オフィスの間取りやレイアウトのポイントは?9つのレイアウトのパターンを紹介
- オフィス移転
- 2021/02/01
目次
オフィスの間取りやレイアウトのポイントは?
テレワークなど新しい仕事環境を整えるにあたって、仕事を効率的にこなすために仕事の動線を確保した間取りについて考えていきます。
オープン型のオフィスでは、役職も部屋の利用目的も関係なくまるで自宅のような、カフェのような空間で仕事をする間取りを取り入れている企業がたくさんあります。これらを取り入れる際の設計の指針にどんなものがあるのか見ていきましょう。
オフィスの間取り図を作成する時に見ておきたい寸法3つ
仕事をする際に欠かせないコピー機をどこに配置するのか、また、社員がオフィスワークを行うデスクのスタイルはどのようなレイアウトがよいのでしょうか。効率のいいレイアウト変更は模様替えのタイミングが適しています。
以下に間取り図を作成するためのポイントを紹介します。まずは、どんな業態でも必要になる備品周りの間取り作成のヒントになる、レイアウトを考えるときの寸法3つから見ていきましょう。
1:デスク周辺
自分だけの場所だからこそ、必要なものをすっきりコンパクトにまとめることで、作業効率のアップにつながります。たとえば、デスクに必ずあるものといえばパソコン、文房具、書類などがあります。電話を受ける際にパソコンと文房具はすぐに使える状態のほうが便利です。
しかし、書類はどうでしょうか。引き出しに整理して見えない状態にすることでデスクがすっきりします。
2:通路
オフィスのレイアウトで忘れがちなのが、通路です。間取り図を基にデスクを配置し、椅子を置いてみると、人が通るスペースが意外に狭いかもというミスを防ぐための計画をたてましょう。
できれば備品購入や使用するオフィスの契約前に大まかな利用目的や、必要な備品の数やサイズ感の把握をしていくと頭を悩ませるタネを減らすことにつながります。
3:コピー機周辺
コピー機自体は機械ですから、電源を必要とします。周辺にコピー用紙を煩雑に置くのは危険が伴います。できれば周辺には何も置かずに備品をまとめて管理する場所を作るのがよいでしょう。
使用中は道をふさぐ格好になってしまうため、人気が少ない場所か、使用頻度の高い人物の周辺に設置することで間取りを有効活用しましょう。
オフィスの間取り図を作成する時のポイント5つ
オフィスの利用目的は昨今変化しつつあります。とはいえ、社員の仕事場としての役割のほかに、来客者や商談のためのスペースの確保、特にテレワークやネットを活用した会議が増えてきた時代です。
まわりの環境を気にせず話をするためのスペースはこれまで以上にニーズが高まっています。それらのスペースをどう確保するのか、オフィス空間をどのように演出したらよいでしょうか。
1:まず応接室の場所を決める
業種によっては、テレワークでは対応できずに、実際に人に来てもらわなくてはならない時が発生します。その際に普段の仕事スペースとは別に応接間を設ける場合があります。空間の広さや、利用目的によってはどのようなレイアウトにするのかはそれぞれ違うことでしょう。
面談をするレベルならパーテーションを設けるだけで空間を目的によって広くしたり区分けするなど、様々な使い方ができるようになります。
2:動線を考える
普段は営業で外回りが多い人、事務作業が多い人、書類を作成し印刷が必要になる人など、同じ空間で仕事をしている人も身の回りにあるとよい道具が異なります。
座っているだけで作業が完結するレイアウトや、人がすれ違っても余裕のある通路の確保なども視野に入れて間取りを考えることで、備品を配置した後にやりなおす手間を省くことができます。
3:日当たりを考える
日光がどこから差し込むのかというのは意外に業務のストレス軽減や電気代節約につながります。小学校の教室の窓は全国共通で左手側に設置されています。理由は、板書をする際に書いている手の影が文字を隠すのを防ぐためだそうです。
私たちの業務でも日光がどこから差し込むのかを参考にレイアウトを決めてみるのもいいのではないでしょうか。
4:業務の内容によって必要なスペースを考える
テレワークの促進もあり、これまでとはオフィスの利用方法が変わってきました。たとえば応接間を廃止してWEB会議用のスペースが必要となったり、テレワークで社員が常に会社にいる必要がなく、デスクを撤去したりということも可能です。
新しい生活様式に基づいて、オフィスの間取りを改めて検討することでより効率的なレイアウトにアップデートできます。
5:収納スペースを確保する
消耗品のストック置き場はもちろん、普段の私たちの身の回りにあるメモ帳やイヤホン、USBといった小さな小物にいたるまで、机の引き出しやその下などに片付けるためのスペースを確保してみましょう。
