ベンチャー向きのオフィスとは?シェアオフィスなどの形態3種類を比較

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. ベンチャー企業が選ぶべきオフィスとは?
  2. オフィス選びに関するベンチャー企業の特徴とは?
  3. セットアップオフィスとは?
  4. シェアオフィスとは?
  5. レンタルオフィスとは?

ベンチャー企業を立ち上げオフィスが必要となった場合、どのようなオフィスが向いているのか、どのような点に注意して選べばいいのかを知っておく必要がありますよね。 今回のコラムではベンチャー企業が選ぶべきオフィスを徹底解説していきます!

ベンチャー企業が選ぶべきオフィスとは?

立地の良いオフィス

ベンチャー企業にとって顧客や取引先との密な関係構築や情報収集は非常に重要なものです。 故にアクセスの良い都心部で利便性の高い場所にオフィスを構えることがオススメです。 とはいえ業務内容によって都心部の中でもどこが良いのかは考える必要があります。 また、都心部の一等地にオフィスを構えることは、企業のイメージアップや社会的信用力の向上のような効果も見込めます。

規模に合わせたオフィス形態

主なオフィスの形態として、シェアオフィス、コワーキングスペース、レンタルオフィス、マンションの一室を借りる、または自宅をオフィスにするなどが挙げられます。それぞれの特徴と自社のオフィスに必要な条件とを比較検討して最適なオフィス形態を選択しましょう。

適切な広さのオフィス

オフィスにおいて、一人あたりに必要なスペースは3坪(デスクワークの場合)と言われています。将来的な事業の成長計画に沿った広さのオフィスを選択することが重要です。また、ワーキングスペース以外にも倉庫やリフレッシュスペース等を考慮した広さのオフィスを考えるのが良いでしょう。 自社のオフィスに必要広さをあらかじめ見積もることで、余計なコストを抑えたオフィスを選定できます。

オフィス選びに関するベンチャー企業の特徴とは?

実際にベンチャー企業のオフィス選択にはどのような特徴があるのでしょうか。

移転までの期間が短い

成長を重視するベンチャー企業はその規模の拡大に伴いどんどんと新しいオフィスに移動しなければなりません。同じオフィスにいる期間が短く、次々と新たなオフィスに移転することが多いです。

コストを抑えたい

ベンチャー企業はできるだけオフィスにかけるコストは削減したいものです。 多くのベンチャー企業は初めから資金に余裕があるわけではないため、特に移転時のイニシャルコストが嵩むことは避けたいことです。 では、そんなベンチャー企業が選ぶべきオフィスの種類にはどのようなものがあるのでしょうか。

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セットアップオフィスとは?

前述したベンチャー企業特有の悩みを解決するオフィス。その一つがセットアップオフィスです。セットアップオフィスとは、受付や会議室など基本的なオフィスの内装が予め施された状態で貸し出されるオフィスのことです。端的に言うと、一つのオフィス区画を内装付きで一つの会社に提供したものです。

セットアップオフィスのメリット

今までのオフィスの常識を覆すようなセットアップオフィスには一体どんなメリットがあるのでしょうか。

・移転コストの削減

初めからオフィスに必要な設備が整っているため、内装への投資が最小限で済みます。また、それに伴い原状回復に必要なコストも削減することができます。

・入居までの時間短縮

通常のオフィスの場合は内装業者の選定やレイアウトの決定に時間を割く必要がありましたが、セットアップオフィスではこれが不要です。基本的には配線関連の作業と引越しの作業のみに短縮できます。

・従業員のモチベーションの向上

セットアップオフィスはビル全体で改装されていることが多く、専有のフロア以外の共用部をはじめとして全体的に清潔で新しい環境で働くことができます。また、デザイン性も高いことが多く、高いグレードのオフィスで働けることは従業員にとって大きなモチベーションの源泉になるでしょう。

・移転に伴う経営者の負担削減

セットアップオフィスに移転すれば、内装のレイアウトの考案や内装業者の選定のような本業とは無関係な不慣れなことも必要ありません。本業に集中しつつ移転が可能となるのです。

セットアップオフィスのデメリット

ベンチャー企業と非常に相性の良いセットアップオフィスですが、少ないながらにデメリットもあります。

・賃料の相場が高い

もともと内装工事がなされているため、賃料は高めに設定されていることが多いです。長期間移転しない企業にとっては、一般的なオフィスを選んだほうが結果的には低コストで済む場合もあるかもしれません。

・内装にこだわることが難しい

予めオフィスのデザインが決まっている状態であるため、レイアウトやデザインのレパートリーはどうしても制限されてしまいそうです。

シェアオフィスとは?

