オフィス工事で必要な6種類の工事|工事を進める流れや費用を抑えるコツを紹介
- オフィス移転
- 2021/01/20
目次
オフィス工事の費用とは?
「新規事業でオフィスを開設したい」「従業員が増えたので広いところに移転したい」など、オフィス工事の目的は様々です。そこで発生する金額はどれくらいになるのでしょうか。
費用は、レイアウトや立地、規模によって変わってきますが、目安として坪単価10~30万と言われています。
どういった工事が必要になり、それだけの工事費がかかるのでしょうか。費用を抑える方法はあるのでしょうか。ここから詳しく説明していきます。
オフィス工事で必要な6種類の工事
オフィス工事と言っても、6種類の工事が必要になります。具体的には、電気工事、空調・衛生工事、内装工事、防災工事、TEL・LAN工事、防犯工事があります。その他にも什器・備品の組み立て工事など、別途必要になってくる工事もあります。
これらの中には設備工事として、法律上必要な工事から心地よいオフィス作りのために取り入れる工事などがあります。ここからは、主な6種類の工事を詳しく説明していきます。
オフィス工事で必要な工事1:電気工事
電気工事というと、照明をイメージすることが多いでしょう。しかし、パソコンやプリンター、エアコンなどオフィスでの必需品で電気を使うものはたくさんあります。これらを快適に使うためにも、電気工事は必要になります。
電気工事の作業は、まず電源コンセント工事があります。エアコン、コピー機、シュレッダーなどオフィスで電気を必要とするものはたくさんありますが、それが偏るとブレーカーが落ちることがあります。分電盤作業により、そのようなトラブルを避けるようにします。
そして照明の設置、レイアウトによってスイッチの新設、移動なども必要になってきます。
オフィス工事で必要な工事2:空調・衛生工事
空調・衛生工事とは、冷暖房やトイレの工事のことです。どんなにオシャレなオフィスでもこれらが整っていないと、快適なオフィスとは言えません。
空気換気における設備は、近年は温度だけでなく湿度、空気清浄、臭気、騒音まで考慮されるようになりました。
衛生に関わる工事は、給湯室の水、洗面台の水など使う水だけでなく、トイレなどの排水のように使った水に関わる工事です。また水だけでなく、ガス設備も対象になります。
オフィス工事で必要な工事3:内装工事
内装工事とは、床・壁・天井を仕上げる工事、そしてパーテーション工事です。床は通常タイルカーペットになっていますが、デザインによって塩ビタイル、フローリング、畳などで仕上げることもあります。
壁はクロス(壁紙)、塗装、化粧シートなどがあげられます。壁によってオフィスの雰囲気は左右されますので、慎重に検討した方がいいでしょう。
パーテーションも密閉型、オープン型、固定式、可動式など選択肢が多くあります。また素材により遮音性も変わりますが、それに伴い金額も変わってきます。
オフィス工事で必要な工事4:防災工事
防災工事とは消化設備、火災警報設備、避難設備、非常放送設備、その他、煙感知器・熱感知器やスプリンクラーなどの防災設備を整える工事です。これらは、建築基準法や消防法などにより細かく定められています。
また、これらの工事はB工事(貸主指定工事会社による工事、借主費用負担)になることが多くあります。どの工事項目がB工事になっているか、工事区分表の確認が必要になります。
オフィス工事で必要な工事5:TEL・LAN工事
TELやLANは、ビジネスの生命線、欠かせないインフラです。オフィスにはそれらの配線が入り組んでいます。それらの配線をそのままにしておいても、機能的な問題はないかも知れません。
しかし、不注意により躓きケガをしたり、業務データを危険にさらす可能性があるなど、人的にも業務的にもよくありません。予想できる危険は、事前に処理をしておいた方がよさそうです。
また、見た目が美しくありません。きれいに整った環境で業務を行うのと、雑多なものがちらつく環境で業務を行うのでは、集中力もモチベーションも変わってくるでしょう。
オフィス工事で必要な工事6:防犯工事
防犯工事は、防犯カメラの設置、パスワードロックの設置などがあります。不特定多数の出入りがあるオフィスでは、防犯カメラの設置は、トラブルがおきた時に役に立ちます。さらに社内の人による不正行為の抑止効果にもつながります。
また、社内でもサーバールームや個人情報を取り扱うエリアなど、入室の制限が必要な場所があります。情報を守るために、その場合はパスワードロック(電気錠・電磁錠)を設置する工事も必要になります。
オフィス工事を進める時の6つの流れ
オフィスを構築する際にやることは、たくさんあります。まず、必要なことは何か、それらをどのような流れで進めていくのか、ここでは6つのポイントを取り上げ、説明していきます。
