リモートワークの評判とは?働き手と企業における利点と欠点をご紹介!

田中 陸(Riku Tanaka)

目次

  1. リモートワークとは?
  2. 働き手におけるリモートワーク導入の評判総合10選
  3. 企業におけるリモートワーク導入の評判総合9選
  4. 働き手がリモートワークをするために必要なこと
  5. 企業がリモートワークをするために必要なこと
  6. リモートワークの評判について知ろう!

リモートワークとは?

リモートワークとは従業員が会社以外の遠隔の場所で業務を行うことを意味します。働き方改革の一環として導入に踏み切る企業も増えています。


「リモート(遠い)ワーク」は、「テレ(離れた所)ワーク」から派生した言葉で意味合い的にもほぼ同じです。テレワークが個人的な仕事のやりとりであるのに対し、リモートワークはチームで仕事を行う場合に使われることの多い言葉です。


リモートワークはテレビ会議やチャット、メールなどのツールを利用してコミュニケーションをとることで、場所にとらわれず業務を遂行できます。


リモートワークの発展に伴って、仕事の拠点を転々とするノマドワークや、自宅を職場とする在宅勤務など様々な働き方をする人が増えています。


また直接会わずにリモートワークのみで外注作業を行うクラウドソーシングも増えていくなど、今後ますますの活用が見込まれている技術です。

働き手におけるリモートワーク導入の評判総合10選

場所を選ばないリモートワークは、従来の出社してから業務に携わる働き方とは勝手が異なり、それに伴うメリットやデメリットが存在します。


そして多くの企業でリモートワークが導入されはじめたことで、働き手側からも企業側からも良い評判、悪い評判、メリットやデメリットが語られるようになってきました。

働き手におけるリモートワーク導入の利点5選

リモートワークは働き手にたくさんのメリットをもたらします。その最たるものは場所を選ばず仕事環境を自分で整えられることで、それによって様々な恩恵が得られます。


働き手におけるリモートワーク導入の利点について、5つをピックアップしてご紹介します。

1:仕事のペースを自分でつくれる

オフィス勤務では自分の他にもたくさんの人がいるため、いざ集中しようとしたときに声をかけられたり、電話や来客によって思ったような時間がつくれなかったり、自身の作業を妨げる要因があります。


また話声や物音、他人の視線などで集中が途切れてしまう人にとっては、リモートワーク中の自分ひとりで作業と向き合える時間は大きなメリットといえます。


自分のペースで仕事を進められるので仕事がはかどるというメリットがあります。

2:好きな環境で働ける

リモートワークはインターネット環境さえあれば作業を行えるため、特定の作業場所にとらわれる必要がありません。


自宅、カフェやカラオケボックス、コワーキングスペースなど、それぞれの働き手にとって作業効率の良い環境やストレスのない環境を選択できます。


またオフィスの所在地に影響されないため、従来であれば勤務に時間がかかるなどで選択できなかった場所を拠点にできるのが助かるというメリットもあります。

3:育児や介護と両立ができる

小さな子供や介護の必要な家族がいる働き手にとって、リモートワークは高い評判を得ています。子供を保育園に預けることができない場合や、在宅介護を行っている場合は、リモートワークは非常に助かるでしょう。


育児や介護が必要な相手の側で仕事をすることで、空いた時間や緊急時の面倒をみられることから、安心して働けます。

4:時間にゆとりができる

パソコンを起動してすぐに業務を開始でき、パソコンを閉じれば自分の時間に戻れることから、リモートワークになったことで時間の有効活用もできるようになったというメリットがあります。


