なぜオフィスのセキュリティ対策が必要？

日本は治安の良い国と言われていますが、犯罪がまったくないという訳ではありません。インターネットの普及により、新しい形の犯罪も増えています。企業からの情報漏洩問題がニュースになっているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか。

オフィスのセキュリティ対策はそういった犯罪の対象とならないために、また万が一そうなった時にも被害を最小限に抑えるために必要なことです。

オフィスのセキュリティ対策8つ

まずは、オフィスでよくある代表的なセキュリティ対策について紹介します。

オフィスのセキュリティを強化したい場合は、これらの対策方法をいくつか、あるいはまとめて導入することをおすすめします。いずれ全てのセキュリティ対策を実施あるいは導入できれば、オフィスのセキュリティを万全にできるでしょう。

1：入退室管理システムを導入する

コストが低めのオフィスセキュリティ対策として、いつどの部屋に誰が入ったのかを記録したり、特別な部屋に入れる人間を厳選するといった使い方のできる入退室管理システムを導入する方法があります。

入退室管理システムのメリットは、運用コストが抑えられるということでしょう。あらかじめ部屋をロックして入れる人間を厳選し、権限のある者しか入室できないようにします。入退室管理システムは、勤怠管理にも使えるでしょう。

2：監視カメラを設置する

オフィスのセキュリティ対策として犯罪が起こる可能性を抑制するために、あるいは起こってしまった犯罪の証拠を残すためにも監視カメラを設置することは有効です。

人目がないと犯罪に手を出してしまいやすいですが、監視カメラがあると分かると躊躇う人は多いのです。またもし何か犯罪や不正が行われていた場合、監視カメラが証拠をとらえることもあります。監視カメラを設置することは、犯罪の抑止と証拠確保につながるでしょう。

3：防音対策をする

音による情報漏洩を防ぐためには、オフィスのセキュリティ対策として防音対策も必要となってきます。とくに、会議室といった企業にとって重要な内容を話すような場所を優先して、防音対策するとよいでしょう。

防音室を作るという方法もありますが、どうしてもコストがかかってきます。すぐにできる対策として、吸音素材を活用して吸音パネルや吸音タイル、カーペットなどで会議室を囲み、防音する方法が効果的です。

4：人為的ミスをなくす教育をする

どれほどオフィスにセキュリティ対策しても、それを使う人がミスをしてしまえば台無しになってしまうため、人に対してしっかり教育する必要があります。

情報漏洩対策しても、セキュリティ意識の低い社員がいればそこから情報が洩れてしまう可能性があります。人為的ミスをなくすためにもオフィスのセキュリティ対策の重要性や、どうセキュリティを高めていくのかを教育し、徹底できるようにしましょう。

5：セキュリティゾーニングをする

セキュリティゾーニングとは、重要な箇所とそうでない箇所をエリアで分けてセキュリティ対策していく方法です。セキュリティゾーニングすることで、重点的・優先的にセキュリティを高める場所と、比較的自由な場所に分けてそれぞれセキュリティ対策します。

全ての場所に最高のオフィスセキュリティを施すことはコストがかかるため、難しいでしょう。セキュリティゾーニングすると、重要な場所とそうでない場所を分けられます。

6：情報システムへの不正アクセス対策をする

インターネットが普及し仕事する上でも使うようになった現在、外から内部の情報システムへ不正アクセスされることがあるため、ファイアウォールや利用制限をつけて対策しましょう。

いつでもどこでもインターネットに繋がるような環境では、不正アクセス対策が必須となります。セキュリティに強いルーターやPCの導入、ファイアウォールの活用、パスワードの工夫やインストール制限といった対策をしていきましょう。

7：セキュリティ対策のマニュアルをつくる

組織的なセキュリティ対策としてセキュリティマニュアルをつくり、それに沿って運用していくようにしましょう。

例えば、書類はシュレッダーにかけて捨てることや重要な書類はすぐには捨てないなど、まずルール作りから始める必要があります。ルールを作ったらそれをマニュアル化して配り、全員のセキュリティ意識を高めるようにしましょう。

