オフィスの壁を作る・変える際の手順6つ|壁の種類についても紹介!
- オフィス移転
- 2021/01/20
目次
オフィスは壁の印象で変わるのか?
オフィスの内装のイメージを変えたいと思った時に、視覚の大半を占める壁は大きな存在感を発揮します。その色や材質は、オフィスの空間の印象をガラリと変える要素になってくるのです。
例えば、壁紙が汚れているなど古い材質になっていると古さを感じるオフィスになりますし、暗い色使いがされていると、どんよりとした雰囲気を醸し出します。反対におしゃれで素敵な材質を使うことで、新しい快適な環境下のような印象を与えることも可能なのです。
オフィスの壁は白という印象が一般的かもしれませんが、その空間に合った壁紙を選ぶことでその部屋にあった印象を与えることができ、社員のモチベーションに繋がるのです。
オフィスに使われる壁の種類とは?
オフィスに使われる壁の種類は、造作壁とパーティションが一般的です。ここでは、それぞれの特徴と仕上げ材について紹介していきます。自分のオフィスにはどちらのタイプがいいのか悩んだ時の参考にしてみてください。
1:造作壁
支柱となる鉄筋をたて、その上に石膏ボードで貼り付けた壁のことを「造作壁」と呼びます。仕上げ材の種類が多いので、希望するデザインを柔軟に再現し、理想の雰囲気を演出することができます。
しかし、複数の工程が必要になるので施工完了までに時間がかかってしまいます。また、後付けの壁になるのですが1度設置してしまうと簡単に移動や変更ができず、取り壊して作り直すしかありません。
壁紙
一般的な壁には壁紙を想像するのではないでしょうか。住宅などでも用いられているので、非常に身近な素材だといえます。オフィスに使われるのは白というイメージがあるかもしれませんが、壁紙にもいろいろな種類があります。
木目や大理石調など種類が豊富なので、こだわりがある方でもぴったりのものを見つけられます。比較的低コストで施工ができるので、予算を抑えたい場合にもいいかもしれません。
ガラス
照明と組み合わせることで光沢や反射を利用して、高級感や洗練された空間に仕上げることができるのがガラスです。おしゃれさが前面に押し出されたようなデザインになるので、エントランスに用いられることが多いです。
スペースを広く見せてくれる効果もあるので、狭さを解消したい時に使うのも効果的です。透明だけでなく、半透明やカラーを入れることもできるのでデザインの幅が非常に広いのが特徴です。
木材
温かみのある木材を使うことで、スタイリッシュでカントリー調の空間を演出することができます。腰壁として利用すると個性が出るので、オフィスとしてのおしゃれさも増すことでしょう。
しかし、ほかの素材と比べると高額になる傾向があるので、全体的に張るよりもアクセントとして用いたほうがいいかもしれません。
タイル
タイルを作るのに使われている原料や焼き入れの湿度の差によって、さまざまな印象を与えることができるのが特徴です。ほかの素材と比べると、立体感のある仕上がりになるため高級感のある雰囲気を演出することができます。
大部分に使わなくてもちょっとしたスペースに施工すれば、迫力のあるオフィスに仕上がることでしょう。高級感や立体感のある空間に仕上げたい方におすすめです。
グリーン
グリーンというのは、壁を利用して植物を配置することを指しています。配置方法も置くだけでなく、つるすなど埋め込むこともできるのが特徴です。
オフィスにグリーンを取り入れることで、空気環境を快適にするなど視覚からくる疲労を軽減する効果があります。また、企業イメージをさわやかで快適な印象にすることができるのもポイントです。
2:パーティション
パーティションは一工程で施工が完了するので、時間をかけずに完成させることができます。さらに、解体や再施工が可能な点が魅力的です。一部を解体して必要な部分を増設するなど、使っているパーティションを解体したのちにどこかで使うこともできます。
カラーや仕上げ材は種類も増えてきているので、組み合わせによっておしゃれな空間を演出することができます。しかし、遮音性が低かったり曲線などのデザインができないことが懸念点です。
アルミ
アルミでパーティションを作るので、比較的安価で施工が可能なうえ、薄くて軽量なのでオフィススペースを広く使うことができます。また、解体や組み立てが簡単なので短い時間での施工が期待できます。
しかし、防音性の面ではあまり優れていないので、会議室や個人情報にかかわる部屋に使うのは避けたほうがいいかもしれません。
スチール
石膏ボードが入っていることが主な特徴であるスチールパーティションなので、防音性に優れた壁を作ることができます。会議室や情報を取り扱う部屋には、選ばれがちな素材といっても過言ではありません。
また、デザインも豊富なのでモダンな雰囲気や木目のものなど、希望通りのデザインに仕上げることが可能です。
ガラス
パーティション施工でも、ガラスをデザインに取り入れることができます。光や視線を遮ることなく空間を仕切ることができるので、通常の壁よりも明るく広い印象を与えることができるでしょう。
また、曇りガラスにするなど種類も豊富なため、空間によってガラスを使い分けることもできます。
しかし、ガラスであるがゆえに割れやすいというのは避けられません。何かの拍子でひびが入ってしまったり、割れてしまったりすることも考えておきましょう。
オフィスの壁を作る・変える際の手順6つ
オフィスの壁を作ったり変更したりするときに、踏むことになる手順について解説します。手順を先に把握しておくことで、スムーズに変更を完了させることができるでしょう。壁の変更や作成を検討している方は参考にしてみてください。
1:壁を作る・変える場所を明確に決める
どこの壁を作りたいのか・変えたいのかは明確に決めておきましょう。例えば、「エントランスのこの部分の壁を変えたい」や「休憩スペースの壁を作りたい」など、具体的にどの部分を変えたいのかを考えましょう。
