コロナによる影響でオフィスを解約する際に確認するポイント5つ!残す場合の対策
- トレンド
- 2021/04/03
目次
コロナによるオフィスの解約数の推移とは?
オフィスの内装工事を手掛ける大手の株式会社エス・ビルドに対する、オフィス退去に伴う現状回復に関する問い合わせ件数の2020年分を見てみると、6月から10月の問い合わせ件数が、1月から5月の件数の2.2倍になっていることがわかりました。
2020年、コロナの世界的大流行により、会社の休業や廃業が増加しました。密を避けるために出社する人数を交代制にしたり、リモートワークを推奨したりと働き方が様変わりした結果と言えます。
オフィスを構えて仕事をするのが当たり前でしたが、コロナの出現により、オフィスの解約が進み、いわゆるオフィスレス企業が多くなっていることがわかります。
出典:原状回復工事の依頼数|株式会社エス・ビルド
参考:https://s-build.jp/news/932
コロナによる影響でオフィスを解約した方がいい場合3つ
「新しい働き方」のリモートワークが多くの企業で取り入れられていますが、オフィスを解約するべきかどうか決めかねている企業も数多くあることでしょう。
コロナによる影響でオフィスを解約した方が良い場合が3つあります。次にご紹介しますので、自分の会社がそこに当てはまるかどうか確認し、参考にしてみてください。
1:テレワークが上手くいっていて出社の必要がない場合
オフィスを解約したほうが良い場合の1つ目は、テレワークが上手くいっていて、出社の必要がない場合です。
紙ベースの書類のデータ化移行がスムーズに進み、なおかつ、全ての社員の電話がいつでもつながり、パソコンが使用できる、Wi-Fi環境があるなどのテレワークのできる状況を作れていれば、オフィスは必要ないでしょう。
解約すればオフィスの賃貸料がかからなくなるため、その分経費が削減され社員に還元できます。
2:許認可を取得されていない事業者の場合
許認可とは、特定の事業を行うために、都道府県や保健所などの行政機関に許可を得る必要があるものを言います。この許認可を受けて行う事業の中には、要件を満たしたオフィスを構える必要がある場合がほとんどです。
つまり、許認可の必要がない事業であれば、オフィスをなくしてしまっても問題はないとされています。
3:都心部から地方にオフィスを移転する場合
都心部から地方にオフィスを移転する場合も、オフィスを解約して良い場合です。許認可を得て行っている事業だとしても、オフィスを移転する場合で移転手続きを行えば問題にはなりません。
また、賃貸料の高い都心のオフィスから地方にオフィスを移転することによって、経費の削減につながりますので、大きなメリットになるでしょう。
コロナによる影響でオフィスを解約する際に確認するポイント5つ
テレワークで上手くいっている場合を見ても、オフィスを解約する方がメリットになることがおわかりいただけたでしょう。
しかし、オフィスを解約する際に確認するべきポイントが5つあります。このポイントを押さえて解約を検討する際の参考にしてください。
1:今後の事業計画について
オフィスを解約する際のポイントとして、今後の事業計画をどうするか検討する必要があります。事業計画によっては、オフィスはあったほうが良い、むしろオフィスがなければ成り立たないこともあるでしょう。
これからの事業計画にオフィスの有無が影響しないことを確認しましょう。
2:業務の遂行に支障がないか熟考する
オフィスを解約する際は、業務の遂行に支障がないかよく考える必要があります。例えば、通常の業務自体はテレワークで行えたとしても、新人研修を行う場合や出社しなければならない業務があるのなら、解約はしないほうが無難だということです。
業務の遂行を考えた上で、オフィスそのものを無くしたほうが良いのか、規模を縮小するのか、地方に移転するのかなど検討することが重要です。
3:テレワークの運用がスムーズにできるか
オフィスを解約して、テレワークの運用がスムーズにできるかを確認することも重要です。表向きはテレワークがスムーズに行われているように見えても、実はオフィスがあるからこそ上手くいっているということもあります。
