ビル内のオフィス内装工事の種類10個|費用相場や安く抑えるコツを紹介
- オフィス移転
- 2021/02/01
ビル内のオフィス内装工事はいくらかかる?
ビル内のオフィス内装工事には全く新しい状態から作り上げる新装工事と、現状すでに存在するオフィスを作り替える改装工事があります。
建物の立地や規模によって、単価は変わってきますが一般的な目安として坪単価10万円から20万円と言われています。
厨房工事や給排水工事が必要な飲食店などよりは安くなる傾向があるようです。
ビル内のオフィス内装工事の種類10個
オフィスということは、入り口からワーキングスペース、会議室や社長室、リフレッシュエリアに至るまで様々なスペースが必要になるでしょう。
ビル内のオフィスにこれらのスペースを作るには以下で紹介するような内装工事が必要になります。
1:軽鉄工事
軽鉄工事は壁や天井を作り空間のレイアウトを変える工事です。
スタッドやランナーといった軽量鉄骨(LGSともいう)と呼ばれる部材で下地を作り、そこへプラスターボード(石膏ボード)を貼りつけて耐火性、防音性に優れた壁や天井を作ります。
大量生産されている既製品で価格も安く、軽くて、加工が簡単なため作業効率がよく工期短縮にもつながります。
2:パーティション工事
パーティション工事は、アルミやスチールのフレームを組み合わせて間仕切り壁を作ることができます。
軽天工事よりも費用が安く、工期が短いのも特徴です。可動式にできるため、将来的にオフィスの間取りを変えたい時や、違う場所に移転する時にも簡単に取り外せ、再利用することもできます。
パーティションの高さを変えたり、デザインや色を変えたりと目的や予算によって選択の自由が利くので多くのオフィスで利用されています。
3:空調設置工事
オフィスの内装工事において空調設置工事はとても大事です。
オフィスで働く多くの人たちが仕事に集中できるように室内環境を整えなければなりません。近年一般住宅もオフィスビルも高気密、高断熱化が進み、極力電力を使わない省エネが主流です。
そのためオフィス内の換気は優れた空調設備によって管理されています。
室内の形状や、高さに応じて空調や換気扇を設置することで、そこで働く人々が快適に仕事ができるように室内の温度や湿度が適切に保たれています。
4:仮設工事
工事現場では安全に作業ができるように、工事の前段階で行われるのが仮設工事です。
仮設工事には作業中の粉塵や工事中の騒音が外へ漏れるのを防ぐための仮囲い工事や、高所作業のための足場組み、作業員のための事務所、仮設トイレ、洗い場の設置工事があります。
このほか、工事で必要な電源や水道設備の設置工事、工事区画、非工事区画の共用部分の床や壁の養生、工事関連官庁への工事届け出などもあります。
そして、工事終了後は設置したすべての仮設設備の撤去もしなければなりません。
つまり仮設工事とは工事期間中のすべての作業を円滑、安全に進めるために必要な工事だと言えるでしょう。
5:電気工事
オフィスの電気工事にはコンセントやLANケーブルの設置、ブレーカーの増設作業のほか、部屋ごとの照明の設置工事も必要になります。
電気工事も照明工事もオフィスの人数、デスクのレイアウトにあわせた適切なアイテムを適切な数量、適切な箇所に設置することでオフィスの作業環境に大きく影響が出てくるので、作業前の綿密な打ち合わせが大事です。
電気工事では通常電源と情報機器電源を分けたり、デッドスペースをなくすようなコンセントの設置をしたり、照明工事ではLEDを使用するなど長い目で見た場合のコスト削減にもつながってきます。
6:建具工事
建具とは部屋の開口部に取り付けられた窓や扉、それらの枠を含めた総称のことを指し、建具を取り付ける工事を建具工事と呼びます。
建具には引き戸、開き戸、自動ドアなどの種類があり、オフィスには外部からの訪問者もあるためほとんどの扉にはカードタイプやテンキータイプのセキュリティー錠がつけられていることが多いです。
現在の建具のほとんどは、大量生産で既製品化されて価格も安くなり、品質も均一化しています。また、デザインも多彩でそれぞれのオフィスの雰囲気にあった空間を演出できます。
7:看板工事
ビル内の入り口や外部の電柱などに社名入りの看板を設置する看板工事も、内装工事の一つに含まれます。
鉄板の壁面看板、ステンレスの切り文字看板、既存の看板にインクジェット印刷のシートを貼りつけるもの、LED照明、文字だけのものや、写真を加工したものなど素材やデザインも多種多様です。
