オフィスを仕切るパーテーション選びのポイント8つ|2つのパーテーションとは?
- オフィス移転
- 2021/01/18
目次
オフィス用パーテーションとは?
コロナウィルスの飛沫感染を防止する対策として、パーテーションが注目されています。パーテーションは、空間を仕切るものとして、オフィスの様々なシーンに応じて利用されるオフィス用品です。
使用目的に合わせるために、オフィス用パーテーションは多種多様なタイプがありますが、主に「ローパーテーション」と「ハイパーテーション」と大きく分けるとこの2種類に分けられます。
ローパーテーションと施工型パーテーションの違い
ハイパーテーションの多くは、施工が必要となる施工型パーテーションです。一方、ローパーテーションは、工事不要な設置型がほとんどです。低価格のものあります。
床面据付型のローパーテーションは施工が必要ですが、大掛かりな工事ではありませんし、付帯工事が必要となる場合も稀です。
ローパーテーションは高さ1m以下のものが多く、高くても2m程度の間仕切りを指します。
オフィス用ローパーテーションの種類4つ
パーテーションには、ローパーテーションとハイパーテーションの2タイプがあります。
ローパーテーションは床面のみでパネルを固定し、パーテーションパネルの上部天井までの空間には支柱がない間仕切りファニチャーで設置も比較的簡単です。
ローパーテーションの種類は大きく分けて4つあり、衝立タイプ、連結タイプ、突っ張りタイプ、飛沫感染防止用の卓上タイプを紹介します。
オフィス用ローパーテーションの種類1:衝立タイプ
「ローパーテーションとは衝立タイプのパーテーションのこと」としているメーカーもあるほど、衝立タイプはローパーテーションの代表的なものです。
日本の屏風のような建具で、キャスター付きのタイプは移動や撤去が簡単なため、一時的な簡易パーテーションとしての使い方もできます。
遮音性や遮視性は余り期待できず、間仕切りという感覚です。
オフィス用ローパーテーションの種類2:連結タイプ
連結タイプは、複数枚のパネルが連結されています。必要に応じて帆立と呼ばれる袖パネルを付けることも可能です。
連結も直線状だけではなく、ジョイントを使ってL字型、T字型、H字型、コの字型などに組み合わせて使うことも多くあります。フリージョイントを使えば、連結の角度が90度や180度だけでなく鈍角や鋭角にもできます。
また、連結型を利用して簡易的に独立空間(部屋)を作ることも可能です。
オフィス用ローパーテーションの種類3:突っ張りタイプ
突っ張り棒のようなポールを使って、天井と床を押し込む力で固定するタイプのパーテーションです。
天井に接触する部分が特別な形状になっていて、天井を傷つけずに充分な固定強度が保てるようになっています。
フラットな床面と天井面があれば、室内のどこにでも設置でき、好きな場所に間仕切り壁を作ることが可能です。ただし、このタイプの設置工事を「B工事」としているビルもありますので事前の確認が必要です。
オフィス用ローパーテーションの種類4:卓上タイプ
元々、デスク周りのプライバシー保護やセキュリティを目的として使われてきましたが、飛沫防止のコロナ対策で疫面からも注目され人気があります。
デスクや受付カウンターに卓上タイプを置くことで、視線を間仕切りでき集中力や生産性を高められるほか、机上にある資料など情報の覗き見を防止できます。
パーテーション選びのポイント8つ
パーテーションを利用する目的や、オフィスの環境によって選ぶべき最適なパーテーションが異なります。
設置する目的をしっかりと念頭に入れ、タイプを選択する際、目的から外れないように気をつけることが肝心です。費用の面や見かけの良さだけで決定しないよう注意しましょう。
それでは、ローパーテーションを選ぶときのポイントについて考えます。
パーテーション選びのポイント1:衝立として仕切るか
オフィス空間を天井まで間仕切りする(ハイパーテーション)のではなく、天井まで届かず、空間を緩やかに(ルーズに)仕切りたい場合は、衝立タイプがおすすめです。
衝立タイプは、閉塞感を避けられるメリットがあります。ただし、完全に間仕切りできるわけではないので、遮視や遮音の効果はやや劣ります。秘密性の高い打ち合わせや会議には不向きだというデメリットもあります。
パーテーション選びのポイント2:用途に合わせた高さか
ローパーテーションは、床面からの高さが90㎝から2m程度まで数種類のサイズがあります。
オフィスの商談席の間仕切りに使う場合、高さがあるパーテーションを選ぶと商談フロアに圧迫を感じてしまいます。プライバシー保護の目的でパーテーションを設置する場合は「高さ:90㎝」では、外部からの視線を完全に遮ることは難しいでしょう。
