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先日「大手町のオフィス事情」でもご紹介した通り、丸の内と並んで日本有数のオフィス街である大手町。旧来から商社、政府系金融機関、メガバンクなどの、日本を代表する大企業が本社や本店を構えてきましたが、近年ではテック企業も増えているのをご存知でしょうか。現在大規模なリニューアル工事が進んでいる、大手町のシンボルとも言える「大手町ビル」では、イノベーションを推進する施設が続々開設されています。古くから親しまれてきたビルでありながら、時代の最先端をいく、「大手町ビル」を今回は特集します!
大手町のオフィス(2020)事務所利用の魅力と今後の開発
丸の内と並んで商社、政府系金融機関、メガバンク、マスコミなどの企業が本社や本店を構える日本を代表するオフィス街である大手町。今回はまだまだ発展途上とも言える街である大手町の魅力について迫って行きたいと思います。
基本情報
名称 | 大手町ビルヂング |
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住所 | 東京都千代田区大手町1-6-1 |
竣工 | 1958年4月 |
高さ | 約31m |
階数 | 地下3階、地上9階建 |
敷地面積 | 10,496㎡(約3,175坪) |
延床面積 | 111,272㎡(約33,660坪) |
事業者 | 三菱地所 |
立地はまさに大手町のど真ん中に位置しています。丸の内線大手町駅に直結しているほか、半蔵門線・千代田線大手町駅の改札からもすぐのアクセスです。
大手町の発展を支えてきた大手町ビル
60年以上前の1958年に竣工した大手町ビルは、今では周りの高層オフィスビルと比べると低層ですが、延床面積3万3千坪を誇り、当時は大規模オフィスビルのまさに先駆けと言える存在でした。周辺のビルと比べても群を抜いて大きく、「東洋一の規模」と謳われたほど。
日本では初めて全館空調を導入したなど、時代の最先端を走ってきたことが見て取れます。丸の内の大家である三菱地所も近年まで本社を構えており、まさに大丸有(大手町・丸の内・有楽町)のオフィス街としての発展はこの大手町ビルに支えられてきたと言っても過言ではないでしょう。
竣工当時の大手町ビル(出典 https://office.mec.co.jp/search/detail/011506/)
時代が経過した今、2018年から大規模リニューアル工事が開始され、今も大手町の中心において圧倒的な存在感を放っています。その中でも特徴的な取り組みなのが、ビル東側を「LABゾーン」として位置付け、個性豊かな企業や施設の誘致を行い、新たなビジネスが創出される場を目指している点です。
そんな大手町ビルの最新鋭の施設を見ていきましょう!
「LABゾーン」の内部に迫る!
大手町ビルには現在数々のコワーキングオフィスやインキュベーション施設が続々開設されています。それぞれ見ていきましょう!コワーキングオフィスってなに?って方は下記の記事もご覧ください!
コワーキングスペースとは?向いている業種やメリット、デメリットは?
オフィス移転を検討する際、候補の1つとして検討されることの多いコワーキングスペース。最近では、大企業のサテライトオフィスとして使用されることも珍しくありません。言葉はよく耳にするようになりましたが、皆さんどんな場所かご存知でしょうか? 今回のコラムでは、コワーキングスペースについて説明していきます。
Inspired.Lab
ERPベンダー最大手のSAPジャパンと三菱地所が協働して生まれた「Inspired. Lab(インスパイアードラボ)」。社会課題を解決する新規ビジネスの創出を目的とした、オープンイノベーションのためのコラボスペースとなっております。
そのため、オフィススペースやカフェスペースのみならず、デザインシンキングワークショップを行うスペースや、3Dプリンター・レーザープリンターなどが設置された工房スペースが存在。社会にインパクトを与える新規ビジネスを創るための環境が完備されています。
FINOLAB
出典:https://finolab.co.jp/pdf/news/20190711/0711.pdf こちらは三菱地所と電通国際情報サービス(ISID)がコラボして、FinTechビジネスエコシステムの構築をゴールとして2017年2月に大手町ビルに開設された拠点です。2019年7月時点でスタートアップ会員49社、企業会員12社、登録人数500名を超えるコミュニティを擁しており、日本で最先端のFinTech拠点となっております。
実際にマネーフォワード、FOLIOなどの勢いのあるスタートアップから、三菱UFJイノベーション・パートナーズなどの大企業が、交流できる環境が整っています。2020年2月にはオンライン環境とリアルな施設を融合した事業創出基盤「FINOLAB SANDBOX(仮称)」がオープン予定とのこと。
今後も目が離せません。
SAP Leonardo Experience Center Tokyo
こちらは先述のERP最大手のSAPと、ユーザーやパートナー企業がともにデジタル変革を推進するための共創イノベーション施設です。本国ドイツに続いて、世界では2番目の開設となります。室内にはデザインシンキングを行うためのスペースや、デジタル変革後の姿を360度画面でバーチャル体験できる「デジタル・インタラクティブ・スペース」を備えております。
estieも参加した、アジア第一回の開催となるSAP主催のB2Bテクノロジースタートアップを支援するプログラムSAP.iO Foundry Tokyoのメイン会場としても使われましたが、その設備の充実度には脱帽です。
Agventure Lab
出典:https://agventurelab.or.jp/
農林中央金庫JAグループが開設したのは、「次世代に残る農業を育て、地域のくらしに寄り添い、場所や人をつなぐ」をコンセプトとする、Agventure Labです。こちらは、主にアグリテックの分野でのオープンイノベーションを実現する拠点となっております。 木やグリーンを意識した内装で、靴を脱いでよりリラックスした気持ちで仕事に取り組めるスペースもございます。
KPMG Ignition Tokyo
出典:https://home.kpmg/jp/ja/home/about/kit.html
最後にご紹介するのは国際会計事務所のKPMGが開設した、イノベーション促進拠点であるKPMG Ignition Tokyo。研究開発拠点の「Lighthouse」、オープンイノベーションを議論するためのスペース「Innovation Lab」、最新のデジタル技術を体験可能な「Insights Corner」から構成されています。
KPMGが持つグローバルネットワークやデータアナリティクスの知見を活かし、クライアント企業のビジネスを推進します。
終わりに
「大手町なんて、大企業の街でしょ」と思っている方はぜひ大手町ビルに足を運んでみてください。ここで新しいビジネスの種が日々生まれつつあります。
リニューアル工事も当初の計画では2021年3月に完了する見込みですので、新しく生まれ変わったこの機会にぜひ!
有楽町のオフィス事情やOtemachi One タワーについては以下をご覧ください。
有楽町のオフィス事情【再開発に注目】事務所の今後の動向を解説
時に港区・中央区と合わせて「都心三区」とも呼ばれることもある、日本国内屈指のビジネス街である千代田区。その中でも特にビジネス街として強い存在感を放つのが「大手町・丸の内・有楽町」エリアです。
Otemachi Oneタワー(大手町ワンタワー)の入居テナントや豆知識を紹介
日本経済を牽引して来た先進オフィス街である大手町。オフィス移転先としても非常に人気の高いエリアです。2020年2月、皇居の正面玄関である大手町、その一等地に大手町最大級の再開発プロジェクトである「Otemachi Oneタワー(大手町ワンタワー)」が竣工を迎えます。建て替え前には三井物産のグローバル本社が所在していたことで有名な場所ですが、再開発後は一体どんな街になるのでしょうか?オフィス移転事例にも迫ってみたいと思います!