オフィスの配線が乱雑する原因は?配線をまとめる方法とOAフロア化について解説

中村 優文(Masanori Nakamura)

目次

  1. オフィスの配線を整理する必要性
  2. オフィスの配線が乱雑する原因
  3. オフィスの配線が乱雑することで起こるトラブル
  4. オフィスの配線をまとめる方法4つ
  5. オフィスの配線をOAフロア化するメリット
  6. 抜本的なオフィスの配線の対策はOAフロア化を図ろう

オフィスの配線を整理する必要性

使わないコードや必要以上に長すぎるケーブルなどを整理せず放置していると、デスク周りがコードだらけになって汚くなってしまいます。配線が整理されていないと、見た目が汚い上にホコリなども溜まりやすくなり、より一層見た目が悪くなるでしょう。


また、1つのコンセントに多数のコードを差すタコ足配線をしていると、ホコリが溜まることによるトラッキング、過電流などによる火災の危険性が高まります。


このようなことから、デスク上のコードの整理だけでなく、デスクに届くまでの配線の整理も大切だと言えるでしょう。

オフィスのOA化

オフィスのOA化とは、職場に情報・通信機器を導入し、帳簿の記録や計算、紙の書類の作成や編集、保存など一連の作業を自動化したり、効率的に行えるようにすることを指します。


近年ではオフィスのOA化が進み、仕事が効率的に進むようになりました。しかしその反面、様々な機器が増えたことで配線も増えてしまい、ごちゃごちゃしていて見た目が悪く、足に引っかかる心配なども出てきました。

オフィスの配線が乱雑する原因

オフィスの配線が乱雑になる理由として、オフィスの拡大や人員の増加でパソコンなどの機器を追加で購入した際、元からある配線を見直すことなくそのまま追加してしまうことがあります。


全体的な見直しをせず、無計画に様々な種類のケーブルを追加することにより、いつの間にかオフィスの配線がごちゃごちゃになってしまいます。かと言って、下手に手を出すと間違ってネットワークを止めてしまうなどの恐れがあるため、放置されがちなのです。


そのため、配線を整理するには上層部を含めオフィス全体で協力し、短期間に行うことが大切です。

オフィスの配線が乱雑することで起こるトラブル

ケーブルを曲げた状態で使用したり、椅子や机で踏みつけていたりすると、ケーブルが劣化して断線する恐れがあります。ケーブルのコネクター部分も衝撃に弱いので、ケーブルが引っかかって強く引っ張ると、破損することがあります。


LANケーブルなど重要な配線が断線すると、ネットワークが使えなくなるなど、オフィス全体に影響が出ることがあります。また、延長コードのタコ足配線や電源コードの破損、ホコリの蓄積などによる火災の心配もあるでしょう。


乱雑な配線は見た目も良くありません。来客だけでなくそこで働く社員に対しても悪い印象を与えます。これらの理由から、オフィスの配線の整理は必要だと言えるでしょう。

オフィスの配線をまとめる方法4つ

オフィスの配線をまとめるには、いくつか方法があります。ここでは配線をまとめる方法として、OAフロア化する、配線モールを活用する、LAN配線工事をする、ケーブルをまとめるボックスを置く、の4つをご紹介します。


自分で安価に設置できるものから、業者に依頼して設置してもらう大がかりなものまであります。状況に合わせて検討してみましょう。

1:OAフロア化する

OAフロアとは、オフィスの床下に空間を設けて、床を二重化したフロアのことです。床を二重化するのは、パソコンの電源やLANケーブルなどのネットワーク配線を床下の空間にまわし、床上をスッキリさせるためです。


OAフロアはオフィスだけでなく、工場や商業施設、学校など多くの配線が必要な場所で使われています。最近では、OAフロアにする前提で設計されたビルもあります。

レベル調整タイプ

レベル調整タイプとは、フロアの板と、それを支える脚の部分が分離しているタイプのものです。長さを調節できる支柱の上にパネルを乗せているので、床下に高さを出すことができ、太い配線を通すこともできます。


支柱の長さを調節できるので、配線が少ない時は空間を狭くし、配線が多い時は支柱を伸ばして空間を広くするなど、空間の調節がしやすいことがメリットです。


デメリットとしては、金属製のパネルを使用するためパーツが重くなり、建物全体の積載荷重に問題が出る可能性があります。また、慣れない方がDIYで施行するには不向きです。

