オフィス内装に必要な9つの工事|内装にかかる費用や費用を抑えるコツも紹介
- オフィス移転
- 2021/02/01
目次
オフィス内装に必要な9つの工事
オフィス内装を変えるにあたって、必要になってくる工事について把握しておきましょう。オフィスのデザインによって、どの工事が必要になってくるのかは異なりますが、基本的な内装工事について解説していきます。
1:仮設工事
仮設工事は、足場や養生シートなどの施設や設備を組み立てる作業のことを指します。工事をスムーズに行うためにはこの作業が必要になってきますが、工事が終わった際には撤去します。また、工事中の電気や水道、トイレなどを設置する場合もあります。
2:鉄筋工事
軽量鉄骨やプラスターボードと呼ばれる石膏ボードを貼る工事のことを指しています。軽量鉄骨を挟み込むような形でプラスターボードを両側に貼り付ける作業で、造作壁の基礎となる部分です。この2つの材料費はあまり高くありません。
3:建具工事
建具というのは「扉」のことを指しており、扉に関連する部分の工事のことを建具工事といいます。建具に使われるのは、スチールやアルミ、木製やガラス製などで既製品をそのまま使うか、オリジナルで作ってもらうかのどちらかになります。
また、建具を設置するためには建具の枠や開閉するための金具が必要になります。ほかにもセキュリティ鍵などを設置することもできるので、デザインによって大きな違いが出てくるでしょう。
4:内装工事
壁や床、天井などの見える部分に仕上げをする工事のことを指しています。壁紙を貼ったり塗装したりする工程がここに当たります。デザインによって使う素材や範囲も変わってくるので、ここでも差が出てくるでしょう。
この工程が終わると一気にオフィス内装にデザイン性を感じられるようになるので、徐々に完成に近づいていることを実感できる工事でもあります。
5:パーテーション工事
スチールやアルミなどの素材で作られたパーテーションを組み立てて設置していく工事になり、部屋ごとの仕切りができてきます。パーテーションの種類によっては穴あけをしなくてもいいものもあるので、オフィス内装のデザインや素材によって早く終わる工程ともいえるでしょう。
6:電気工事
オフィスには照明器具や電源スイッチ、電話など電気を使うものがたくさんあります。住宅と同じように電気を通す工事も必須であり、これにはLAN配線の新設や追加などの工事も含まれてくるのが一般的です。
他にも、電灯や電力盤などの取り付けや、移転作業なども発生してくる場合があります。
7:空調換気設備工事
快適な湿度や温度を生み出すために、空量換気設備は必要になってくるものです。例えば、エアコンを設置したり換気扇などを取り付けたりするのがこの工事に当たります。ほかにも空調や換気設備を快適に使うための、配管工事なども行う場合があります。
器具を取り付けた後に試運転や、機器能力を調整してくれる場合もあり、この工事をしっかりやっておくことで社員にとって快適な空間を生み出してくれるのです。
8:消防設備工事
消防設備工事とは、火災報知機や消火設備などを取り付ける工事のことを指しており、避難設備なども設置する工事です。ほかにもスプリンクラーや消火栓など、消火活動に必要なものを設置します。
火災などの災害から人命や設備を守るために必要な工事になるので、設備が古くなっている恐れがある場合にも必要になってくるでしょう。
9:サイン工事
サインとは、建築物にある案内看板のことであり、その看板を取り付ける工事がサイン工事です。サインは、その建物を使用する人々がわかりやすいような工夫がされており、館内図や階数を表す数字などもそれに該当します。
オフィス内装にかかる平均的な費用
オフィス内装にかかる平均的な費用は、新装なのか改装なのかによっても変わってきます。基本的に新装のほうが高い費用が必要で、物件が大きければ費用もかさむという傾向にあります。
新装の場合には、1坪あたり10~20万円程度が平均だと考えられています。物件が大きければオフィス内装にかかる費用はかさみますが、必要な工事自体は変わらないので物件が広くなると、坪あたりの単価は下がっていく傾向にあります。
また、改装の場合には元の設備があるため新装よりも費用が低い可能性があります。改装のオフィス内装の場合は、1坪当たり5~10万円程度が平均額です。
しかし、トイレなどの水回りの位置を変えたいとなると、新装と変わらない費用が必要になってくるでしょう。水回りにはすでに配管が用意されているので、それを新しくするとかなりの費用が掛かります。
改装のオフィス内装の費用を抑えたい場合には、元からある配置を活かしたデザインにしたほうが費用を抑えたい場合にはいいでしょう。
オフィス内装工事にかかる費用とは?
