礼金とは?敷金との違い4つや礼金・敷金のない物件を選ぶ際の注意点3つ
- オフィス移転
- 2021/01/18
礼金とは?
賃貸で家や部屋を借りようとすると、初期費用に「礼金」や「敷金」があります。礼金とは何かというと、所有者である大家さんに部屋を貸してもらったことに対するお礼として払うお金です。
お礼なため、将来的に返ってくることはありません。昔は礼金を支払うのが当たり前でしたが、最近では礼金のない賃貸も増えてきました。礼金や敷金のシステムは海外でもありますが、国や地方によって習慣が違います。
礼金や敷金は値下げ交渉できる?
礼金や敷金の値下げを交渉するのは自由ですが、実際に値下げしてもらえるかどうかは交渉次第、相手の大家さん次第となっています。
礼金や敷金は、額が決まっているものではありません。そのため値下げ交渉で大家さんが値下げに同意してくれれば、提示された額より安くできるでしょう。ただし、全ての大家さんが値下げに応じてくれるとは限りません。大家さんの考え方次第で、対応は変わってくるでしょう。
礼金に関する概要3つとは
礼金とはどういうものなのか、概要について紹介します。礼金とはもともと、賃貸物件が少なく部屋探しが大変だった頃に、大家さんにお礼を支払うために始まったと言われています。現在は賃貸が少なく探すのに苦労する、といったことはそうそうありません。
初期費用を抑えたいという借り主側のニーズからか、昨今では礼金や敷金なしでも借りられる賃貸が増えてきていますが、現在でも礼金・敷金共に必要な物件はあります。
礼金に関する概要1:部屋を所有する大家さんに対するお礼
まずそもそも、礼金とは部屋や家を所有する大家さんに対して支払うお礼であるため、退去するとなった時にも返ってくることはありません。
賃貸を探すのが困難だった時期には一般的だった習慣ですが、賃貸が増えた現在ではその意義を失いつつあります。家賃を支払った上にさらに部屋を借りることにお礼が必要なのか、と考える人が多くなっています。礼金なしの賃貸が増えているのも、ニーズを反映したものでしょう。
礼金に関する概要2:必ず支払わなければいけないお金ではない
礼金とは大家さんに支払うお礼なので、必ず支払わなければならないという種類のお金ではありません。礼金を支払いたくなければ、礼金が必要ない物件を探したり、大家さんと直接交渉して礼金の値下げをしたり、あるいはなしにしてもらうことも可能でしょう。
ただ、礼金をとる分家賃を低く設定している大家さんもあります。物件探しをする時は、家賃だけでなく礼金の額のことも考えて、比較検討してみましょう。
礼金に関する概要3:家賃の1ヶ月が相場
礼金の相場とは、家賃の1ヶ月分とおおよそ決まっています。お礼の意味で渡すお金なのですが、だいたいの金額は決まってしまっているのが現実です。そもそも入居時に礼金1ヶ月・敷金1ヶ月といった形で請求されているでしょう。
ただ、地方によって礼金や敷金の額に違いがあります。例えば、関東では礼金の相場は家賃1ヶ月分ですが、関西では礼金あるいは「敷引き」と呼ばれ、家賃約1.6カ月分と関東よりも少し高めです。
仲介手数料について
礼金が大家さんに支払うお礼という意味合いのお金であるのに対して、「仲介手数料」とは賃貸を紹介してくれた不動産屋などの仲介業者に支払う手数料です。
礼金は大家さんに支払いますが、仲介手数料は物件を仲介してくれた業者、主として不動産屋に支払うことになるでしょう。直接大家さんと交渉・契約すれば仲介手数料が発生しないこともありますが、物件探しを不動産屋でしたような場合は基本的に必要になるでしょう。
敷金と礼金の違い4つとは
部屋を借りる時に必要になる初期費用のうち、礼金と敷金は同じものではないため違いについて見ていきましょう。
礼金とは、部屋を貸してくれる大家さんに支払う意味で渡すお金のことでした。しかし敷金は、お礼ではありません。違う意味で支払うお金なので、礼金が必要なくても敷金が必要になるといったケースもあります。
敷金と礼金の違い1:敷金は家賃を滞納したときの担保
敷金を支払う理由の1つが、万が一、家賃を滞納してしまった時の担保としてのお金です。
入居者が家賃を順調に毎月支払ってくれればよいのですが、何かしらの理由により家賃滞納することがあります。敷金として家賃をいくらか担保できていれば、大家さんとしても比較的に安心して部屋を貸せるのでしょう。
