【状況別】オフィス移転チェックリスト作成する際の手順5選!注意点3つも紹介

田中 陸(Riku Tanaka)

目次

  1. オフィス移転チェックリストとは
  2. 【状況別】オフィス移転チェックリストを作成する際の手順5選
  3. オフィス移転チェックリスト作成の注意点3つ
  4. オフィス移転はチェックリストを作成して必要な準備作業を確認しよう

オフィス移転チェックリストとは

オフィスを移転する際には、準備や手配、スケジュール管理や届け出のように、やるべきことがたくさんあります。日常業務への支障を可能な限り抑え、スムーズな移転を実現するためには、チェックリストを作っておくことが大切です。

移転計画のスケジュールと必要な作業を記載

オフィス移転の計画が持ち上がったら、なるべく早めにスケジュールと必要な作業の洗い出しを行いましょう。


オフィスの移転には、一般住宅よりも長い準備期間が必要となります。また、そういったスケジュールをしっかりと立てるためにも、現在のオフィスの賃貸契約書を事前に確認しておきましょう。

【状況別】オフィス移転チェックリストを作成する際の手順5選

移転チェックリストは状況によって作成しておくことが大切です。本項では、状況に応じた移転チェックリストの作成手順を5つ紹介します。それぞれの状況下では何が必要なのかを把握し、全体のスケジュール感を想定しながら作成しましょう。

1:移転計画の作成に関する事項

移転計画の話が出たら、できるだけ早く始めたいのが本項で紹介する事項です。移転計画は移転の基礎となるものですので、しっかり強固なものにしておかなければ、その後の移転全体のスケジュールや管理に影響します。

移転目的・方針を決める

何のための移転なのか、目的を明確にしましょう。人員増加により現オフィスより広い場所への移転、ビジネス上の理由でより良い立地への移転、コスト削減のための移転など、移転の計画が持ち上がるには、理由があるはずです。


移転の目的を明確にすることによって、新しいオフィスを探す場所、規模、予算、移転するタイミングなど具体的な方針が定めやすくなります。

移転プロジェクトチーム立ちあげ

オフィス移転には、企画から移転、移転完了後まで、多くの手配や準備などがあり、その工程も複雑なものになります。また、決められた期間内に、関係者や社内決議など確認することも多いので、普段の業務の片手間にできるものではありません。


社内での情報共有や、移転に関わる業務の分担といった側面からも、移転プロジェクトチームを立ちあげることがおすすめです。

移転先物件探し・決定

オフィス移転の目的に適った移転先物件を探しましょう。大手の賃貸物件検索サイトでは、インターネット上でも物件を見ることができます。より細かな条件で探すためにもオフィス専門の不動産会社に相談するのもおすすめです。


気に入った移転先が見つかったら、入居申し込みをします。入居申し込みには、オフィスのオーナーが信用調査を行うのに必要な書類の提出が求められますので、手配できるものは事前に社内で準備をしておくと良いでしょう。


入居申し込み後、信用調査が行われ、双方に問題がなければ、契約へと進むことになります。契約時には、書面の契約内容に相違がないかしっかり確認しましょう。

2:現オフィスの退去準備に関する事項

現オフィスを退去する際に、確認・手配が必要な事項があります。現オフィスを退去する場合の細かな取り決めは、賃貸契約書に詳細が記載されているものです。移転の話が持ち上がったタイミングで確認することをおすすめします。

現オフィスの解約予告

一般的にオフィスの賃貸では、住居に比べて事前の解約予告の期間が長く定められています。移転のスケジュールが決まったら、忘れずに解約予告を行いましょう。


その他にも、付帯して借りている看板や駐車場といったものがあれば、それらも忘れずに解約予告を行ってください。

現オフィスの原状回復工事の段取り・手配

オフィスを借りた時の状態に戻す原状回復工事について段取りと手配が必要です。契約内容にもよりますが、原状回復工事を行う工事会社がオーナーによって指定されている場合もありますので、契約内容を確認しましょう。


また、明け渡し日までに工事を終わらせておく必要がありますので、その点も加味して段取りすることが大切です。

3:移転先オフィスの準備に関する事項

移転先の契約が決まったら、移転先オフィスにおける準備を進めましょう。現オフィスから持っていく什器の洗い出しなど、予め行っておくことで、これらの準備が集中する時期の業務負担を軽減することができます。