整理整頓のしやすい環境と清潔感のあるレイアウトにすることができます。お菓子の収納も小袋を使うことで、中身を出すキッチン収納で解決できます。
オフィスのレイアウトのパターン9つ
実際に自分のオフィスのレイアウトを考えるときに社員との位置関係や、間取りが違うことで与えるオフィスの雰囲気の違いなどを比較するために、定番のレイアウトを9つ紹介します。
間取りを考える際に、簡易的なパーテーションを活用するか、改装で本格的なオフィス空間を演出するのか、どちらを選択するかで費用や利便性が変わってきます。社員が働きやすい環境はどれにあてはまりますか。
1:並列式レイアウト
デスクに座ってみんなが同じ方向に向くようにレイアウトされているのが並行式レイアウトの特徴です。スクール式レイアウトとも呼ばれ、個人が集中する業務に適しています。一般には、銀行などの窓口でも採用されている方式で、頻繁にお客様の応対が必要な部署での作業に適しています。
景色のいいオフィスビルなど、パソコンから目を離したときに目の保養になる環境にアレンジすることができます。
2:背面型レイアウト
働いている人同士が背中合わせになってデスクが並べられている状態を背面型レイアウトといいます。学習塾の自習室などは、こうした配置にすることでスペースを有効活用し、多くの人間を収容することが可能になります。
壁に沿って配置することでパーテーションの数を少なくし、導線を効率的に広く確保することができます。
3:同向型レイアウト
同行式レイアウトとほとんど同じ意味の同向型レイアウトとは、電話業務を専門に行う業種などに向いています。コールセンターや、研修室などに使われます。
1人で黙々と作業に打ち込むときや、一方向にいる講師などの話を集団で受講する際などに使われているため、テレワークが推進されている今では少し需要が減りつつあります。新入生研修などは貸会議室などで代用可能です。
4:対向型レイアウト
昔ながらの間取りの定番が対向型レイアウトといいます。デスク同士が向かい合う形でひとつの班を形成できます。コミュニケーションをとるのに顔同士を突き合わせることが多いため便利です。
そのまま会議をはじめたり、同じ作業に全員で取り組む際にこまやかな確認などが簡単にできるようになります。また、人数が少ない、1つのプロジェクト単位でチームを組んでいる際にはスペースの効率化につながります。
5:ブース型レイアウト
半個室型で、隣の作業や人の気配を気にせずに作業に取り掛かることのできることが特徴のレイアウトです。仕事に必要なパソコンや椅子といったものを揃えて個人の裁量に任されて仕事をする人に向いています。
外資系の企業などで採用されていて、最近では日本系企業でも取り入れられるようになりました。プログラマーなど、技術職は直接的なコミュニケーションが少ないためブース型レイアウトの間取りがおすすめです。
6:アイランド型レイアウト
ゲームや研修の際に周りのことが見えつつ、グループ単位でディスカッションするときにアイランド型レイアウトは便利です。
理由としては、顔合わせをしたことはないけれどこれから一緒に働いていく新入社員とののコミュニケーションや、普段は違うプロジェクトにいる人とのコミュニケーションのためのレクリエーションなどの際に便利な間取りだからです。
プロジェクターを使った研修などでは、前後の人が被らないような配置が必要です。
7:フリーアドレス式レイアウト
座席の指定がなく、そのときのメンバーで自由に仕事する場所を選択できるベンチャー企業などに人気のレイアウトです。カフェのように、フリードリンク、電源などを備え付けることで気分転換のために途中で場所を変えるなどノマド的働き方ができます。
パソコンなどの管理方法や書類の扱い方などを決める必要があり初期導入には慎重な話し合いが必要です。
8:ベンゼン型レイアウト
Y字が2つ組み合わさって亀の甲羅のような島が辺を重ねるような不規則な形をしているベンゼン型レイアウトは、大画面で作業するクリエイティブ職に適しています。証券取引所の映像などでおなじみの形でひとりひとりの作業スペースを確保することができます。
スペースを効率的に使えるわけではありませんが、創造力豊かな環境でデザイナー職など新しい企業に人気の間取りになっています。
9:クラスター型レイアウト
前の人の背中を見る形で1列、収納家具や壁などを隔てて逆向きで1列並べるレイアウトのことを言います。学習塾の栄光ゼミナールなどの席でこのような間取りが活用されています。個人作業に集中できる環境ですが、パソコンなど電子機器が複数台必要なオフィスには効率が悪く対策が必要です。
電源の確保のための配線や、コミュニケーションをとる、会議をする場所が新たに必要になっていきます。
オフィスのレイアウトを変更する3つの手順
事業が軌道に乗り社員が増えてきた、引っ越した後に実は使い勝手が悪くてもういちど間取りの検討をはじめたい、そんなときにどこに注意するべきかというポイントを紹介します。オフィスのレイアウトは場合によっては業者に協力を依頼する場合もあります。
