目黒区ってどんなところ？

東京23区の南にある目黒区は、おしゃれな店舗が立ち並び、洗練された美しい街並みが人気の地域です。高層ビルは多くありませんが、紀伊国屋書店やユニリーバなど有名企業の本社オフィスもあります。官公庁施設には、税務署や法務局、年金事務所などがあります、

また、緑豊かで水資源にも恵まれているという特徴もあります。歴史を遡ると、かつては農業が主要産業でした。都市化によって農地は減少方向に推移していますが、専業農家も残っています。

さらに、住居としても人気です。交通網が発達して利便性が高く、美術館や博物館などの文化的な施設が多くあり、病院や公的サポートを受ける施設も充実しています。

この目黒区でオフィスを構える場合、賃料の相場を知るだけでなく、地域の特徴や不動産の実情を知る必要があるでしょう。この記事では、目黒区のオフィス事情と探し方についてご紹介しますので、オフィス探しをされる方は参考になさってください。

目黒区のオフィス賃料相場

目黒区のオフィス事情を賃料相場から見ると、20坪～30坪で13,600円〜21,400円/1坪となっており、東京の他の区と比べて中価格帯であると言えるでしょう。

20坪～30坪の賃料をエリア別に見ると、一番低い賃料は「祐天寺・都立大・自由が丘エリア」で13,600円/1坪、続いて「目黒エリア」の15,600円/1坪、「中目黒・青葉台エリア」の21,400円/1坪となっています。

ただ、オフィスの規模によって相場が異なり、200坪以上だと高いのは「目黒エリア」の34,000円/1坪となります。

目黒区のオフィス空室率

目黒区のオフィス事情を空室率から見てみると、2021年03月01現在で、大規模なビルほど空室率が高い傾向があると言えます。

空室率が高いのは、ワンフロア250坪以上の大規模ビルで9.21%、次いでワンフロア50坪以上100坪未満の中型ビルで6.52%、ワンフロア25坪以上50坪未満の小型ビルで4.74%です。

品川区や大田区と比べると全体の空室率は高めですが、千代田区の丸の内・大手町・有楽町エリアよりは低めの空室率となっています。

目黒区のオフィス事情3つ

ここからは、目黒区の地域としての特性を踏まえながらオフィス事情を見ていきましょう。

落ち着いた雰囲気で、住みたい街ランキングの上位に入るほど人気の目黒区ですが、オフィスに目を向けると数は多くない状況です。それは、目黒区の地域としての特性が背景にあります。

1：それほど数が多くない

目黒区のオフィス事情をオフィス数から見ると、どのエリアも全体的に数が少ないと言えます。ビジネス街である千代田区と比べ、目黒区は落ち着いた雰囲気の地域です。大規模なオフィスビルよりも貸店舗の方が多く、オフィスを探すのはやや難しいと言えるでしょう。

2：目黒駅周辺・青葉台・自由が丘に点在する

目黒区のオフィス事情をエリア別に見ると、目黒駅周辺・青葉台・自由が丘の3エリアにオフィスが点在していることがわかります。

目黒駅周辺はJR山手線、都営地下鉄南北線、東急目黒線など多くの路線を利用できる便利なエリアです。青葉台は、首都高速のICがあるため、車でのアクセスに最適なエリアとなっています。自由が丘は、東急東横線で渋谷駅まで10分という立地上のメリットがあります。

したがって、これらのエリアにオフィスが点在する結果となっています。

3：住宅街の地域特性もあり探すのが難しい

目黒区のオフィス事情を地域の特性から見ると、街並みの美しさを守る傾向が強いため、オフィスを探すのは難しいと言えるでしょう。

目黒区は住宅街も商業エリアも景観に配慮した街並みづくりが進められています。したがって、住宅街のマンションや商業施設のビルには低中階層のものが多く、オフィス物件自体が少なめです。

また、不動産物件が人気の割には、他のエリアと比べて中規模オフィスの家賃は低めです。よて、競争率は高いと言えるでしょう。

目黒区の特徴6つ

目黒区のオフィス事情をさらに理解するためには、目黒区の地域としての特徴を深く知る必要があります。

目黒区はおしゃれな店舗やカフェなどが立ち並び、落ち着いた雰囲気で治安も良いため、住居としても人気です。また、都市と自然がバランスよく調和し、子育て世代への支援も手厚いため、ファミリー層から高い支持を得ています。