レイアウト・内装計画を立てる

移転先オフィスのレイアウトや内装の計画を立てましょう。現オフィスから持っていく什器の配置、人数、部署数、会議スペースや来客スペースなどの必要なスペースの把握など、予め決まっていることを基準として考えましょう。

什器備品の購入計画を行う

現オフィスから持っていく什器や備品に加え、移転先オフィスで購入する必要のあるものをリストアップし、購入計画を立てましょう。大型家具などは特にレイアウトをしっかり確認しながら購入してください。

セキュリティ対策の検討・決定

オフィスのセキュリティ対策は、主に2つに分けて考えましょう。1つ目は、外部からの侵入に備える防犯対策などのセキュリティ対策です。ビルやオフィスに入る際など、要所での鍵の設置や、防犯カメラや金庫の設置などがこれに当たります。


2つ目は、インターネット上のセキュリティ対策です。個人情報や機密情報などの情報漏洩は企業にとって致命的な打撃を与えかねません。社内での周知徹底と共に、移転先オフィスのネットワーク管理についてもしっかり検討した上で、決定することが重要です。

内装工事等の発注

移転先のオフィスの状態と、希望するフロアプランに合わせて、内装工事を発注します。内装工事はオーナーの指定業者のみ利用可能という場合もありますので、契約時に確認しましょう。


また、内装工事の費用を抑えるには、居抜き物件といって、前の利用者の残した設備をそのまま利用できるものもあります。逆に、スケルトン物件といって、壁や天井、床など全てがむき出しの状態で借りた場合、内装費用は嵩みます。

4:移転・引越し作業に関する事項

オフィス移転・引越しに関しては、日常業務に支障を出さないためにも、社員全員に協力を仰ぎながら最短の日にちでスムーズに済ませられるようにします。オフィス移転・引越しの作業スケジュールや準備は、細心の注意を払って行いましょう。

引越し業者の選定

オフィスの引越し業者を選定しましょう。オフィスの引越しに慣れた業者を数社ピックアップして見積もりをとることがおすすめです。


オフィスに他のテナントが入っている場合は、他のテナントの迷惑にならないよう配慮が必要です。また、デスクや棚などの大型家具の運び出しにはエレベーターや共有スペースの養生も必須です。


その他にも、超大型の什器で、クレーンを使用するなどの特別な場合には、対応できる引越し業者が限られる場合もあります。早めに複数候補を挙げて、費用と内容の良い引越し業者を選びましょう。

社内説明・準備

社員それぞれの荷物のまとめ方、部署ごとの荷物についての取り扱い方法やナンバリングなど、オフィス移転では社員一人ひとりの担う役割も大きくなります。部署ごとに管理するもののチェックリストを含め、準備を進めましょう。


また、社内説明の機会や、説明資料の準備も重要です。社員一人ひとりがオフィス移転当日のイメージを描きやすいように準備します。

取引先への事前連絡・挨拶

オフィス移転の前に、取引先や関係先への事前連絡や挨拶をしましょう。オフィス移転のお知らせはオフィシャルなビジネスレターとして送付するものです。移転の1ヶ月~半月前に届くように手配しましょう。


取引先からの請求書などの送付物のタイミングや取引先での自社の登録情報変更の手続きを考慮すると、あまりに直前の連絡や挨拶では問題が起きかねません。


また、ビジネスレターや葉書でのオフィシャルな連絡とは別に、個々の営業担当者など直接取引先と関係のある担当者からは、直前にメールなどで引越しのお知らせを再度連絡してもらうようにお願いすると良いでしょう。

5:引越し当日・移転後の作業に関する事項

引越し当日・オフィス移転後についてチェックリストを作成する際には、これから紹介する4つの項目について意識して作成してください。これらの4項目は、引越し当日、移転先オフィス初日での業務がスムーズに行えるようにするものです。忘れずに行いましょう。

移転・引越し時の流れ

オフィス移転・引越し時の流れは、全社員に対して周知する必要があります。また、その際に、全体のフェーズを3つに分けるとより分かりやすくなります。第1は前日までに行うこと、第2はオフィス移転・引越し当日、第3はオフィス移転後の3つのフェーズです。


