オフィス内装で意識すべき点7つと工事の工程10個|気になる費用についても解説
- オフィス移転
- 2021/01/18
目次
オフィスの内装にとって重要なのはコンセプト?
コンセプトとは、概念及び商品企画などの基本的、統一的な考え方という意味があります。
オフィス内装のコンセプトは、会社としてどのように社会に働きかけたいのか、どのような組織にしていくのか、社員の働き方など、その目指すあり方を実現するために重要な考え方の軸となるものです。
オフィス内装は、会社としてのコンセプトを基盤として創ることが重要だと言えるでしょう。
オフィス内装で意識すべき点7つ
まず、ここではオフィス内装で意識すべきポイントを7つ紹介します。
働き方が変化していく世の中ですが、オフィス内装も同様にいつまでも昔のままだと社員のやる気低下を招きかねません。
下記では、社員の生産性向上のために必要なオフィスレイアウトや、コミュニケーションが取りやすい座席レイアウト、また、グリーンの自然の量の大切さなどについて説明しています。
目的を持ちオフィス内装を変化させることで、会社のより良い未来にもつながるでしょう。
オフィス内装で意識すべき点1:生産性
オフィス環境の良し悪しは社員の生産性に関わります。そのため、社員の生産性向上を見込めるようなオフィスレイアウトを意識しましょう。
例えば、パーテーションで隣との区切りを作ったり、周りの目が気にならないような集中できる特別ブースを作ったり、気分転換の際に利用できるリフレッシュスペースを作りましょう。
昨今では、区切りが一切ないオープンなオフィススタイルが多いですが、周りをよく見渡せる分、注意散漫になってしまう可能性もあると言われています。
オフィス内装で意識すべき点2:機能性
オフィス内装は、仕事がしやすいように機能性を考えて作ることが重要だと言えるでしょう。
例えば、個人のデスクなら、集中しやすいように配置やパーテーションを設置したり、また、オフィスを明るくするためにインテリアの色やデザインや素材を考えて、気持ちよく働ける環境を作るよう選定するとよいでしょう。
インテリアを選ぶ際も、オフィスのコンセプトに合ったデザインかどうか、機能的かを考えて選んでいきましょう。
オフィス内装で意識すべき点3:コミュニケーションの取りやすさ
仕事というのはチームプレーであり、コミュニケーションを図ることがとても大事だと言われています。
日本では、同じ部署の複数人が机を向かい合わせにする固定の島型がよく採用されています。しかしこのレイアウトだと他部署とのコミュニケーションが取りづらくなってしまいます。
そのため、毎日、座席を自由に選べるフリーアドレス席や、敢えて座席をジグザグに配置し、移動の際に他部署の間を通らなければいけないようにするなど、社内全体の人とコミュニケーションを図れるようなレイアウトを意識しましょう。
オフィス内装で意識すべき点4:福利厚生の充実度
福利厚生が充実したオフィス内装は社員のやる気を高めてくれるポイントの1つでしょう。
例えば、コーヒーマシンやドリンクマシンの導入はいかがでしょうか。コストはかかってしまいますが、社員の意識に変化を生み出してくれるでしょう。
コーヒーに含まれるカフェインは、眠気覚ましなど脳がすっきりする効果があると言われています。また、仕事を中断してドリンクブレイクすることにより、同僚とのコミュニケーションも図れるでしょう。
オフィス内装で意識すべき点5:デザイン性
オフィス内装は、仕事をしやすいように必要な機能とそれに合ったデザイン性が求められます。
インテリアを選ぶ時、デスクのある部屋と会議室や休憩室では、それぞれスペースの目的が違うので、そのスペースの目的に合ったデザインを考え選定するとよいでしょう。
会社のコンセプトにのっとって、デザインされた機能的なオフィスは居心地の良い場所になるでしょう。
オフィス内装で意識すべき点6:自然の量
グリーンオフィスとも呼ばれますが、内装の自然の量を意識しましょう。グリーンオフィスといっても、置き型の観葉植物だけに限らず、天井から吊るしたり、壁に埋め込んだり、いろいろなアイデアがあります。
観葉植物などの植物には、空気を浄化してくれる作用や、目の疲労を和らげ、リラックス効果も見込めるなど、さまざまなメリットがあります。
