テナントとは?テナントの形態3つと誘致方法5つについて解説

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. テナントとは?
  2. テナントの形態3つとは
  3. テナントの誘致方法5つとは
  4. テナント誘致を成功させる秘訣とは
  5. テナント誘致を成功させる方法4つとは
  6. テナントとは何かを知ろう!

テナントとは?

テナントとは、オフィスビルやショッピングモールなどの一画に、その建物のオーナーや運営母体と賃貸契約を結び入居する借主、または入居している事務所や店舗そのものを指します。


テナントという言葉は本来、土地や建物の貸借人や貸借権保有者を指すものですが、最近では物件に入居する事業所や店舗を指す言葉として使われることが一般的です。「店子」と呼ばれることもあります。

テナントの形態3つとは

テナントの形態にはいくつか種類があり、大きく分けて店舗、オフィス、倉庫の3つの形態があげられます。


それぞれ適した物件の条件が異なるので、テナントの誘致を目指す際は、どのようなテナントを誘致するのか計画性を持つ必要があります。そのためにまずは、それぞれの形態の特徴を知りましょう。

テナントの形態1:店舗

店舗とは、不特定多数の来客を想定して利用される物件の形態です。例としては、飲食店、美容院、歯科医院、クリニック、アパレルなどがあり、一口に店舗といっても必要な面積や適した立地は様々です。

テナントの形態2:オフィス

オフィスとは、企業のスタッフが事務作業を行う場所です。事務所と言い換えることもできます。


オフィスは、不特定多数の来客がなく、商取引が行われないという点で店舗とは異なります。しかし、旅行会社や不動産店など事務作業を行うスペースでも不特定多数の来客がある場所もあります。このような場合は店舗事務所と呼ぶこともあります。

テナントの形態3:倉庫

倉庫とは、物品を貯蔵、保管、収納するための建造物です。保管期間が一時的なものから、長期的に保管し続ける場合もあります。


個人で倉庫としての使用を前提に賃貸契約をすることはめずらしく、物件が倉庫として使われるのは多くの場合、企業が商品の在庫を保存、管理するためです。

テナントの誘致方法5つとは

テナントを誘致する方法はいくつかあり、それぞれかかる費用や広告効果が異なります。ここではテナントの誘致方法を5つ紹介します。


それぞれの方法のメリット、デメリットについてよく理解して、自分に合った方法でテナントの誘致を目指しましょう。

テナントの誘致方法1:RAINS(レインズ)に登録する

REINS(レインズ)とは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産物件情報交換のためのコンピューターネットワークシステムです。


REINSは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の頭文字をとったものです。一般の方は閲覧することができませんが、会員となっている不動産会社は一元化された不動産情報を得ることができます。


REINSに掲載されることで、物件の情報を多くの不動産会社に見てもらえます。

テナントの誘致方法2:募集チラシの配布

募集チラシの配布は、不動産情報を顧客に届ける昔ながらの方法です。近年ではインターネットでの募集が主流となってはいますが、効果的なデザインのチラシ製作ができれば一定の効果はあります。


製作したチラシは、新聞の折り込みで配布したり、人目に付く店頭に掲示することで多くの人に物件の情報を認知してもらうことができます。

テナントの誘致方法3:看板・ポスターの作成

看板やポスターを物件の周辺に立てることで、物件の近辺に立ち寄った借り手に対して直接的に募集をかけられます。物件を現地で見た人が良いデザインの看板やポスターを目にすることで、物件のイメージの向上にもつながり、効果的な募集ができます。


一方で、看板やポスターは周囲を通る人の目につきやすいため、設置する位置や雰囲気に合ったデザインなどに配慮する必要があります。物件のイメージを損なうことのないような看板・ポスターを作成するように心がけましょう。

テナントの誘致方法4:不動産サイトに掲載

不動産サイトに掲載することもテナントを誘致するための有効な方法です。不動産サイトは、物件を探している多くの人がチェックするので、物件の情報を不動産サイトに掲載してもらうことで借り手が見つかりやすくなります。


テナントの誘致を目指す場合、物件情報を掲載する不動産サイトはテナント物件を多く扱っているものを選ぶと良いでしょう。

テナントの誘致方法5:WEB広告を打つ

最近よく使われるテナントの誘致方法として、WEB広告を打つことがあります。WEB広告とは、インターネット上の媒体に掲載される広告のことで、その中でも様々な掲載形式があります。