担保として支払ったお金なので、家賃を滞納せず、他に敷金から支払う必要がない場合は退去時に返金されます。
敷金と礼金の違い2:敷金は退去時の部屋の修繕費
家賃滞納の担保以外に、敷金には入居者の退去時、部屋の修繕費として使うという使い方があります。
部屋を借りた人には、借りた部屋を原状回復して返す義務があります。入居者が故意あるいは事故でつけてしまった傷などは、敷金から支払う必要があるでしょう。
ただ、軽い汚れや日焼けの影響、冷蔵庫や重い家具を置いた後の置き跡などは普通に生活していてもつくものとされているため、敷金で支払う対象ではありません。
敷金と礼金の違い3:敷金は初期費用の一部
賃貸住宅に住む場合、敷金や礼金は初期費用の一部として請求されることが多いでしょう。ただ、敷金は初期費用とされることが多いのですが、礼金はない場合もあります。
これは、敷金が家賃の担保や退去時の修繕費としてあらかじめ請求される初期費用なのに対して、礼金の目的が大家さんへのお礼のためです。敷金はもらわないと心配だけど、礼金は必要ないという大家さんもいらっしゃいます。
敷金と礼金の違い4:敷金は返金される
敷金と礼金の違いとして一番大きいのは、礼金は退去時にも返金されることがないのに対して、敷金はとくに問題がなければ全額返金されることもある、という点でしょう。
礼金は大家さんへのお礼なので、退去する時にも返金はありません。しかし敷金は家賃滞納に備えた担保として、部屋の原状回復費用としてあらかじめ支払った費用なので、その必要がなければ基本的に返金されます。
保証金について
地方によっては敷金ではなく「保証金」が初期費用となっているケースがありますが、この場合の保証金は敷金とほぼ同じ目的で使われるお金なので、敷金と重複して支払うことは基本的にはありません。
保証金の役割は、入居者が部屋に傷をつけたり汚したりしてしまった時の原状回復費用です。敷金と同じように、原状回復の必要がなかった場合には返金の対象となります。
礼金・敷金のない物件を選ぶ際の確認点3つとは
初期費用を安く抑えたい、というのは賃貸物件探しをしている人にはよくある希望です。しかし、本当に礼金や敷金のない物件を選んでも問題ないのでしょうか。
ここからは、礼金・敷金のない物件を選ぶ際に注意しておきたいポイント、確認点について紹介します。礼金・敷金は本当にない方がお得なのか、よく考えて決めてみましょう。
礼金・敷金のない物件を選ぶ際の確認点1:場所や設備などの条件が悪くないか
礼金・敷金のない物件といっても物件の場所が不便だったり、備え付けの設備が古かったりと悪条件が重なっている可能性があるため、よく物件を確認しましょう。
礼金・敷金のない物件は増えてきているとはいえ、人気の高い物件がゼロゼロ物件になることはあまりありません。敷金や礼金を請求しても、入居者が入ってくれるからです。つまり、礼金・敷金がないということはそれだけの理由のある物件、という可能性があります。
礼金・敷金のない物件を選ぶ際の確認点2:退去時にクリーニング代が別途かかるか
礼金・敷金のない物件はお得なように見えますが、入居時や退去時にクリーニング代として別の費用が請求されるケースがあります。
敷金・礼金がかからないからお得だと思って入居したら、別途クリーニング代として請求があった、というケースです。敷金としては請求されませんが、原状回復費用としてクリーニング代を要求されるなら、敷金とほぼ変わらないとも言えます。契約書をよく確認しておきましょう。
礼金・敷金のない物件を選ぶ際の確認点3:契約前の確認が必要か
礼金・敷金のない物件といっても家賃以外に請求されることがないか、どこまで自費で賄う必要があるのかなど、賃貸契約前にしっかり確認する必要があるでしょう。
礼金・敷金のない物件では、通常は大家さんもちとされている鍵の交換費用なども自費負担となっているケースがあります。礼金・敷金がないのはお得なように見えますが、契約内容によってそうではない場合があるでしょう。
礼金とは大家さんへの感謝の気持ちとして支払うお金のこと
賃貸物件に入居する際、家賃数ヶ月分の初期費用がかかることがあります。礼金や敷金も初期費用として請求されているケースがありますが、それぞれのもつ役割は違いますし、敷金はいずれ返金される可能性のあるお金です。
礼金は大家さんへの感謝の気持ちで支払うお礼ですが、礼金がないからといってもお得とは限らないので、家賃額や礼金・敷金、契約内容全てをしっかり確認してから契約しましょう。