また、古くなった家具を新調して経費を使うならそれなりの計画と時間的余裕をもって取り組むことで、通常の業務を滞りなく作業をすることができます。
1:ゾーニングを考える
賃貸オフィスを新しく契約するタイミングや、スペースの使い方を新しく考え直すことをゾーニングといいます。テレワークが新しく仕事の軸となってきたからこそ、今改めてオフィスの区分けについて考える必要性があります。
そのために、具体的に商談スペースはどれくらいの広さで、休憩室に設置するもの、仕事を快適に進められる間取りを確保するための動線をどうするか実際にイラストにおこしてみましょう。
2:必要な家具を手配する
新しいオフィスのレイアウトを考えるにあたってどのようなデザイン空間にするのかなどコンセプトを決めたり、利便性重視でこれまでの家具を活用するのかを検討したりする必要があります。必要な費用や期間、空間を総合的に判断して決定しましょう。
家具1つで作業効率があがることもあります。収益が上がる企業を目指して積極的にレイアウトに関する情報を集めましょう。
3:電話線などの配線を依頼する
すでに取引のある会社との連絡手段の1つとして電話回線を移転初日から使えるように準備する必要があります。これまで使用していた会社の電話番号をそのままつかえるのか、開通までの期間、工事はいつかなどの把握とともに、電話回線の配線をどのようにして床に置いていくのかを検討しましょう。
足元のけが防止のためにも、養生テープで保護するのか隠すのかいくつか方法を検討することでトラブルの防止につながります。
オフィスのレイアウトのポイント3つ
快適なオフィス空間を実現するために意識しておきたいレイアウトのポイントについて3つ紹介します。
普段から使うスペースをどのように設計するのか、レイアウトが変更できるようにパーテーションを活用して壁を動かせるようにするのかなど、設計の参考にいかがでしょうか。
1:1人当たりの適正面積を考える
作業に集中できる1人当たりの適正面積を決めましょう。デスクの上に常時置いておくものはもちろん、机の使用目的や、椅子の移動などによって人がつまずかない適正な距離はどのくらいでしょうか。
デスクやキャビネットの大きさをふくめて、人が振り向いたり椅子に座ったままで少し移動するのに必要なスペースは2坪あれば標準といえるでしょう。細かい調整までできるとさらに快適なレイアウトになります。
2:プライバシー保護を考慮する
来客の多いオフィスの場合は、先方との話が社内に聞こえないように密閉性の高いスペースを確保する必要があります。
また、採用面接の場合もより自分のことを知ってもらおうと真剣に答えている学生たちへの配慮として、社員が働くスペースと離れた場所で行うことで、フラットな状態でその人物に鋭い質問を投げかけることができます。
3:使用する頻度に合わせて物を配置する
学校ほどではありませんが、企業にも時期によって様々なイベントがあります。新人を研修するための部屋、記念日に向けた準備のために使う広い部屋、監査に向けた資料を整理するためのスペースなど必ず必要ではないですがあれば便利な部屋をつくりましょう。
また、早急に解決したい仕事をさばくためのスペースを確保し、自由にものの配置の変更ができる場所がある事で、急な業務をさばく場所を確保して効率的に仕事を進めることができます。
オフィスのレイアウトをプロに依頼した際の流れ
実際に内装をリノベーションして使い勝手の良いオフィスにするためには、予算などを決めて変更を加える建物の基本情報を共有し、イメージのすり合わせを専門業者と行います。話し合いを重ねてお互いの納得のいく形まで完成した段階で、最終的なプランを再度作成して、施工となります。
配線など、見栄えのレイアウトだけでは気づかなかった細やかなサポートもしてくれる業者であるか見極めが必要です。
スケジュールの確認が大事
内装のレイアウトを決めてから、実際に業者が作業に入って完成するまで半年以上のスケジュールの余裕があると安心です。内装を変えたり、移転した後にすぐ使えるように余裕を持った契約の取り交わしを行いましょう。
オフィスのレイアウトをプロに依頼した際にかかる費用
オフィスのレイアウトを業者に依頼するには1坪10万円からが相場になります。そのほかデザインを業者に依頼したり、オプション費用は会社により異なるので、複数の会社に見積もりを取ることで最適な業者を選びましょう。
オフィスの間取りやレイアウトのポイントをおさえよう
レイアウトを予算内でできるだけ効率のいいスケージュールで進めていくためには、事前の準備がポイントです。複数の業者に見積もりを依頼し、素人では気づかないポイントも教えてもらいながら社員も納得のオフィス空間を実現するために慎重に計画を進めましょう。