看板にかかる費用は製作費と設置費用のほか、道路上の外部看板であれば安全のために警備員を手配したり、高所作業車や足場費用、高さ4m以上の看板は役所へ工作物確認申請をする費用などがあります。
8:消防設備工事
ビル内にオフィスを作る際には建築基準法や消防法といった法律を遵守する必要があります。
消防法で床面積500㎡以内に、排煙設備、機能を備えるよう決められていますし、防火区画、防煙区画、内装制限など発生した火災が大きくならないようにオフィスの内装やレイアウトにも注意しなければなりません。
その他にも消火器、消火栓、スプリンクラーのような消火設備や火災報知機、放送設備のような警報設備、避難ロープや滑り棒といった避難設備にも設置基準が定められています。
日本の各自治体では、オフィス入居時に「防火対象物使用開始届出書」を消防署へ提出する必要がありますし、天井までの高さがあるようなパーティションや間仕切り壁を建てた場合も「消防用設備等設置届出書」の提出が必要です。
9:サイン工事
サイン工事は上記の看板工事と同じように扱われることもありますが、会社名、各部屋の名前、建物内の目的地案内、注意事項の説明などを見る人にわかりやすい表示で設置する工事です。
よく使われる素材としてはアクリルやカッティングシートで、ガラスや板に直接貼り付けることが多いようです。
10:内装工事
オフィスの内装工事の最後に内装仕上げ工事をします。
内装仕上げ工事とは軽天工事で作った壁や天井のクロス貼りや床のタイルカーペット貼り、造作家具の取り付けや置き家具の設置といった仕上工事のことです。
そして公共工事、民間工事を問わず500万円以上の内装仕上げ工事を請け負う場合は、建設業許可を取得するよう建設業法第3条に定められています。
ビル内のオフィス内装工事の相場
ビル内のオフィスを改装や移転する場合、内装工事費用の相場はビルの立地やオフィスの面積、どれだけの規模でどの材料を使用するかによっても変わってきますが、大体の相場は坪単価10万~30万円と言われています。
つまり50坪の広さがあれば、500万~1,500万程かかかる計算になるでしょう。
なるべく費用を抑えるためのいくつかのポイントを紹介していきます。
内装工事費用を抑えるポイント
内装工事費用を抑えるポイントは4つあります。
1つ目は理想とする内装と予算との都合を施工業者としっかり打ち合わせすることです。2つ目は相見積もりを取ること、3つ目は部屋の間仕切りはできるだけ可動型パーティションを使うこと、そして4つ目は内装材のグレードを部分的に変えてみることです。
それぞれの内装に使用する材料や、施工する方法が変わってきます。もちろん価格も変わってくるので細かい点まできちんと確認するようにしましょう。
そして、見積りは複数の業者に依頼して相見積もりをとるようにします。それらの見積もりを比較することで相場観がわかりますし、理想に近いプランや価格を提示してくれる業者を選ぶことができます。
部屋の間仕切りはパーティションを積極的に使うと取付工事も必要ありませんし、レイアウト変更したい時も簡単に作業ができますからできるだけ安く仕上げたい人にはおすすめです。
オフィスには訪問客も来ることでしょう。そのような外部の人の目に触れる箇所は少し予算をかけて見栄えのいい内装にする代わりに、目の届きにくい箇所は材料のグレードを下げて工事費用を抑えるなど、メリハリをつけるようにしましょう。
ビル内の居抜き物件もおすすめ
オフィスの内装工事の費用を抑えるためにはビル内の居抜き物件を探すのもおすすめです。
なぜなら居抜き物件というのは、以前の入居者が使っていた内装や設備が残っている物件のことで、再利用すれば内装工事費用を節約できるからです。
ただし、極度に劣化した部分があったり、自分たちの好みのレイアウトと違いすぎたりする場合、かえって修繕や改装に費用がかかることもあるので、できるだけ理想に近い物件を探すようにしましょう。
予算を見ながらオフィスの内装工事を検討しよう
ビルのオフィス内装工事はできるだけ、きれいに見栄え良くしようとすると予算がいくらあっても足りません。
限られた予算の中で、お金をかけるべき箇所とかけなくても良い箇所のメリハリをつけて、オフィスレイアウトを考えていくことが大切になります。
業者からの見積もりも、わからないところや疑問に思うところはどんどん尋ねて、余分な見積もりが記載されていないかの確認も必要です。