オフィス内装の坪単価については解説しましたが、それぞれの工事についても大体の費用を見ていきましょう。工事をするにあたり、費用は広さやデザインによって変わってくるものなので、工事会社に見積もりを取ってもらうのは忘れないようにしてください。
工事の中でも内装工事にかかるお金が高くなる傾向にあるので、費用を抑えたい場合にはデザインを工夫する必要があるでしょう。
仮設工事費
オフィス内装を作るために必要になる足場などを作成する仮設工事ですが、10~15万円程度が相場だと考えられています。内装をガラリと変えるような大掛かりな工事であれば、仮設トイレや工事の際の照明なども必要になるのでどの程度の工事なのかが肝になってきます。
鉄筋工事費
オフィス内装工事の基礎となる鉄筋を組み立てる作業ですが、これは20~25万円程度が相場だと考えられています。何階建てになるのか、新装なのか改装なのかは大きな分かれ道になるので、この費用を抑えたい場合には改装を検討したほうが良いでしょう。
建具工事費
扉に関する工事になりますが、相場は75~80万円程度です。扉本体だけでなく、金具や建具枠にも金額がかかってきます。もともとあるデザインの扉を取り入れるのであれば、オリジナルで作ってもらうよりも安く済ませることができます。
また、電気錠を取り付けたり、セキュリティ面を重視したりするのであればその分費用がかさんでしまいます。
内装工事費
オフィス内装においてデザインを反映させるためには、床や壁、天井の表面も非常に重要な工事です。デザイン性が強く出てくる工程なので、300~350万円程度かかってくる傾向にあります。
素材にこだわったオフィス内装や、デザイン性を求めていくと、この費用はかさばってしまいます。デザインにこだわるのであれば、それなりの金額が必要になってくることは覚悟しておきましょう。
パーテーション工事費
オフィス内装の仕切りを作るのに必要なパーテーション工事は、80~85万円程度が相場となっています。
素材は主にスチールやアルミですが、スチールのほうが費用は高い傾向にあります。ただ、スチールパーテーションは遮音性や防音性に優れているという特徴があり、会議室や重要な資料を扱っている部屋に使われることが多いです。
一方、アルミのパーテーションは遮音性が低くなりますが、単価を抑えることができます。また、独立式・固定式・可動式があるのでそれぞれ費用も異なってきます。
電気工事費
照明や電話、LANの取り付けにかかる費用で、50~55万円程度が相場です。内装をこだわった分だけ、高くなる傾向にあるのでオフィス内装によって規模が変わってきます。
コンセントの設置程度であれば6万円以内のこともあるので、どの程度の工事になるのか事前に把握しておいたほうがいいでしょう。
空調換気設備工事費
エアコンや換気扇の取り付けなどの工事で、80~90万円程度かかると言われています。オフィス内装が新装なのか改装なのかによっても大きく違いが出てくるので、改装の場合には空調の位置を意識したデザインにするといいでしょう。
業務用エアコンの工事費用は1つあたり10~25万円程度が相場なので、どんなタイプのエアコンを取り付けるのかによっても変わってきます。
消防設備工事費
防災関係の設備を設置する工事は、法律によって設置基準が細かく決められています。オフィス内装工事の消防設備工事費用は、90万円前後のことが多く、法律に従った設置をしなくてはなりません。
改装の場合は、消防設備を考慮したデザインにすることで一部不要にできることもあるので、デザインの段階で確認しておきましょう。
出典:消防法令における主な規制の概要|総務省消防庁pdf
参照:https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/yobou7.pdf
サイン工事費
会社のロゴや案内板、階段の階数表示などに使われるサインですが、どの程度サインを取り入れるデザインなのかによって変わってきます。オフィス内装のサイン工事には、50~60万円程度かかると考えておきましょう。
フロアが広くなったり、何階建てなのかによっても変わったりしてくるので、会社の規模が関わってきます。
オフィス内装以外にかかる費用とは?