レイアウトを決める際に、どんな空間にしたいのか、どういう効果が欲しいのかを決めづらくなってしまいます。
また、その際にはどうして変えたいのかの目的まで考えておくといいでしょう。ビジョンを始めに決めておくことで、その後の作業をブレることなく進めていくことができます。
2:どのような壁にするのかイメージを固める
どんな壁にしたいのかを決めていくときには、コンセプトを考えておいたほうがいいでしょう。「コミュニケーションが取りづらいので見通しのいいオフィスにしたい」「快適でさわやかな空間を演出するために緑を取り入れたい」など、どう変えたいのかを明確にしておきましょう。
3:オーナーに許可を取る
賃貸オフィスの賃貸契約書には、ほとんどの場合「内装工事を行う場合にオーナーの許可が必要」との記載があります。許可を取らずに工事を行ってしまった場合には、契約違反になってしまうので注意してください。
許可を取るのに必要なのは、工程表や工事の詳細がわかるような書類などです。提出書類はオーナーによって変わってくるので、何を提出したらいいのかは直接確認したほうが望ましいでしょう。
4:予算を決める
壁を作成・変更するのに使える予算があらかじめ決められている場合もありますが、先に業者に見積もりを出してもらった中で予算を決めていく方法もあります。
業者に見積もりをもらってから予算を決めたほうが、具体的な数字を知ることができますし、プロの意見も取り入れることができるので、出来上がりに満足できることでしょう。
5:見積もりを依頼して比較する
業者によって仕上がりや金額が変わってくるので、大切な業者決めのために何社かの見積もりを依頼しましょう。金額だけではなく、業者の雰囲気やサービス内容まで確認します。アフターフォローやオプションなどのサービス内容に着目することが重要です。
6:デザインやスケジュールを決める
ここまで来たら、デザインの決定と具体的なスケジュールを決めていきましょう。デザインは初めに決めたコンセプトが守られているか、今のオフィスの問題点を解決できているのかを判断します。
また、スケジュールに関しては実施日までに必要になる作業を考慮しながら決めていきましょう。社員にはどのように告知するのか、荷物の運び出しはいつするのか具体的に「いつ何をやるのか」を決めておくとスムーズに施工日を迎えられます。
アクシデントがある可能性も考慮しながら、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
オフィスの壁をパーティションにする場合のチェックポイント
オフィスの壁をパーティションにすると決めた場合に、チェックしておきたいポイントについて解説します。法律で守らなくてはいけない事項などもあるので、希望のデザインを実現するためにも確認を怠らないようにしましょう。
1:パーティションを設置する間取り
レイアウトしやすい間取りかどうかはきちんと確認しておきましょう。パーティション工事では、設置距離が近いほど費用負担が少なくなります。そのため、3面よりも2面を設置するほうがコストを抑えられるのです。
余計な間取りを減らすことで、費用を抑えてパーティションの設置が実現できるので、本当に必要な場所なのかをしっかり検討しておきましょう。
2:エアコンがある場合の設置方法
エアコンと仕切りが重なってしまうと、工事ができなくなってしまいます。エアコンの場所を把握し、そこを避けるように間取りを考える必要があります。各個室には空調が必要になってくるので、個室内に1つ入るレイアウトを考える必要があるでしょう。
3:エアコンを新たに設置する場合の費用
各個室に空調が必要になってくるので、エアコンのない個室を作ってしまった場合には新しく設置する必要があります。業務用のエアコンを設置するためには、種類にもよりますが10~30万程度が相場だと言われています。
ただ、床に置くタイプや一般家庭によくあるような壁に設置するタイプになると3~5万円で購入できるので、費用を抑えたい場合には検討してみてもいいかもしれません。
4:火災報知器がある場合の設置方法
消防法では「オフィスの各部屋に火災報知機を設置すること」と義務付けられています。そのため、新たに壁を作った空間内に火災報知器がない場合には、新しく増設しなくてはなりません。
工事にかかる費用を抑えたい場合には、火災報知機の位置を考慮しながら設置する必要があります。
5:工事を行える日時
パーティションを設置するための工事は、特殊なくぎを打ち込むことになるため大きな音が出てしまいます。
そのため、土日や夜間・早朝などは周囲に配慮した時間に工事を行ったほうが望ましく、業者の方でも工事の日時指定があります。会社が休みの日で、お昼の時間帯に工事をしてもらうことを意識して日時を決定しましょう。
6:原状回復する場合の費用
原状回復とは、店舗やオフィスを借りて退去する際に、借りる前のもとの状態に物件を回復することを意味しています。パーティションを設置するとくぎを打ってしまった跡や廃材が発生してしまうので、退去する際に原状回復するための費用が掛かってしまいます。
一般的な原状回復費用の目安は、オフィスを改造した際にかかった工事と同じ金額がかかると言われています。この費用が不明な場合には、坪単位で目安にする場合もあります。
もし防音性を重視しない場合には、施工型パーティションでない仕切り型を考えてみてもいいかもしれません。
オフィスの壁の素材やデザインのイメージを固めておこう
オフィスに入ったときに視界の大半を占める壁を変えることで、与える印象や機能が変わってきます。素材やデザインを工夫するだけでも、働く環境が快適に感じられたり、企業のイメージアップにつながったりします。
素材やデザインのイメージは組み合わせ次第でいろいろなパターンが生まれるので、コンセプトを決めてブレないように固めておくことが重要です。今よりも働きやすい環境を作るために、壁の変更を検討してみてもいいのではないでしょうか。