資家と発行体」というある種ドライなものを超えている感覚があります。それについて少し紹介します。(なお文章表現上、投資家の呼称は敬称略としています。)

Vertex Growth:今回リード投資家としてestieへの出資を決めたVertex Growthからは、「不動産版のBloombergになってほしい。」との期待をいただきました。(※詳細は後日公開予定の投資家対談ブログをご覧ください)約40年前、情報伝達のスピードが遅く投資プロセスが非効率だった当時の金融業界をアップデートしたBloombergは、単なる情報端末ではなく詳細な分析や双方向コミュニケーションが可能なプラットフォームとして、今も金融のプロたちに愛され続けています。このBloombergを引き合いに出し、「不動産業界を支えるデジタルインフラとしてのestieの可能性」を評価していただいたことに非常に感銘を受けています。思い返せば、私が2022年にestieに参画した時、会社はまだアーリーステージのスタートアップで、グロースファンドの投資対象となるには程遠い規模でした。まだまだこれからの会社ではありますが、世界中のユニコーン企業に投資をするVertex Growthに可能性を見出していただけたことは、私たちの努力が確かな結果を生んでいる証ではないかなと思っています。

日本政策投資銀行(DBJ):2023年に初回の出資を受けた際に、estieはDBJにとって資本業務提携先となる初のスタートアップだと聞きました。また今回の調達プロセスでも、DBJがestieの事業運営を力強くサポートしているのは「不動産業界のDXを通じた日本の産業振興と、その担い手としてのestieの可能性に賭けているから」だと、DBJの皆様からはお声をいただきました。私たちにとって「産業の真価を、さらに拓く。」というestieのパーパスは経営上の指針であり、迷った時にいつでも振り返り、見つめることができる北極星のような存在です。そうした大切なパーパスに込めた思いを、不動産金融の先駆者として尊敬やまないDBJと共有していることは、私たちが事業を進めていく上での励みであり、ハードシングスを乗り越える勇気となっています。

Series A以前からの投資家陣:東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)、そしてグローバル・ブレイン(GB)の三社は、2022年1月のシリーズA以前からestieを支え続けてくださった、まさに私たちの旅路の初期から共に歩んできたパートナーです。最近巷で話題になった「ホームランを狙うのか、ツーベースヒットを狙うのか」といったファームとしての投資スタイルの違いもさることながら、各社の担当パートナーであるUTEC坂本さん、GCPエムレさん、GB梶井さんの多様な視点や独自の個性が活発な議論を生み、estieの経営に違いを生んでいます。この三社に共通しているのは、私たちの経営陣やメンバーに対する揺るぎない信頼と、成長への強い期待です。良い時には共に喜び、厳しい時には叱咤激励を通じて行動変容を促してくれる皆さんが、estieを心から信じる最大の応援者でいてくださることに深く感謝しています。

M&Aを通じてデジタルインフラ作りを加速していく

国内外の投資家から寄せられる期待に、私たちはどう応えていくのか。

調達日のプレスリリースや代表平井のブログでも触れていましたが、今回の資金調達で、①マルチプロダクト戦略のさらなる進展、②M&Aの実施、③AI投資の三つの分野への投資を加速していくことになります。estieの長期的な成長に欠かせないそれぞれの取り組みを通じて、estieをより強固で魅力的な企業に成長させていく計画です。

特にM&Aは私たちがこれまで経験したことのない挑戦となります。私は以前から、M&Aを通じて自社には無い技術や人材をestieに招き入れることや、先人が作り上げた優れた事業を引き継いでいくことが、「不動産業界のデジタルインフラ」を早期に実現するために必須であると考えていました。シリーズBによる資金調達を経て、ようやくこのM&Aという手段に本格的に取り組むことができるフェーズに入りました。

実は、私がestieに入社したばかりの頃に、当時のestieの何倍もの売上規模を持つ企業のM&A機会を得たことがありました。当時のestieにとっては早すぎる挑戦だったため実現には至りませんでしたが、もしこのM&Aが実現していれば、顧客に提供できるプロダクト群の価値は大きく向上し、不動産業界のDXをさらに一歩進める助けとなっていたと思います。また、あの時の挑戦は、私にとって非常に学びの多い経験でした。短期間で自社のエクイティ資金調達を行い、対象企業のデューデリジェンス(DD)を進め、LBOローンの交渉を行うなど、非常にハードな作業をこなしましたが、結果として自分のキャリアの中で最も刺激的な時期となりました。

この出来事からまだ2年も経っていませんが、今ではまるで遠い昔の頃のように感じます。現在のestieは、当時と比べても顧客基盤や保有するデータの質と量、プロダクトラインアップやテクノロジー人材の層の厚さ、そしてコーポレート体制が段違いに強くなっており、今後パートナーとなる企業との共存共栄の未来をしっかりと描くことができます。これらを活用し、私たちは今後、不動産業界を支えるデジタルインフラを築き上げていくためより多くの企業との戦略的パートナーシップの構築に力を注いでいきたいと考えています。

おわりに

今回のシリーズBを通じて、投資家の皆様から寄せられた期待と、それに応えるための新たな取り組みをお伝えしました。私たちは「産業の真価を、さらに拓く。」というパーパスを指針に、不動産業界におけるデジタルインフラの構築に向けて邁進しています。そして今後は、M&Aという新たな手段を取り入れつつ、共感する仲間をさらに増やしながら、不動産業界の未来を共に切り拓いていく所存です。

投資家の皆様の期待を超え、新たなパートナーとの出会いと共に成長を続ける未来を、心から楽しみにしています。これからも、estieの挑戦をどうぞご期待ください。

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