オフィスコンセプト作りのポイント5つ|コンセプトがもたらす効果について紹介

田中 陸(Riku Tanaka)

目次

  1. オフィスコンセプトとは?
  2. オフィスコンセプトがもたらす効果について
  3. オフィスコンセプト作りのポイント5つ
  4. オフィスコンセプトの事例4つ
  5. オフィスコンセプトはビジネス成長に繋がる第一歩

オフィスコンセプトとは?

オフィスコンセプトとは、社員の働き方や心理的効果にも大きく影響するオフィスのデザインや空間づくりです。その会社のビジョンやブランド、ターゲット、社会に与える印象などを伝える会社づくりの基盤となるものです。


近年では、社員がオフィスのコンセプト自体に新しい物事を生み出すイノベーションの概念を持たせようとする動きが高まってきています。


オフィスコンセプトを決める本来の目的は、今抱えている社内課題に対し、どのように変えて行きたいのか、何を目的としたオフィスを作りたいのか、といった事をコンセプトとして定義します。


例えば、「社員の雰囲気が暗い」という課題に対し「明るく元気が出る空間をつくる」という事をオフィスコンセプトとします。どんなに社員を改善しようとしても社内の雰囲気が伴っていなければ改善にも限界があるからです。


オフィスのコンセプトは、会社が理想とする働き方を反映させるという事がポイントとなります。

オフィスコンセプトがもたらす効果について

オフィスコンセプトがもたらす効果として、会社の理想の働き方を反映させ変えていく事で利益を生む場に変えて行き、経営資源となることが挙げられます。


しっかりと今の課題を踏まえた上で今後のビジネス成長に繋がるコンセプトを定義し、オフィスコンセプトを決める事が大切です。


更に、オフィスへ行きたいと思わせるおしゃれな空間にする事で、来訪者へのイメージ戦略や企業のブランディングにも繋がってきます。ブランディングが強化されることで、オフィスを出入りする人が増えるなど、企業に良い影響を与えるでしょう。

オフィスコンセプト作りのポイント5つ

では、どのようにしてオフィスコンセプトを作っていけばよいのでしょうか。


ここからは、オフィスコンセプト作りのポイントを「魅力的な快適空間へ」、「コンセプト作成前に問題点を洗い出す」、「クリエイティブオフィスを用いる」、「会社のビジョンを考える」、「イメージ戦略を取り入れる」の5つに分けて紹介します。

1:魅力的な快適空間へ

近年では就職先の選択条件として、おしゃれなオフィスや働きやすい環境、仕事場を優先される事も多くあります。働く側へのモチベーション向上や良い印象に繋がる様、魅力的な快適空間を意識する事が大切です。


また、オフィスの内装がおしゃれであったり、社員の事を考えた作りになっている事で「この会社は資金的にも安心があるな」という信頼も得られる事があります。


オフィスを魅力ある快適な空間にし、働きたいと思わせる事は人材確保の為にも効果的です。

2:コンセプト作成前に問題点を洗い出す

オフィスコンセプトを作る前に、経営面で抱えている問題点と社員が感じている問題点を洗い出すことが必要です。


ミーティングや社員面談をする等、社員が意見を述べる事が出来る場を設ける事で問題点が見えてきます。その問題点をカテゴリーごとに整理し、分析する事で、仕事がしやすいオフィスにする為のオフィスコンセプトが見えてきます。

3:クリエイティブオフィスを用いる

生産性を求めるオフィスづくりとして、クリエイティブなオフィス環境を構築する事が働く人の創造を生み出すきっかけになります。クリエイティブオフィスを用いる事は、クリエイティブの職種以外にも様々な職種の生産性向上に役立つ事が期待されています。


近年の就職先の選択基準として、ファッションビルやカフェ等のあるおしゃれな立地という所を重視する求職者達が増加傾向にあります。ですが、場所には限りがある為、オフィスそのものを魅力ある快適な空間に変えて行く動きが高まってきています。

4:会社のビジョンを考える

ビジョンとは「実現したい未来」の事で、企業の皆が共通で認識して置かなければ同じ方向へ進む事が出来ません。


この、会社の理念やビジョン、企業全体の姿勢を見直す事で、より理想的なオフィスづくりが実現します。


オフィスコンセプトは、会社づくりの基盤となるものです。何が目的なのか、どんな会社にして行くのか、ビジョンや会社の目指す未来を考えながら作る事が、より良いオフィスコンセプトづくりとなります。

5:イメージ戦略を取り入れる

企業が対象者に持ってもらいたい感情やイメージを設計する事がオフィスコンセプトづくりのポイントです。企業の価値観、企業風土、強み、従業員等や、将来的な企業のありたい姿や目指すもの等、未来をイメージし、それが相手に伝わっている事が重要となります。


その企業に足を踏み入れると、「こんな会社なんだ」と、企業の価値観や個性、強み等が伝わってくるか、イメージしてみる事がとても大切です。

オフィスコンセプトの事例4つ

オフィスコンセプトは従業員に対しても、会社に対するイメージも変わってきます。その中で、イメージの伝わりやすい企業の事例4社をご紹介します。


オフィスコンセプトを工夫する事で、従業員にも与える心理的効果は大きく変化させる為、参考にして下さい。

1:生興株式会社

生産性と従業員の満足度が上がるオフィスを目指し、休憩スペースを新設し居心地の良さを高めたオフィスコンセプトとなっています。


カフェのように開放的な休憩スペースや、静かな空間を作り社員が落ち着ける様工夫されています。


会議室も工夫を加え、デザイン性を高めています。ロッカールーム、休憩スペース、倉庫等の設備や機能も充実させる事で、社員の働きやすさを重視したオフィスを作り上げている会社です。

2:リップル株式会社

自由な社風で、子育て支援優良企業(R元年度)に4年連続認定されるほど育児や子育てに協力的で女性に嬉しいお洒落でキレイなビルの中にオフィスを構えています。20代前半の社員も多く、全体的に明るく元気な働きやすい環境を考えてつくられています。

3:ウェルビー株式会社

一人ひとりの就労活動を支援できる空間をオフィスコンセプトとし、木目調で構成された落ち着きのある空間です。教室全体の家具から内装・設備工事まで一括施工で仕上げています。空間全体と雰囲気を馴染ませながら、軽量でローコストの木質の選択もしています。

4:株式会社電警

ビル躯体(スケルトン)とベースの木材を活かした都会的でインダストリアルな空間です。木材とガラスでバランスを取りつつ、間接照明で落ち着いた雰囲気も出しています。自然光が入り全体的に明るい雰囲気で、視覚的にも広々と感じ、のびのびと仕事が出来る環境です。

オフィスコンセプトはビジネス成長に繋がる第一歩

オフィスコンセプトは企業経営の成否に関わる可能性があります。重要なのは、企業のコンセプトにしたがったオフィスづくりが出来ているかという事です。


企業のコンセプトを具現化したものがオフィスコンセプトであり、将来的な成長に繋がっていくものとなります。


イノベーションの創出をテーマにした空間作りを行う事が、ビジネスの成長に繋がる第一歩となります。

監修

執筆者
田中 陸(Riku Tanaka)
経歴
東京大学経済学部卒業後、住友不動産入社。オフィスビルのアセットマネジメントを担当し、海外事業部にて世界主要都市の市場調査や投資検討に従事。 estieでは、セールスマネージャーとして営業や事業開発を手がける。 ベンチャー感を出すため、ヒゲと伊達眼鏡をトレードマークにしている。
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