また、オフィス内にグリーンがあることで、会社イメージも良くなるためおすすめです。
オフィス内装で意識すべき点7:コスパ
オフィス内装は社員の意識ややる気にも関わる大事なものでもありますが、オフィス工事には当然費用がかかります。コストも意識し、納得のいく内装作りを心がけましょう。
いくつかの業者に見積を発注し、費用を比較しましょう。ただ、費用が安いという理由だけで決めるのではなく、長い目で見て社員が満足いくものかどうかがとても大事なポイントです。
急にがらっと変える必要はありません。少しずつ小さなところから変化させ様子を見ていきましょう。
オフィス内装工事の工程10個
下記ではオフィスの内装工事の工程を10個紹介します。
まず工事に取り掛かる前に大事なことは、工程をきちんと把握することです。そして、どのようなオフィスにしたいか目的を明確にし、工事関係者全員で情報共有します。
オフィス内装工事の工程1:仮設
オフィス内装工事の最初に行われる工程は仮設という作業です。
仮設とは、その後の工事を効率よく、スムーズに進めるための工程です。まずは、工事にあたり床や壁が傷つかないようにシートなどで養生をします。また、高所作業が必要な場合は、足場を組み立てたりします。
さらに、工事の際に必要な電気引き込みや、水道菅の引き込みをする場合もあります。これらは、工事完了後には跡かたなく片付けられてしまうものです。
オフィス内装工事の工程2:軽鉄を組む
次に軽鉄を組みます。これは字の通り厚さ0.5mmほどの軽い鉄を使い、天井や壁を作るための骨組みの作業です。
軽鉄は、木材とは違い、湿気など環境変化によるものに対して変動が少なく、全て安定した状態で部材の供給が可能です。
また、木材よりも軽く、規格で大きさも定められているため、コスパが良いです。木材のようにその場で微調整は不可能ですが、短時間でコストを抑えて工事ができるため、オフィス内装工事にはよく使われます。
オフィス内装工事の工程3:内装
次に、床・天井・壁の内装の仕上げに取り掛かります。
まず、骨組みにオフィス工事でよく用いられる石膏ボードと呼ばれるものを貼り付けていき、継ぎ目を水平にするためにパテを塗ります。
そして、事前に相談したデザインに合わせ、床にタイルカーペットを引いたり、クロスを貼ったりします。内装に関する作業は、業者の腕の良し悪しがよく分かるところなので、業者選びは慎重に行いましょう。
オフィス内装工事の工程4:建具に関する工事
内装が完成したら、次に扉や窓などの建具に関する工事を行います。
扉だけでも、自動ドア・引き戸・押戸などの種類があります。また、バタンと閉まらないようにドアクローザーを付けることも可能です。
上記のように扉にはいろいろな種類がありますが、一から作りあげる造作扉よりも、既製品のほうがコストを安く抑えられます。セキュリティー対策のために電子錠設置も可能ですが、その分費用もかかります。
オフィス内装工事の工程5:表装
よりデザイン性の高いオフィスを目指すなら表装という工程が必要になります。
表装とは、内装工事のさらに仕上げの部分のことを指します。例えば、クロスの上から会社のロゴを掲げたり、デザインとしてタイルを取り付けたりすることで、よりデザイン性に優れたおしゃれなオフィスが完成します。
こちらの工程は、オフィス内装工事において費用削減を検討の際に、はじめに見直す部分とも言われています。
オフィス内装工事の工程6:パーテーションに関する工事
次にパーテーションに関する工事を行います。軽鉄工事と同様にパーテーションは室内を区切るために使われますが、可動式も可能です。
パーテーションの素材には、ガラス・アルミ・スチールなどさまざまなものを選ぶことができます。置き型のパーテーションもありますが、施工型のパーテーションのほうが、デザインに幅があるためおすすめです。
会議室や休憩室にしたり、受付と就業スペースを分けたりするのに使われます。
オフィス内装工事の工程7:電気系統に関する工事
次にオフィスを照らす照明やパソコンを使用するためのコンセント、電話線やLANケーブルなどの配線工事など、電気系統に関する工事を行います。