目的や用途に合わせたパネル高であるかを確認する必要があります。
パーテーション選びのポイント3:収納が容易か
ローパーテーションは、比較的設置や移動が容易であることから、簡易的な間仕切りとして利用されるケースが多いようです。
パーテーションを利用しなくなった時や一時的な撤去の際に、解体や収納が容易であるか、再設置の際の組み立て方も簡単なのかという点も重要です。
可動式のものや、カーテンタイプの折りたたみ式パーテーションは、コンパクトに収納でき、収納スペースが狭いオフィスに向いているアイテムです。
パーテーション選びのポイント4:完全に仕切るか
外部からの視線を防ぐことや、セキュリティ確保のために、ローパーテーションであっても完全に仕切らなければならない場合もあります。
高さがあるパネルを使えば目的は達成できます。開閉扉付のパーテーションや施錠ができるタイプもありますので、別室的な空間を作ることも可能です。
ただ、完全に仕切ってしまうと、オフィスのレイアウトや動線の関係上、不都合が生じる場合もあるので注意が必要です。
パーテーション選びのポイント5:手軽に仕切るか
ローパーテーションは、オフィスのさまざまなシーンに対応し、手軽に間仕切りできます。
例えば、応接室がない小規模オフィスでも、フロアの一部のスペースをパーテーションで仕切ることにより、テンポラリーに応接スペースを確保できます。
またオフィスの人員が増えた時も、パーテーションを追加でき、設置や組み立てもDIYで手軽に導入可能です。
パーテーション選びのポイント6:レイアウトの変更や移動が容易か
オフィス環境の変化から、事務所のレイアウトを変更しなければならないことがしばしば起こります。ローパーテーションは、比較的設置や移動が簡単なので、レイアウト変更にも対応しやすいパーテーションです。
この特徴から、将来のフロアーレイアウトの変更を見越した上で、ローパーテーションを選択することもあります。
パーテーション選びのポイント7:オフィスの雰囲気に合っているか
自社オフィスの雰囲気に合っているパーテーションを選定します。周囲の雰囲気に合わないパーテーションは、フロア全体から浮いてしまいます。
アルミパーテーションは、フレーム部分が素材むき出しの製品が多く、高級感を演出した空間には不向きです。明るい清潔感のあるオフィスでは、重厚な木製パーテーションでは異質な存在に映ってしまいます。
そうならないためにも、カラーコディネーションには配慮しましょう。
パーテーション選びのポイント8:安定感があるか
ローパーテーションは、移動や取り外しが簡単なため、安定感に欠ける面があります。
そのような場合、安定脚を取り付けることで転倒防止となり、軽く触れた程度ではぐらつかない安定感が得れます。
施工型パーテーションの種類3つ
施工型パーテーションの多くは、パネルや枠組みが床面から天井まで高さのあるハイパーテーションです。独立性や機密性を高める目的のパーテーションは、ローパーテーションのようにテンポラリーなものではなく、施工型のほうが効果が期待できます。
施工型にすることで、オフィス環境に合ったものを設置できます。また規格外のパネルの製作も可能です。
施工型パーテーションの代表的な3タイプを紹介します。
施工型パーテーションの種類1:スチールパーテーション
スチールパーテーションは、石膏不燃ボードをスチール製のパネルと骨組みで挟んだ構造になっています。遮視性、遮音性に優れ、不燃性も兼ね備えています。
支柱や継ぎ目が表に出ないタイプは壁面のような印象を与え、硬質感を抑えるために表面にクロス加工やシート加工をした商品もあります。
マグネットシート代わりに使用でき、磁性シートのホワイトボードを任意の場所に貼り付けることも可能です。
施工型パーテーションの種類2:アルミパーテーション
アルミパーテーションは、ハニカム構造のコア材をアルミの骨組みで支えています。表面材の材質は、化粧鋼板やポリエステル化粧板です。
商品の注文から納品までの期間が短く、簡単に組み立てられて取り扱いやすいため、レイアウトや動線の変更など柔軟に対応できます。
その反面、軽量なため遮音性や密閉性には劣るでしょう。
施工型パーテーションの種類3:ガラスパーテーション
空間を間仕切りする場合「独立性」と「適度な開放感」という相反するコンセプトを同時に実現することに悩まされます。この問題を解決するのがガラスパーテーションです。
ガラスパーテーションを会議室に使用すれば、閉塞感もなく、会議という重苦しい雰囲気も軽減されます。