街並みの美しさと住みやすさが目黒区の人気の秘訣ですが、そこには地理的な理由や自治体の取り組みが背景にあります。それでは、目黒区の地域の特徴をわかりやすく紹介していきましょう。

1：実は東西だけでなく南北にも広がるエリアである

目黒区は東西南北に広がるエリアで、マップで見ると目黒川や呑川などによってできた谷があり、浅い台地と坂の多い町が同時に存在しています。広さは23区中16番目であり、やや小さめと言えるでしょう。なお、目黒川は桜の名所としても知られています。

2：高所得者が多く高級住宅街もある

目黒区には高所得者が多く、自由が丘や青葉台などには人気の高級住宅街があります。

自由が丘や青葉台、三田などには高級住宅街があり、緑が多く美しい街並みに整備されています。目黒区は、全体的に落ち着いた雰囲気の街並みで治安もよいため、不動産のおすすめランキングや住みたい街ランキングでは常に上位です。

3：乗り換えなしで行ける便利の良さが魅力

目黒区の交通網はかなり発達しており、乗り換えなしで様々な場所に行ける利便性の高さも魅力であると言えるでしょう。

東急電鉄は東急東横線、大井町線、目黒線、田園都市線、東京メトロは日比谷線、京王電鉄は井の頭線が乗り入れています。都内各エリアだけでなく横浜へも乗り換えなしで行けます。本数も多いため、移動はかなりスムーズです。

また、身体障害者や知的障害者の方などには、区が都営交通無料乗車券を発行しており、交通面での自治体のサービスも充実しています。

4：地盤が強い

目黒区の台地部分は関東ローム層という火山灰土で覆われており、比較的地盤が強いと言えます。関東ローム層は粘性が高く安定した地盤で、建築物を建てるのに最適な土質です。

ただし、台地と低地の境や谷底低地、人工造成部分の一部には、沈下を防ぐために基礎補強策が必要となるエリアもあります。

5：目黒区地域街づくり条例に取り組んでいる

目黒区には地域街づくり条例があり、住民が自主的に街づくりに取り組むための仕組みがあります。

この街づくり条例は、5人以上から成る「地域街づくり研究会」で地域の問題を話し合い、「地域街づくりルール」を作って実践していくというプログラムです。区は研究会に対して専門家の派遣や補助金などで支援します。

住人の地域に対する意識が高まり、街並みの良さや治安維持につながる取り組みであると言えるでしょう。

6：目黒区景観計画を実施している

目黒区は景観計画を実施しており、美しい街並みづくりや地域特性を活かした街づくりを進めています。

目黒区は、これまでに緑豊かな住環境を作る「目黒住環境プロジェクト」や、建築物の絶対高さ制限の実施などで、良好な景観づくりを実施してきました。そして、平成22年に景観法に基づく目黒区景観計画を策定しています。

その結果、優れた景観の街づくりが進み、世論調査では目黒区に住み続けたいと答える回答が毎年90％を超えるまでになりました。

目黒区にあるオフィスの探し方

競争率の高い目黒区で最適なオフィスを探すためには、物件情報をこまめにチェックし、不動産業者と密に連絡を取るのがポイントです。

高さ制限や景観計画の実施によりオフィス数が少ないことや、交通面での利便性、街の雰囲気の良さを踏まえると、目黒区でのオフィス探しは難易度が高いと言えます。したがって、自らリサーチすると共に、不動産業者と連携して物件探しに当たる必要があります。

パソコンを使って探す場合は、オフィス検索サイトや各不動産業者のホームページを活用しましょう。物件一覧を見ることで、エリアのおおよその相場も見えてきます。

また、現地で目ぼしい物件を見つけた際には募集看板を確認し、電話番号をメモしておけば、内覧の予約がスムーズになります。

目黒区のオフィス事情を把握しておこう

目黒区のオフィス事情についてご紹介しました。

目黒区でオフィス探しをするには、地域の特性とオフィス事情を把握しておく必要があります。目黒区景観計画で高さ制限があるため、中規模のオフィスは競争率が高く、大規模オフィスに至ってはかなりハードルが高いという事情があるためです。

ただ、全く物件がないというわけではなく、探し方とタイミングによっては条件にあった物件に出会えることもあります。

記事を参考に、目黒区のオフィス事情を把握した上で、最適なオフィスを見つけましょう。