置き敷きタイプ

置き敷きタイプは、あらかじめ脚がついているタイプです。クッションシートを既存の床に広げて、その上にOAフロアパネルを敷き詰めることで完成します。あとは、OAフロアパネルの上にフロアマットやカーペットを敷くだけです。


置き敷きタイプは樹脂製のものが多く、軽量で費用も比較的安価なのがメリットです。従量が軽いので女性でも作業ができますし、配線の変更をしたい時も簡単にOAフロアの取り外しができます。


ただし、樹脂製なので耐荷重に制限があるのがデメリットです。あまり重いものを載せると変形や破損の可能性もあります。また、高さに制限があるので、配線が多い場合や太いものを中に通したい場合には不向きです。

2:配線モールを活用する

コストがかからず簡単な方法としては、配線モールの利用があります。


配線モール(ケーブルモール)は、床や壁にあるケーブルを収納・保護するためのカバーです。テーブルタップなど、コンセントの差し替え頻度があまり高くない配線にカバーをつけることで、引っかけや踏みつけによる断線を防ぐことができます。


ケーブルをまとめてモールに入れて壁や床に貼りつけるだけなので、簡単に作業ができます。しかし、足や椅子に踏まれやすい場所に取り付けてしまうと、モールの凹凸が邪魔になってしまうので、取り付け場所には注意しましょう。

3:LAN配線工事をする

LANとは「Local Area Network」の略です。通信機器を使い、狭い範囲でデータをやり取りできる環境のことを言います。LAN配線は、このLANを使ってインターネットの利用ができるようにするための配線のことです。


オフィスには、パソコンの他にも様々なOA機器が設置されています。機器の増設をするとその度にLANケーブルが増え、いつの間にかオフィスがLANケーブルだらけになってしまうでしょう。


LANケーブルの配線工事を業者に依頼することで、現在のネットワークだけでなく、先のレイアウト変更を見越した配線整理を行うことが可能です。

4:ケーブルをまとめるボックスを置く

ケーブル配線ボックスを利用して、コードやケーブル、電源タップなどをまとめて収納するのも、配線をまとめる方法の1つです。


ケーブル配線ボックスを使えば、ケーブルが片付いてすっきり見えるだけでなく、ホコリと湿気からケーブルを守ることもできます。電源周りでは、ホコリと湿気により発火するトラッキング現象が危険です。ボックスに入れることでそれを防止することができます。


ボックスを利用すると、場合によっては熱がこもることもあります。そのような時は風通しの良い製品を選ぶ、穴をいくつか開けるなどの対策を取りましょう。

オフィスの配線をOAフロア化するメリット

オフィスの配線をOAフロア化することには、多くのメリットがあります。1つめは、配線がすっきり収納できるので見栄えが良くなることです。また、配線が床下にあるのでオフィスのレイアウト変更がしやすくなります。


配線が出ていないことでホコリがたまる心配がなくなり、掃除がしやすくなるでしょう。また、ホコリの蓄積による火災の危険も減らすことができます。ほかにも、配線につまづいて怪我する、ケーブルが断線するなどの心配もなくなります。


OAフロア化は、今ある配線を一旦クリアにして、根本から配線し直すことができるのです。

抜本的なオフィスの配線の対策はOAフロア化を図ろう

オフィスのOA化に伴い様々な機器が増えることで、オフィスにはどうしても配線が増えてしまいます。配線が乱雑なままだと見た目が悪いうえに、断線や発火などの原因にもなり、場合によっては業務に支障をきたすでしょう。


オフィスの配線は、配線をまとめるための市販品を利用したり、配線工事を行ったりすることで、すっきりとまとめることができます。


特にOAフロア化は、配線を床下に収納することで見た目がすっきりする上に、ホコリを防いだり断線の危険を減らしたりすることができる、抜本的な対策と言えます。オフィスの配線対策に、OAフロア化を検討してみましょう。

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監修

執筆者
中村 優文(Masanori Nakamura)
経歴
早稲田大学大学院卒業。大学院時代では未踏スーパークリエータに認定される。その後、三菱地所に入社し物流施設のアセットマネジメントや営業に従事。 不動産業界の知見とエンジニアリングの知見両方を持ち合わせており、estie proのプロダクトマネジャーとして活躍。 フットワーク軽く社内イベントをよく開催する。
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