さらに、オフィス工事が移転によるものである場合、これまでのオフィスでの課題は移転を機に見直し、改善する絶好の機会です。これまでの課題点を、多くの人から意見を聞いて徹底的に洗い出してみましょう。
オフィス工事を進める時の流れ1:オフィスのコンセプトを決める
オフィスに机とパソコンさえあれば仕事ができる、という人もいるでしょうが、社員の集中力、モチベーションを高めるためにもオフィスのコンセプトを決めるというのは、大きな意味を持ちます。
では、コンセプトを決める時、簡単に決まるでしょうか。コンセプトは自由なだけに、どうしていいか途方に暮れることもあるでしょう。会社らしさを全面的に押し出すオフィス、コスト重視でシンプルなオフィス、開放感のあるオフィス、遊び心があるオフィス、それぞれあります。
多くの人の意見を聞きたいところですが、そうすると、統一感がなくまとまらなくなることがあります。コンセプトを決める時には、少人数で決めましょう。
オフィス工事を進める時の流れ2:内装のデザインの希望をまとめる
コンセプトが決まったら、内装のデザインをまとめていきましょう。開放感のあるオフィスを目指しパーテーションを減らす、ローパーテーションを使う、またはリラックスする空間には植物を取り入れるなど、デザインをまとめることができます。
明確なコンセプトは効果的な内装工事に繫がります。
オフィス工事を進める時の流れ3:工事を依頼する業者を選ぶ
業者を選ぶポイントはいくつかあります。格安重視、実績重視など選ぶポイントはそれぞれですが、失敗しない業者選びをするにはどうしたらいいでしょうか。
一言で内装業者といっても、専門がオフィスなのか、店舗なのか、住宅なのかで違います。さらに、施工実績が多いとその分、経験やノウハウがあると言っていいでしょう。
また、一つの業者がすべて請け負える業者であることも大きなポイントになります。業者によっては、床工事、電気工事、空調工事など別々の業者が入ることがあります。そうするとその分だけ別途打ち合わの時間が必要になったり、それぞれの業者とやり取りをする必要がでたりと負担が大きくなります。
オフィス工事を進める時の流れ4:設計書・見積りをとる
設計書・見積りは複数の業者から取りましょう。そうすることにより、比較・検討し施工内容や金額が適正かも判断できます。そして、工事の相場が分かってきます。
また、業者によっては見積りに「工事一式」として全体の金額しか書いていない場合もあります。細かく記載する業者と比べて、どちらが親切と感じるでしょう。
このように、設計書・見積りからは多くの情報を得ることができます。決して安くはない工事費用を安心して使うためにも、複数の見積もりから比較・検討していきましょう。
オフィス工事を進める時の流れ5:契約する
業者が決まったら、契約をします。契約後は、手続きや届け出、立ち合いや鍵の開閉といった労力と時間が必要になります。また、移転の場合は、これまでのオフィスの退去準備も同時に進めていく必要があります。
オフィス工事を進める時の流れ6:工事が開始する
工事が始まると、週に1~2回は足を運んで進捗状況を確認する必要があります。また、設計段階では気が付かず、実際に工事が始まって気が付くことがでてくることがあります。頻繁に足を運べば早い段階で状況が把握でき、変更や修正が可能になります。
オフィス工事を行う時のポイント3つ
オフィス工事を成功させるポイントは、3つあります。まず、コンセプトを決める際にオフィスの目的、用途を決めることが必要になります。それらが明確になっていると、ブレずに快適なオフィス作りができます。
そして、入居するオフィスビルのルールを把握することも大切になります。いくつか賃貸物件をみているうちに混乱することもあります。しかし、確認を怠ると後々、トラブルになることもあります。更に、馴染みのない建築基準法などの法律や制限を考慮しておくといいでしょう。
ここからは、これらのポイントを詳しく説明します。
オフィス工事を行う時のポイント1:コンセプトを用途で決める
ポイント一つ目は、コンセプトを決める時にオフィスの目的、用途を明確にすることです。そのオフィスは、社員が集中して働く場なのか、社員同士や来客などがコミュニケーションをとる場なのかなどで、内装のイメージが変わってきます。
後者の場合には、実際に仕事をする場だけでなく、リフレッシュルームや社内カフェの設置などが考えられます。
オフィス工事を行う時のポイント2:オフィスのビルの入居ルールを把握
ビルに入居する際には、賃貸借契約を結ぶことになります。その契約内容、ルールをしっかり確認する必要があります。退去時に賃借人が原状回復義務を負うことが一般的ですが、本来貸主側が負担するところを、賃借人が負担することになっていることもあるからです。