シェアオフィスとは、様々な企業が一つの空間を共同利用するオフィス形態です。具体的には、一つのオフィス区画を内装付きで複数の会社に提供し、共有してもらうものです。コワーキングスペースとも呼ばれています。詳しくは下の記事をご確認下さい。

コワーキングスペースとは?向いている業種やメリット、デメリットは?

オフィス移転を検討する際、候補の1つとして検討されることの多いコワーキングスペース。最近では、大企業のサテライトオフィスとして使用されることも珍しくありません。言葉はよく耳にするようになりましたが、皆さんどんな場所かご存知でしょうか? 今回のコラムでは、コワーキングスペースについて説明していきます。

シェアオフィスのメリット

人気が高まっている画期的なオフィス形態であるシェアオフィスのメリットを紹介します。

・オフィスに関わる様々な費用の削減

やはりこれが最も大きなメリットではないでしょうか。純粋に利用料が安いことを始めとして、もともと設備が整っているため、イニシャルコストの削減もできます。また、インターネット回線、水道光熱費や飲み物まで利用料に含まれている場合が多いためランニングコストの削減も可能です。

・良い立地にオフィスを持てる

通常のオフィスよりシェアオフィスの方がアクセスの良い立地条件を満たしていることが多いです。また、スモールビジネスではなかなか入居しにくい一等地の住所を手に入れることも容易になります。

・ネットワーク構築が容易になる

シェアオフィスを利用している他の企業や人とのコミュニケーションを通じて多種多様なネットワークの構築が期待できます。情報交換等、ビジネスに良い影響をもたらしてくれることでしょう。

シェアオフィスのデメリット

シェアオフィスにはその性質ゆえのデメリットも存在しています。

・セキュリティの問題

オープンな空間であるため、PCの画面が簡単に第三者の目に触れてしまうことや共有のLANから情報漏洩をしてしまう可能性が考えられます。また、シェアオフィスを一次的に利用する人の出入りも少なくない点もセキュリティ面における懸念事項と言えます。

・周囲の環境

オフィスの性質上、他の企業の電話やミーティング等の雑音がどうしても聞こえてきてしまいます。静かな環境を求める人にとってはデメリットになり得ます。

レンタルオフィスとは?

レンタルオフィスとは、他の企業とスペースを共有する貸事務所のことです。予めオフィスに必要な設備が整っている点ではセットアップオフィスと共通しています。また、同じフロアを複数の会社と共有しつつも企業の専有スペースがある点で、シェアオフィスとは異なります。

レンタルオフィスのメリット

こちらもまた低コストでスタートアップやベンチャー企業に人気のあるレンタルオフィスにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

・初期投資がかからない

セットアップオフィス同様に家具や内装が予め完備されているため、初期投資が低額で済み、すぐに入居することができます。また、フロアの一部を借りているだけであるため、比較的簡単に移転ができます。これはオフィス移転が頻繁に起こるベンチャー企業にとってメリットとなり得ます。

レンタルオフィスのデメリット

もちろんレンタルオフィスにもデメリットはあります。概ねセットアップオフィスと似たようなデメリットが考えられそうです。

・不必要なオプション料がかかる

オフィスの設備全般が予め内装されているというメリットの反面、不要なオプションが上乗せされている場合もあります。オプションの内容はしっかりと確認してから利用を開始すべきと言えそうです。

・プライバシーの問題

シェアオフィス同様にプライバシー問題も避けては取れない問題です。企業の専有スペースがあるとは言え、様々な人が出入りする性質上、細心の注意を払う必要性があると言えます。

いかがだったでしょうか。

ベンチャー企業の成長とオフィスの移転は切っても切り離せない関係にあります。この記事が少しでもあなたのオフィス選びのヒントになれば幸いです。

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監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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