オフィス内装工事以外にも、デザイン性のある快適なオフィスにするのであれば、家具の購入やLAN配線など様々な備品に費用がかかってきます。新装であればなおさら費用がかかってくる傾向にあり、改装なのであれば今ある備品をいかに活かすかを考えたほうがいいでしょう。
デスクなどの必要家具
内装が出来上がっても働ける環境を作るためには、デスクや椅子、棚や会議室のための大きなテーブルなど様々な家具が必要になってきます。
部屋の数が多くなればそれだけ基本的な家具が必要になってくるので、大規模な会社であれば多大な費用が必要になるでしょう。内装に合わせたものを選ぶ必要があるので、おしゃれさや快適さを求める場合には費用は大目に見ておいたほうがいいでしょう。
インターネット回線
パソコンなど電子機器を扱うためにインターネットの回線はほとんどの会社で必要になってくるでしょう。プリンターを使うために複合機と接続したり、社内にLANを導入したりと、インターネットにまつわる機会を取りそろえる費用がかかってきます。
セキュリティ機器をつなぐ際にも必要になってくるので、どの程度インターネットを使うのかによって費用が変わってくるでしょう。
ビジネスで使用する備品
会社用の携帯やコピー機、パソコンなど働くために必要な備品を揃えるのも必要です。初期設定が必要なものなどもあるので、備品にかかる費用も考えておきましょう。職種によっては制服代や防具代なども必要になってくるので、多めに抑えておくのがおすすめです。
ただ、ビジネスにおける備品をどこまで会社が負担しなければならないのか明確な基準はないので、ある程度の線引きをあらかじめ行っておいたほうがいいでしょう。
引っ越し費用
引っ越し費用は、社員の人数によっても大きく変わってきます。
また、パソコンや書類などのビジネスに必要なものを運ぶための費用のほかに、不用品を処分する費用もかかってきます。業者によっては不用品をリサイクル品として買い取ってくれる場合もあるので、費用を抑えたい場合には検討してみてもいいかもしれません。
オフィス内装工事の費用を抑えるコツ5つ
内装工事にかかる費用は、工事費のほかにも色々な場所でかかってきてしまうので、出来るだけ費用を抑えたいところでしょう。見積もりをしてもらうことは必要ですが、その前に費用を抑えるためのコツを把握しておきましょう。
また、見積もりに関しては複数の会社にしてもらい、比較しながら決めていくことが重要です。
思ったままのデザインを実現するために、ほかのところで費用を削れる工夫が必要です。素材やデザインを決める段階で、費用を抑える工夫をしておけば、家具や備品にかけるお金を増やせる可能性もあります。
1:素材をコスパの良いものにする
デザインはそのままに素材自体を節約する方法もあります。例えば、パーテーションであれば会議室や重要な情報を取り扱う部屋の壁は防音性の高いスチールにして、それ以外の場所ではアルミを使うと費用を抑えることができます。
また、来客者の目に触れる場所は高いグレードの素材で作り、従業員のみ使用する場所はグレードを下げてもいいでしょう。場所や用途によって素材を使い分けることで、デザインはそのままに費用を下げることが実現できます。
2:そのままのデザインを活かす
居抜き物件という、内装や什器、設備がそのまま残された状態のオフィスを借りるのもいいでしょう。什器や設備はそのまま使ってもいいので、そのままのデザインを活かしたものにすれば費用が抑えられるでしょう。
空調設備や消防設備が整っている場合もあるので、設置費用を低くできる可能性があります。
3:フロアの仕切りの種類を使い分ける
素材の節約とも通じる部分がありますが、仕切りの種類によって節約する方法もあります。
天井まで区切るものと区切らないものがあり、区切らないものだと空気の通りがあるので新たにエアコンなどをつける必要がありません。ただ、どの程度空気の通りがあるのかはその場所によって変わってしまうので、エアコンの位置を確認してデザインを決めましょう。
区切られていないタイプは防音性がありますが、エアコンや照明、消防設備の増設が必要になる場合もあるので場所によって仕切りの種類を使い分けるといいでしょう。
4:家具を直発注する
自社で家具を直発注することで、仲介業者にかかってくる費用を抑えることができます。
オフィスデザインを手掛けている会社からデスクや椅子を買うと、施工会社が間に入ることで費用がかさばってしまうのです。家具を大量に仕入れることで安く販売している会社もありますが、それよりも自社で発注したほうが費用を抑えられることがあります。
また、中古のオフィス家具を取り扱っている会社もあるので、新品に対するこだわりがない場合には利用してみてもいいでしょう。
5:露出型の照明を使う
どのフロアにも必要になってくる照明器具を、露出型のものにするだけで費用を抑えることができます。埋め込みタイプよりも大掛かりな工事が必要ないので、費用が比較的安く取り付けることができます。
ただ、照明によって印象が変わってきてしまうので、エントランスなど来客がある場所は埋め込み型にするなど、場所によって照明の種類を変えてもいいかもしれません。
オフィス内装に必要な費用を把握しておこう
オフィスの内装にかかる工事費用は安くありません。会社の大切な資産を使って内装を変えるので、計画的にデザインを考えていくことが必要でしょう。どんなコンセプトにするのか、どんな効果を狙うのかなど具体的に決めておくことで、会社の今後を決めていきます。
必要になる費用を把握して、どこまでこだわっていくのかを賢く決めていい会社を創りましょう。