自分が顧客のことを数%しか理解していなかった話


こんにちは。estieでPdMをしている三橋です。estieに入社して8ヶ月目に突入しました。
最近estieでPdMとして働く毎日が楽しすぎて、その気持ちを自分の心の中だけに留めておくことができません。かといって同僚やVPoPに長々と話して貴重な時間をいただくのも申し訳ないと思い、今日も自由に書きたいと思います。

estieでPdMとして働く面白さは、以前私が書いた以下のブログでもわかると思うので、ぜひ一緒にご覧ください。

この記事で伝えたいこと

  • (私も含めて)PdMは顧客のことを理解したつもりになっているだけかもしれないということ
  • 顧客理解を深める手段としてロールプレイが有効だと思ったこと
  • ロールプレイを通してプロダクトの価値や今後のポテンシャルに気付けるかもしれないということ

このブログを書こうと思ったきっかけ

先日、チームメンバー4人でロールプレイを行いました。やり方は極めてシンプルで、自社プロダクトを使っている顧客の立場になり、事前に決められたお題に対して制限時間30分で「自分たちならどうする?」というプレゼンをして競うだけ。これを4人で2人ずつのチームに別れて2ターン行いました。

これが本当に難しかったです。

「武器として自社プロダクトは自由に使っていいよ」という有利な条件があったにも関わらず、制限時間内に納得のいく情報整理ができず、

「もっとこんな使い方がしたい!」

「このデータも追加して欲しい!」

などと叫びながらワークを進め、結果として良い意味でいくつもの改善点が見つかるとともに、

あー、自分って顧客のことをまだまだ理解できていなかったんだな
今解決できている課題はまだまだ氷山の一角なんだな

という学びを得ました。

正直言って、入社してから半年間必死で顧客のことを理解しようと努め、半分とは言わずとも30%くらいは顧客のことを理解したかな?と自惚れていましたが・・・とんでもない。
悪く言えば1%しか理解できていませんでした(猛省)。

私のPdMとし⁨⁩てのキャリアを振り返ると、前職までのプロダクトは一貫してEC業界であり、私はPdM以前にEC業界で「商品企画・販売・マーケティング・決済・CS・物流」の業務に長く携わっていたので、「顧客理解はできていて当たり前」「むしろ顧客より顧客のことを深く理解している」という非常に恵まれた環境でPdMをしていたのです。

当然、estieに入社する際に商業用不動産のドメイン知識は全くないと理解していたので、入社後は顧客に出来る限りたくさん会って業界の理解を深めなければダメだぞ、と思い半年間働いてきたのですが、その結果が、

あー、自分って顧客のことをまだまだ理解できていなかったんだな

です。

同じPdMの皆さんには私と同じ失敗をして欲しくないと思い、自戒の念を込めてこのブログを書くことにしました。

フレームワーク整理とロールプレイの違い

まずはじめに顧客理解の過程でフレームワークを用いる時と、ロールプレイを通して顧客理解を深める時の違いをざっくりと整理してみました。


全然違いますよね。フレームワーク整理が一見合理的に見えるのに対して、ロールプレイはより定性的かつ「個」にフォーカスした感じです。

理想を言えば、この二つは相互に補完し合うので、両方実施すると良いのでしょう。恥ずかしながら、私はロールプレイをしたのは今回が初めて⁨⁩でしたが。

ロールプレイをする上で意識して欲しいことは、具体的なシナリオを作り、全員が必死に顧客の気持ちになって考えられる状況にするということです。当事者の立場になれない中途半端なロールプレイは意味がないでしょう。

参考までに、今回私たちのチームに用意されていたシナリオはこちらです。

  • 物件Aの7階に入居している会社Bが先月末で退去になりました。
     ※Aは物件名称、Bは会社名称で、実際はもっと具体的にしています。

  • あなたはビルの担当としてこの空室を埋めてください。
     シンプルですが、非常に奥が深く、よくできたシナリオだと思います。

ロールプレイでの気づき

自分でやると想像の10倍辛い課題があった!

最も収穫だったのは、実際に顧客の立場になって業務を進めることで、課題の大きさ(ペインの深度)を身をもって理解できたことです。

今回のシナリオはたまたま私の担当領域だったため、私は事前知識がある状態で臨んだのですが、とある課題が私の想像よりも10倍辛かった!!今のプロダクトではその課題の表層的な部分しか解決できておらず、顧客はもっと根本的な課題の解決を望んでいる、というか自分が顧客だったら絶対にそうして欲しい、と思いました。

言い換えると、課題であることは事前にわかっていましたが、それがどれほど顧客にと⁨⁩って重たい課題なのかを私が理解できていなかったのです。ロールプレイでそれを身をもって体験したので、今は何とかその課題を解決しようと、PRDを書いたり、色んな人と議論しています。

今の自社プロダクトの価値レベルを正確に認識できた!

プロダクトを開発する会社の社員の立場で触るのではなく、顧客かつ実際にそのプロダクトを使って成果を出さなければいけない立場で触ると、全く違う景色が見えます。

今までは何となく「これでいいだろう」と思っていたものが不十分だったり、実際の業務に最適化されていない箇所がボロボロと出てきます。

もちろん、そういった課題は日々の顧客との関係の中で要望として入手できることもあるでしょう。ですが多くの顧客は、Why so ? So What ?などと綺麗に言語化はしてくれません。従って、顧客からの要望だけでも本質的な課題を理解することはできないのです。

もう一つ言えば、先ほど、

今解決できている課題はまだまだ氷山の一角なんだな

と述べましたが、「今の自社プロダクトがなかったらさらにもう10倍辛かった!」ということにも気付き、自社プロダクトの良い面も顧客視点で再認識できました。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。恥を承知でここまで書いてきましたが、最後に言いたいことは、ロールプレイを通して顧客やプロダクトの課題を深く理解できると、プロダクトのポテンシャル(今後の伸び代)にも気づけるということです。時として未来志向が必要になるPdMにとって、そのプロダクトにどのような伸び代があるかを知ることは非常に有益です。なぜなら、目指すべき姿がぼんやりとでも見えれば、あとはどうやってその差分を埋めていくかをロードマップに落とし込めばいいからです。

estieでは引き続きPdM仲間を募集中です。ぜひ一度カジュアルにお話しましょう!!

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