不動産のWEB広告としては、不動産関連サイトに表示されるものや、不動産情報を検索したときに表示されるものが有効で、とても多くの人の目に入るという特徴があります。


テナント募集のWEB広告を作成する際は、借り手が一目見て興味を持つようなデザインにしましょう。

テナント誘致を成功させる秘訣とは

適切な物件管理と商圏のリサーチを行うことで、テナント誘致がうまくいく可能性が高くなります。


テナント誘致は入居が決まって終わりではなく、入居後もテナントと良い関係を保ち続けることが大切です。そのためにも、しっかりと準備や計画を行いましょう。

適切な物件管理

テナントを募集する際は、適切な物件管理を行うことがとても重要です。不動産は経年劣化するため、清掃やメンテナンスが適切に行われていなければ、物件の見学をする借り手に対して良くない印象を与えてしまいます。


物件のイメージは、そこへ入居するテナントのイメージにもつながるので、テナント募集の段階から物件を良い状態に保つことが必要です。借り手との良好な関係を築くためにも、物件の管理は適切に行いましょう。

商圏のリサーチ

テナントを募集する際は、入念な商圏のリサーチも必要です。物件の立地や状態によって、募集するべきテナントの形態や業種が異なります。物件が所在する商圏をしっかりと調査して、需要に合ったテナントを誘致することが求められます。


十分に商圏のリサーチを行ってテナントを誘致することで、長期的に入居してもらえる可能性が高くなります。

テナント誘致を成功させる方法4つとは

テナントの誘致を成功させるには、誘致を目指すテナントの形態それぞれに誘致成功のためのポイントがあることを理解し、それを実践する必要があります。


ここでは4つの場合についてポイントを説明するので、誘致したいテナントの形態が決まったら、これらのポイントを意識して効率的なテナントの募集をしましょう。

テナント誘致を成功させる方法1:商業施設の場合

商業施設の場合は、その商業施設の核となるキーテナントを誘致することが重要です。キーテナントとは、集客力が高く、その商業施設の中で顧客吸引の中心的な役割を担う店舗のことです。


キーテナントの高い集客力は、商業施設においてとても重要で、これの有無によって施設全体の認知度や売り上げが左右されます。商業施設のテナントを募集する際は、その商圏の需要に合ったキーテナントの誘致を目指しましょう。

テナント誘致を成功させる方法2:オフィスビルの場合

オフィスビルにおけるテナント誘致を成功させるポイントは、近隣の競合ビルと比較した有利性をアピールすることです。オフィスに求められる要素は立地だけではなく、立地や快適性も重要になってきます。


オフィスを誘致する際は、まず周辺の競合ビルの情報を得て、それと比較した自分の物件の強みを把握することから始めましょう。競合ビルと自分の物件の違いからどのような有利性が生まれるのかを説明できると、オフィスの誘致を有利に進めることができるでしょう。

テナント誘致を成功させる方法3:一般的な店舗の場合

一般的な店舗の場合、様々な手段で物件を探している人がいます。そのため、看板やポスター、WEB広告など様々な形態で募集することが必要です。


広告は、物件の立地や賃料において、テナント側にどのようなメリットがあるのか十分に伝わるものを製作するようにしましょう。


一般的な店舗向けの物件は競合が多く、ほかの物件との差別化が難しいですが、たくさんの広告を出し、多くの人に物件の情報を見てもらうことでテナント誘致のチャンスを作りましょう。

テナント誘致を成功させる方法4:倉庫の場合

倉庫向けの物件の場合、賃料や物件の広さ、物品の搬入、搬出のしやすさなどが重要になってきます。倉庫に保管する物品の種類によっては、他の条件が必要となることもあります。


テナント側のニーズを捉えられたら、広告を出したり、倉庫のテナント募集のための専用サイトに掲載してテナントを募集しましょう。また、倉庫を必要としている企業を訪問したり、FAX送信をするなどして営業をかけるのも効果的です。

テナントとは何かを知ろう!

テナントとは、賃貸物件のオーナーと賃貸契約を結び、物件に入居した店舗、オフィス、倉庫などの借主のことです。テナントの募集方法には様々な方法があり、物件の条件やテナントの形態によっても適した方法が異なります。


テナント用の物件を経営する際は、それぞれのテナント形態の特徴を理解して、どのようなテナントを誘致するのかを考えたうえで、効果的な募集を行いましょう。

監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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