具体的にいうと、ビルには、A工事(工事業者の指定・発注/貸主、費用の負担/貸主)、B工事(工事業者の指定・発注/貸主、費用の負担/借主)、C工事(工事業者の指定・発注/借主、費用の負担/借主)があります。
廊下などの共有部分でA工事のところが、B工事として見積もりに含まれている場合もあるので注意が必要です。
オフィス工事を行う時のポイント3:建築基準法などの制限を考慮しておく
オフィスの内装をデザインする際に注意するポイント三つ目です。それは、建築基準法や消防法、労働衛生法など、オフィスの内装と関係する法律がいくつかあり、それを考慮するということです。
建築基準法は耐震性や排煙設備、構造が規定されています。オフィス内では動線部分に直接かかわり、廊下の広さも規定しています。
また、消防法では、火災報知器、スプリンクラーの設置が義務付けられていたり、労働衛生法では社員の労働環境を守るために規定が定められています。
オフィス工事にかかる費用を抑えるコツ6つ
オフィスは、会社の顔、社員のモチベーションも左右するといえます。お金をかけても満足するオフィスにしたいところですが、予算を立て、予算と相談する必要もあります。
ここからは、満足度は高く、費用を予算内に抑えるコツを紹介していきます。
オフィス工事の費用を抑えるコツ1:使用する材料の質を変える
床や壁、パーテーションや机、椅子などの材質を変えることで費用を抑えることができます。こだわりの物があるなら、重要なところのみグレードの高い材質を使う方法もあります。
また、机や椅子も複数あるので、グレードを下げることにより、一つ一つは少額でも合計金額にすると大きく影響してきます。
オフィス工事の費用を抑えるコツ2:手つかず感のデザインにする
居抜き物件かスケルトン物件かによって、費用は大きく変わってきます。居抜き物件は、前の設備や備品が残されているため、一からお金をかける必要がないというものです。一方、スケルトン物件は、骨組だけの簡素な状態でコンクリート打ちっぱなしの何もない物件を指します。
居抜き物件、スケルトン物件それぞれにメリット・デメリットがありますが、費用面から言えば居抜き物件の方が費用を抑えられることがあります。
しかし、スケルトン物件でも、あえて天井や壁の仕上げをせず、その質感を出すことで費用を抑えることができます。また、最近ではこのようなデザインも人気があります。
オフィス工事の費用を抑えるコツ3:種類の方式を厳選する
オフィス工事には、何十万円、何百万円とかかります。内装工事費用は減価償却の対象で何年かに分けて計上することが可能です。節税を考えると、すべて同年に計上するのはもったいないかも知れません。
そもそも、内装工事は、床や壁などの「建物」、電気設備や空調設備などの「建築付属設備」、机やコピー機などは「設備」、デザイン費や人件費は「諸経費」の4種類の勘定科目に振り分けられます。
これらの勘定科目ごとに減価償却していくと、無駄な税金を払う必要がなくなります。
オフィス工事の費用を抑えるコツ4:設備を直接発注依頼する
オフィス工事の費用を抑えるコツとして、机やコピー機、事務用品などの設備を自分で直接発注する方法があります。内装工事業者に頼むと、業者の経費が上乗せされる分、費用が高くなります。
設備は、搬入して設置するだけなので、内装工事業者にお願いしなくても問題はありません。
オフィス工事の費用を抑えるコツ5:パーテーションで部屋を区切る
部屋数を増やしたい場合、パーテーションを使うと予算を抑えることができます。パーテーションといってもバリエーションは豊富にありますので、目的や予算に応じて選ぶことができます。
また、パーテーションを使うことにより、大掛かりな工事にはならず、通常の業務に影響をあたえる期間が短くすむのもメリットとして挙げられます。
オフィス工事の費用を抑えるコツ6:複数の業者を検討する
業者を選ぶ時、複数の業者に見積りをお願いしましょう。見積書を照らし合わせることで、工事の適正価格を知ることができ、また価格競争をおこすことで、費用を抑えることができます。
また、各工事の契約を別々にするより、一貫して依頼することにより、費用が抑えられるだけでなく、調整する時間等を減らすことで隠れた労力を抑えることができます。
オフィス工事に必要な工程や費用を抑える方法を知って活かそう
オフィス工事は、物件や規模、工夫によって、工程や工事期間、費用が変わってきます。例えば何もないスケルトン物件に比べ、居抜き物件の方が費用を抑えられたり、工程が短くなるのが一般的です。
また、部屋の仕切りをパーテーションにすることでも費用を抑えられたり、工事期間が短くなります。税金も工夫することが出来ます。このように、オフィス工事に必要な工程や費用を抑える方法を知っていれば、そのような方法をとることができます。
知識を得て、オフィス工事をする際に活かしましょう。