「不動産 × AI」 estieが目指す世界


こんにちは、estie取締役CTOの岩成(Nari)です。estieはこの度、シリーズBラウンドにて28億円のエクイティ資金調達を実施しました。

社内では、代表平井が「期待の前借り」というフレーズをよく使うのですが、お客様の期待に対してこれまで誠心誠意お応えしながら繋いだ結果が、今回の投資家の皆様の新たな期待につながっているのだと考えています。

本記事では、今回いただいた期待の一つである「AI」に関して、これからestieが目指す世界をご説明いたします。

また「AI」?

生成AIの急激な進化が後押しする形で、日々の生活でも「AI」という言葉を聞くことが当たり前になってきています。私自身がお客様と商談をさせていただく中でも「これをAIで解決できないか」という声をいただくことが明らかに増え、私がestieに入社した4年前には「よくわからないから怖い」と敬遠すらされていたAIへの理解が大きく進んだことを実感しています。

それと同時に、近年は「AI」がバズワードとなり、資本市場でも「AIブーム」と言って過言ではないくらい各社がAIを打ち出しているため、聞き飽きたと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

先日の束原の記事でも不動産ビジネスとAIの親和性に言及していますが、特定業界に特化した企業だからこそ、その特性に合わせたAIを作れる強みを我々は持ち合わせています。それだけでもAI領域を深めていくのに十分な理由ではあるのですが、本記事では「なぜestieがAIに取り組むのか」にもう一歩踏み込んでみたいと思います。

estieが目指す世界

estieは「産業の真価を、さらに拓く。」というPurposeを掲げ、産業を生み育てる商業用不動産のデジタルインフラを構築することで、都市や地域の限られた土地建物の最有効活用を実現し、社会経済を豊かにするチャレンジに取り組んでいます。

現在は商業用不動産データ分析基盤を提供することで、適切な価格で適切な相手に適切なタイミングで届けるサポートを行い、産業を支える多様な企業が最も生産的になれる場所をオフィスや物流施設などのアセットを問わず見つけるお手伝いができるようになりました。

将来は「現在はオフィスビルが建っているが本当は商業施設が適している」といった、その土地にどのようなアセットが最適なのかを導くことで、土地の価値を上げる”まちづくり”をサポートできると考えています。そのような土地建物の最有効活用による土地の価値向上は国富に還ることにつながると同時に、土地の魅力が上がれば海外からの投資を呼び込むことにもつながります。



直近では、今年5月に物流アセットを扱う「estie 物流リサーチ」をリリースして、オフィスだけでないマルチアセットの不動産情報を蓄積・提供できるようになっており、「この土地ではどのアセットがより大きな収入を生むのに適しているか」という問いを解く準備が整ってきています。

このようにPurposeの言語化を行うと、用途地域等の制約や膨大な変数を取り扱って問いを解く最後のピースが「AI」であり、Purpose実現のために避けては通れないことがわかってきます。

さらに言えば、技術を突き詰めた次のステップとして、用途地域等の制約を取り払って問いを解くことで「このような規制に変えていったほうが良いのではないか」といった都市の構造を行政とともに定義でき、今ある国富のキャップを超えた価値を創造できると考えています。

これがestieがAIに投資する理由です。

estieとAIの歩み

このタイミングで「不動産 x AI」に投資をしていくと宣言したわけですが、実を言うとestieはAIを活用した賃料予測モデルが祖業であり、データサイエンティストも創業当初から複数在籍していて、AI領域の取り組みは継続的に行っています。

創業当初からの取り組みの中で直面したことはデータ整備の課題でした。たとえどんなに良いモデル・手法があろうとも、入力するデータが整備されていなければ当たり前ながら期待する結果は出力できません。この数年は、不動産業界出身メンバーとともに、様々な形式・品質の入力データを整備して、お客様に満足していただけるような日本最大級の商業用不動産データ分析基盤を構築してきました。

この数年の積み重ねは、estieの強みであると同時に、我々の事業的・技術的な競争優位性になっています。



これから

以上の内容をまとめると、これまで“データの蓄積・活用”に注力をしてきたestieが、Purpose実現のための次のステップとし“データの応用(AI)”に投資をしていくのが、このシリーズBのタイミングということです。

そして、「産業の真価を、さらに拓く。」を実現するためのまちづくりを目指すことで、足りないピースや、我々が取り組むべき技術が見えてきています。具体的には、

  1. 既存プロダクト群のAIによる進化
  2. エンタープライズソリューション事業本部によるAIソリューション提供
  3. 立ち上げ中の新規事業

の3つの柱と、それを支える技術基盤を構築していきます。

業界の皆様を含めた”チーム”で作り上げてきた強みを基礎とすることで、estieが「不動産×AI」をリードする企業となり、より大きな価値を届けられるように邁進していきます。私たちのさらなる挑戦にご期待ください。

また、今はまだない新しい事業・世界を一緒に作っていただける方をお待ちしています。

www.estie.jp

hrmos.co

© 2019- estie, inc.