オフィスにいる出社組がいたからこそ、フォロー体制とバックアップがあるという安心感から、成り立っていることもあるからです。この点をしっかりと見極めて判断するようにしましょう。
4:コロナ禍が終息した後のことも考慮する
コロナ禍であるが故に、リモートワークで業務をこなしている状況ですが、終息した後もこの業務形態を続けていくか否かの判断をした上で、オフィスの解約を検討しましょう。
今現在休養しているから、使用頻度が低いからと言ってもこの状況が終わった時にも同じ働き方を進める可能性が低いのであれば、解約するのは時期尚早ということもあります。
解約すればオフィスの賃貸料はカットできますが、コロナ終息後にやはりオフィスが必要となったときには、賃貸料はもちろん、探すところから契約に至るまでの時間と労力がかかるということも念頭に置いておくことが重要です。
5:許認可の書類を確認する
オフィスを解約するかどうか検討に入る前に、事業が許認可を得て行っている場合の要件について確認しましょう。なぜなら、オフィスを構えていなければ許可が得られない事業もあるからです。許認可を得て事業を行っている会社は、忘れずに許認可の書類を確認しましょう。
コロナによる影響でオフィスを解約するときの注意点
では、実際にコロナによる影響でオフィスを解約する時の注意点を2つご紹介します。スムーズに解約へとコマを進めるためにも、この2点をしっかりと押さえた上で手続きを進めるようにしましょう。
出社を希望する従業員のモチベーションに配慮する
今まで出社して業務をこなしていたものが、コロナの影響によりリモートワークの形態をとっても業務が行えることがわかり、選択の幅が広がったことは確かです。しかしながら、リモートワークのみにしてしまうと決めてしまうのは、短絡的です。
リモートワークの方が良いと考える従業員もいれば、出社して業務を行いたいと希望する従業員もいるでしょう。リモートワーク1本にして、出社希望の従業員のモチベーションが下がってしまっては、生産性にも影響が出る可能性もあります。
従業員の業務形態に関する考え方や希望に配慮するようにしましょう。
解約にかかるコストを確認する
オフィスを解約すれば、今後発生するはずだった賃貸料がなくなるわけですが、その前に解約にあたって、かかるコストがあることを忘れてはいけません。
その1つはオフィスを借りる前の状態に戻すための、原状回復費用です。もう1つは、中途解約となってしまう場合で違約金が発生する可能性です。これらの解約にかかるコストについて十分に確認するようにしましょう。
オフィスを解約せずに残す場合の対策
ここまで、オフィスを解約する場合についてのポイントや注意点をご紹介しましたが、解約しないという選択肢もあるでしょう。その際の対策についてもご紹介します。オフィスを解約しなくても、有効活用できる方法を探ることも大切です。
従業員が会議や新人育成で集まる場所として使う
オフィスは解約せずに、従業員が会議や新人育成する際に使用する場所として利用するという方法があります。その方法の1つとして、今までビルの複数階、もしくは複数の部屋を借りていた場合、それを減らして縮小化はすれど解約はしないという方法です。
そうすれば、今まで通常業務で利用する部屋とは別に、会議や新人研修のためにその利用時期に合わせて契約していた部屋の費用をカットすることができます。
業務内容を細分化する
業務内容を細分化し、出社してやる業務とリモートワークのみで進めることができる業務に分けるのも良い方法です。出社希望の従業員のモチベーションに配慮することについてご説明しましたが、この方法をとれば問題は解決するでしょう。
色々な働き方を模索し採用することで、オフィスの有無の検討はもちろんですが、色々な働き方に柔軟に対応できる企業であると認識されれば、優秀な人材が集まる可能性も大いにあるでしょう。
コロナ禍によるオフィスの解約は慎重に!
いかがでしたか。コロナ禍でリモートワークという働き方が浸透してきた一方で、オフィスの有無についても検討しなければならない状況がきています。多様な働き方が生まれた一方で、出社しない仕事のあり方だけが独り歩きしている感もあります。
いずれにしても、オフィスの解約に関しては、業務内容と事業計画とを照らし合わせ、メリットとデメリットを考慮した上で、慎重に進めるようにしましょう。