それと、必ずマニュアルを作成する際は責任者もしくは担当者を先に決めておくとべきです。企業にとってセキュリティ対策をしっかりとっていると社外にアピールできる重要なポジションなので、信頼でき社内でも模範となる人物を選びましょう。

8：サウンドマスキングをする

サウンドマスキングとは、気にならない程度の小さな音量でBGMを流して、声は聞こえても会話内容までは把握できないようにするオフィスのセキュリティ対策です。

この方法では完全な防音はできませんが、会話内容までは把握できなくなります。何か話している声は聞こえるけれど、話している内容は分からないという状態です。防音工事や吸音素材を用意する必要がないため、費用対効果の高いセキュリティ対策です。

セキュリティが充分なオフィス選びのポイント6つ

オフィスのセキュリティ対策も大切ですが、そもそもオフィスが入っている建物がセキュリティに強いかどうかも重要なポイントです。万全のセキュリティ対策を目指すのならば、セキュリティが高いオフィスビルであるかを確認しましょう。

ここではオフィス選びの際にセキュリティ面で気をつけたいポイントについてまとめています。

1：入退室管理のセキュリティを設置できるか

セキュリティ対策として入退室管理システムを利用したい場合に、そもそも設置できるのか、まずはそのことを確認しておきましょう。

入退室管理は顔認証やカード、スマートフォンで解除できますが、利用するためにはドア付近にカードリーダーを設置する必要がある、といった条件があります。すぐに利用する予定はなくても、将来的に入退室管理システムが導入できるかどうかを確かめておきましょう。

2：ビル自体のセキュリティ対策は万全か

自社ビルではなくオフィスビルの中にオフィスを構える場合は、オフィスビル自体のセキュリティとして人の出入りや警備の状況がどうなっているのかを確認しておきましょう。

とくに人の出入りの仕方、警備状況や監視カメラがあるのかなどをしっかり見ておきましょう。

3：隣接企業は不特定多数の人が出入りするか

オフィスビルでは、自分のオフィスに隣接する企業への人の出入りを確認することも重要です。隣接企業に不特定多数の出入りがある場合、それに合わせてセキュリティ対策をする必要があります。

隣接企業に人の出入りが少ないか、不特定多数が常時出入りしているかにより自オフィスで必要とされるセキュリティのレベルや種類が異なります。できれば、隣接企業についても調べておきましょう。

4：立地に合ったセキュリティ対策がされているか

セキュリティ対策は大切ですが、オフィスがある場所の立地に合ったレベルのセキュリティ対策をすることが重要になります。

例えば人の多い都会と、人通りの少ない田舎では立地条件が大きく異なり、必要となるセキュリティ対策も変わってきます。隣近所で採用されているようなレベルのセキュリティ対策がとれていれば、問題ないでしょう。

5：セキュリティの重要度によりゾーニングできるか

セキュリティゾーニングするためにきっちりとエリア分けができるかどうか、オフィスの作りを見ることも大切です。

効果的にまた費用を抑えたセキュリティ対策のために、セキュリティゾーニングは有効的です。

しかし、セキュリティゾーニングしたくてもしにくい建物であれば、効果は低くなります。重要な部分だけでもきっちりエリア分けできる作りになっているかどうか、確認しておくとよいでしょう。

6：来訪者用の部屋と執務室を分けられるか

セキュリティ対策のために、社員ではない来訪者が入って来られるスペースと、社員だけが行き来できる執務スペースが分けられるようになっているか確認しましょう。

セキュリティのためには、来訪者が執務室を通らなくてすむようなルートをつくります。また会議室での言葉が届かない位置に応接室がある間取りにすることなどが大切です。そういった間取りが可能かどうか、事前に確認しておきましょう。

セキュリティ対策をして安全なオフィスにしよう

オフィスでセキュリティ対策することは必要不可欠です。しかし、セキュリティ対策を万全にするためには入退室管理システムや監視カメラの導入、警備員の配置などコストがかかることも確かです。

セキュリティに強いビルを選び、立地や環境から必要なセキュリティ対策とコストを考えて、オフィスのセキュリティ強化を効果的に実施しましょう。