ガラスも透明なものだけではなく、すりガラスやストライプガラスなどもありますし、模様入りのデザインシートを貼れば、おしゃれ感を演出できます。
施工型パーテーションのメリット3選
施工型パーテーションには、ローパーテーションにはない特徴があります。
施工が不要なパーテーションは低価格なことは確かですが、目標にしていた効果が得られないのであれば費用が無駄になってしまいす。パーテーションを選ぶ前に、パーテーションの特徴を掴みましょう。
そこで施工型パーテーションのメリットとデメリットをまとめてみました。
施工型パーテーションのメリット1:自由なデザインが可能
施工型パーテーションには、デザインの自由度があります。
ダイノックシート(3mの粘着剤付き化粧フィルム)やメラミン化粧合板を使ってユニークなパネルの製作が可能です。これらを組み合わせることで、何十万通りものデザインを自由に実現できます。
パネルの色も、かつてはホワイト、グレー、アイボリーが主流でしたが、最近ではデザイン性に注目が集まり、多色展開されています。
施工型パーテーションのメリット2:耐久性・防音性・遮視性に優れている
ステンレスパーテーションは、耐久性に優れており、防音効果も期待できます。
クリアなガラスパーテーションに、遮視性は追求できませんが、ステンレスパーテーションやアルミパーテーションならば、外部からの視線を完全に遮ることが可能です。
また、ガラスパーテーションでも、くもりガラス、半透明ガラスやストライプガラスを使えば、開放感を保ちながらも、ある程度の遮視性が期待できます。
施工型パーテーションのメリット3:セキュリティが強化できる
施工型パーテーションでは、スペースを完全に仕切って独立した空間を作りだすことが可能です。スライドドア部分にスマートロック(電子ロック)を取り付ければ、セキュリティ強化が図れます。防犯対策の有力な手段になるでしょう。
また、電子ロックを利用して、入室者名や利用時間などの入退室管理も可能ですので、設備管理の面からも有効利用できます。
施工型パーテーションのデメリット3選
施工型パーテーションのデメリットについて考えてみます。基本的には、ローパーテーションのメリットである事項が、施工型パーテーションのデメリットになります。
施工型パーテーションのデメリットは大きく分けると、設置工事が必要なことから生じる問題、ハイパーテーションの構造による問題の2点です。
ここでは施工に係る問題として施工費用と施工期間を、構造に係る問題として法規制について説明します。
施工型パーテーションのデメリット1:施工費用が掛かる
施工型パーテーションの場合、施工(設置工事)は不可欠です。施工は初期設置に限らないこともデメリットだと言えるでしょう。
オフィスレイアウトの変更によるパーテーションの移設時や、メンテナンスでパネルを交換する時、撤去する際も工事業者に施工を依頼する必要がありす。
また、既存の照明設備や空調設備とパーテーションが干渉してしまい、設置工事が予想外に大掛かりになったケースもあります。
施工型パーテーションのデメリット2:施工期間中は使用できない
パーテーションの設置は一工程であるため、造作壁に比べて工事に時間は要しません。しかし、大規模なパーテーションの設置や独立空間の場合は、工事に相応の時間がかかります。
施工期間中は、工事エリア及び周辺は使用できませんし、騒音や作業員の出入りなどで他のスペースでの執務が難しくなる場合もあります。
それを避けるために事務所が休日の間や、深夜帯に工事を行うのが一般的ですが不自由さは付きまとうでしょう。
施工型パーテーションのデメリット3:消防法に引っ掛かる場合がある
パーテーションには、欄間が「空いているもの」と「空いていないもの」の2タイプがあります。欄間が空いていないタイプで空間を完全に仕切った場合、消防法上では「部屋」とみなされます。
消防法では、各部屋に火災警報器やスプリンクラーの設置が義務付けられています。
また工事の7日前までに「防火対象物工事等計画届出書」を消防署に提出する義務があります。消防法に抵触しないように事前に確認しましょう。
オフィス用パーテーションを使用し機能的で新しいレイアウトを検討しよう!
パーテーションは、仕事の能率を高められ、プライバシー保護やセキュリティ対策などにも役に立つアイテムです。
オフィス用パーテーションを使用することで、フロアの動線を整理して明確にでき、機能的なフロアレイアウトの実現につながります。
最近ではパーテーションのバリエーションも多様です。最新のカタログを取り寄せて調べてみてください。それらを上手に活用して斬新なレイアウトを考えてみましょう。