それぞれのフェーズでどのような流れとなるのか、時系列を意識することが、分かりやすいチェックリストを作成するコツです。

関係省庁への届け出を提出

オフィス移転が完了したら、関係省庁への各種届け出を作成し、提出します。届け出は複数種類あるので、事前に調べてチェックリストに記入しましょう。


また、届け出には、提出期限が決まったものもあります。種類と提出期限を把握し、提出漏れのないようにしましょう。

関係先への挨拶・通知

オーナーや、旧オフィスの上下フロアや隣の企業など、移転・引越しに伴って騒音やエレベーターが使えないなどの迷惑をかけたかもしれない方々へ、お礼と挨拶をしましょう。


移転後にも何かお世話になることや、ビジネス上の繋がりができる可能性もありますので、丁寧に対応することが大切です。また、移転先のオフィスでも、同じようにお礼と挨拶を行いましょう。

社内書類・ホームページなどの住所変更

企業や事業所の住所や電話番号が記載されたものは意外に多くあります。取引先への見積書や請求書などの社内書類の他にも、封筒や住所のゴム印といった細かなものまで、移転先の住所に変更する旨をチェックリストに細かく記載しておくと安心です。


その他にも、インターネット上の住所変更も忘れずに行いましょう。例えば、自社のホームページやGoogleマップに載せている住所や電話番号についても、変更漏れの内容をチェックリストに入れておきましょう。

オフィス移転チェックリスト作成の注意点3つ

本項では、オフィス移転チェックリストを作成する際の注意点を3つ紹介します。オフィス移転は大きなプロジェクトとなりますので、途中で変更や修正があった場合にも、速やかに柔軟な対応ができるように備えておくことが何よりも大切です。

1:オフィス移転には半年以上の準備期間が必要

一般的に、オフィスの賃貸契約では解約予告が6ヶ月前となっているケースが多いこともあり、オフィス移転には6ヶ月以上前からの計画立てが必要になってきます。


ですから、チェックリストを作成する際には、引越し前6ヶ月以上の期間に加えて、移転後の作業期間の合計期間について考慮しなければなりません。

2:エクセルなどのテンプレートを活用しよう

オフィス移転のチェックリストには、漏れがないようにすると共に、大切なことがあります。それは、新たな変更や修正が直ぐにできるかどうかということです。また、社内で情報共有がしやすいこともポイントになります。


そういった面を考えると、エクセルなどのテンプレートを活用し、元々ある一般的なオフィス移転・引越しのチェックリストの雛形を参考にしながら、自社の状況に合わせて修正・加筆するというのも1つのアイデアです。

3:オフィス移転サービスもある

オフィス移転には、多くの作業や手配、手続きや工程があります。また、企業や事業所によっては、通常業務に加えて移転の準備ができる社員がいない場合もあります。


そういった場合に心強いのが、オフィス移転サービスの存在です。オフィス移転サービスは、その名の通りオフィス移転を専門的に行える業者です。移転先のレイアウトや、レイアウトに合わせた内装工事、什器の廃棄など、細かなところまで対応可能な業者もあります。


また、ビル1棟ごとの移転など、更に大規模なオフィス移転の場合には、こういったオフィス移転サービスのコンサルティングを受けたり、相談したりするのもおすすめです。

オフィス移転はチェックリストを作成して必要な準備作業を確認しよう

オフィス移転には、半年以上の時系列と、移転前・引越し当日・移転後の各フェーズに合わせた準備作業があることがわかりました。オフィス移転は、総務部門や担当者以外にも、社員全員が関わる大きなイベントですので、スムーズに進めることが重要です。


細かな準備も含めてチェックリストを作成し、どのタイミングでどの作業を行うかを把握しやすくすることで、失敗しないオフィス移転を実現しましょう。

監修

執筆者
田中 陸(Riku Tanaka)
経歴
東京大学経済学部卒業後、住友不動産入社。オフィスビルのアセットマネジメントを担当し、海外事業部にて世界主要都市の市場調査や投資検討に従事。 estieでは、セールスマネージャーとして営業や事業開発を手がける。 ベンチャー感を出すため、ヒゲと伊達眼鏡をトレードマークにしている。
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