また、ビルにはもともと使用できる電気の容量が決まっています。オフィスには、パソコン・照明・シュレッダーなどの機械はもちろんですが、リフレッシュスペースにある電子レンジや冷蔵庫などいろいろな電気製品を使用しています。
内装工事をする際は、事前にどのくらいの電気容量が必要か確認しておき、容量オーバーにならないよう気を付けましょう。
オフィス内装工事の工程8:空調や配管の工事
エアコンや換気扇などの空調に関する工事とそれに伴う配管工事を行います。
エアコンと言っても、天井付けの埋込型エアコンで吹き出し口が4つあるタイプと、窓付近に設置する大型の箱のようなものなどいろいろな種類があります。
空調はオフィスの中でも最も消費電力が大きく、オフィスの広さや使用に応じて空調を選びましょう。さらに、空調環境が悪いと、それだけで社員の生産性が下がるとも言われており、空調選びは内装工事の中でも大事な部分とも言えるでしょう。
オフィス内装工事の工程9:消防に関する工事
火事が起きたときに、社員の人々の命を守ったり、未然に防いだり、被害を最小限にするために消防法という法律があります。オフィス内装工事の際は、この法律を守らなければならない義務があります。
誘導灯の設置や、スプリンクラー・煙感知器など、たくさんの人々が行きかうオフィス内では必ず設置しなければなりません。
また、工事着手前に届けなければならない書類などもあるため、抜け漏れが無いよう事前に詳しい人に相談しておきましょう。
オフィス内装工事の工程10:看板等の設置
最後に、オフィスの顔となる社名が掲げられた看板工事を行います。
自社ビルの場合は、高所作業にて外に看板を設置し、複数のオフィスが入っているビルの場合は、エントランス部分に看板を設置します。
看板は、来訪者が分かりやすいよう設置するため非常に重要です。また、その会社ごとのデザイン性が出るので慎重に選びましょう。
LED内蔵型やステンレス製など、色もデザインも好きなものを選ぶことができます。
オフィス工事にかかる費用や相場
オフィス工事の相場は1坪あたり、10万円から30万円かかると言われています。また理想的なオフィスの面積は1人あたり1.5坪から2.5坪と言われています。
50坪のオフィスなら、500万から1500万円程度の費用がかかってしまうでしょう。
内装工事の費用は、どんな部材や材質を選ぶかによって大きく変わります。前の物件の設備がそのまま残っている居ぬき物件というものもあり、こだわりたいところと妥協して良いところをきちんと考え工事に取り掛かりましょう。
費用を抑えるコツはある?
費用を抑えるコツはいくつかあります。
まず、なるべく複数の業者に見積りを依頼することです。1社だけだと相場が分かりづらく、高いか安いかの判断ができません。
また、机や椅子、棚などのオフィス設備は、自分たちでメーカーから輸入しましょう。間に取り持ってくれる仲介業者が入るとそれだけ費用がかかってしまいます。
最後に、なるべく品質も良いが、コストも低い部材を選ぶように心がけましょう。デザインを重視したいというところだけこだわり、他はシンプルなものや安いものを選ぶようバランスを取りましょう。
内装工事業者を選ぶ際のポイントについて
オフィス内装工事を業者に依頼する先は、内装専門の業者・工務店・設計事務所の3パターンあります。
内装専門の業者は、デザインから工事までをワンストップサービスで対応可能です。また、施工実績もあり、知識も豊富にあることでしょう。そのため、依頼先は内装専門業者がおすすめです。
また、何かあったときのために保証サービスがある業者だとより安心できるでしょう。さらに複数の業者にて見積りを依頼し、なるべく費用を抑えられるところを選ぶと良いでしょう。
オフィスの内装工事は十分な事前検討で悔いのないように
オフィス内装で意識する点や内装工事の工程について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
オフィス内装はデザイン性だけでなく、どのようなオフィスにするかによって社員のモチベーションや生産性も変わります。
たくさんの人々が関わり、部材の調達や工事などはどうしても大きな費用がかかってしまいます。事前に十分検討して、コスト面でも内装面でも悔いのないようにしましょう。