仕事の時間と自分の時間を明確に区分けできるため無駄な時間もなくなり、そうしたメリハリから時間を大切に使えるようになり、ゆとりが生まれます。

5:通勤の必要がなくなる

毎朝、電車通勤などをしている人からは、通勤の必要がなくなるリモートワークのメリットは他のなににも代えがたいというほど好意的な評判も出ています。


一日の何割かを通勤時間として消費している人であれば、リモートワークで通勤がなくなることで浮いた時間を有効に活用できます。


通勤にかかる時間がなくなるだけでなく、朝、夕のラッシュで体力や気力を失うこともなくなるため作業効率が上がったというメリットもあります。

働き手におけるリモートワーク導入の欠点5選

ここまではリモートワークが働き手にもたらすメリットを紹介してきました。もちろんリモートワークの評判がすべて好意的というわけではありません。


ここからは働き手におけるリモートワーク導入の欠点を、5つピックアップしてご紹介します。

1:自己管理能力がないと生産性が上がらない

上司や他人の目がないリモートワーク環境での仕事は、自分で自分を律する必要があります。そのためオフィスでの勤務以上に自己管理能力や時間感覚が大切になってきます。


誘惑に弱い人や大事なことを後回しにしてしまう人にとって、リモートワークの自由な勤務形態は生産力を落としてしまう原因になります。

2:通信環境がないと仕事ができない

場所や環境を選ばずに仕事のできるリモートワークですが、同時に通信環境がないと働けないというデメリットが存在します。


不慮の事態で通信環境を喪失するなどにより、仕事ができなくなるというリスクがあります。


そのため近隣にある通信環境の整備されたカフェやコワーキングスペースを調べておくなど、普段使っている通信環境がなくなった場合の代替案を考えておく必要があります。

3:孤独からのストレスを感じやすくなる

普段からオフィス勤務に慣れている人にとって、リモートワーク環境がストレスをもたらすこともあります。


他人の進捗がわからない、自分だけが働いている、会話がなくて寂しい、などの思いがストレスとなり、勤務意欲や作業効率を落としてしまいます。


こうした孤独からくるストレスは、リモートワーク従事者が集うコワーキングスペースを活用するなど孤独を感じにくい環境に身を置くことで軽減できます。

4:仕事とプライベートの区切りが難しい

リモートワークによって自宅でもオフィスのように働けるようになったことで、プライベートでも仕事中のような気分になってしまうという評判もあります。


いつでもどこでも仕事を出来ることから、仕事に熱中しすぎてしまう人や気分の切り替えが苦手な人にとっては、仕事とプライベートの分別がつかなくなるというデメリットが存在します。

5:労働時間が長くなる

出社時間が必要なく仕事が効率的に進められると評判のリモートワークですが、労働時間が長くなったという評判も見受けられます。


勤務中の様子ではなく成果物によってしか自分の仕事を証明できない不安から働きすぎてしまったり、顔をあわせないことによるチームのコミュニケーション不全による効率の低下が原因の場合があります。

企業におけるリモートワーク導入の評判総合9選

ここまでは働き手側の評判でしたが、ここからは企業側のリモートワーク導入によるメリット、デメリットや評判をご紹介します。


働き手側と同じように、企業側もリモートワークという新しい働き方には様々なメリットやデメリットを感じています。

企業におけるリモートワーク導入の利点5選

まずはリモートワークを導入した企業側の利点をご紹介します。


業種や業態によって得られるメリットは様々ですが、そのなかでも特に声の多かった利点は以下の5点です。

1:生産性が上がる

適切なリモートワーク制度の導入による社員のモチベーション向上が企業にとっては大きなメリットとなります。


社員のワーク・ライフ・バランスが向上することで、勤務意欲も増し、結果的に生産性が向上したという評判があります。

2:オフィスに関する費用を減らせる

企業が利益率を高めるためにはコストの削減が課題となります。


従来の働き方では社員ひとりひとりにデスクを用意し、規模に見合った会議室や応接室、休憩室などを用意する必要がありました。


リモートワーク導入によって出社する社員を減らすことで、より省スペースの賃料の安いオフィスに引っ越せるなどにより、オフィスコストを大幅に削減できます。


また通勤手当などのコスト削減も見込めます。

3:社員の満足度が向上する

企業を支える社員の満足度が向上することはリモートワークにおける大きなメリットのひとつです。


通勤のストレスがなくなることや、就業時間のバランスが調整できること、有休休暇のとりやすさなどに満足感を覚える社員が多いようです。

4:スキルの高い人材を確保できる

企業側にもたらされるリモートワークのメリットのひとつに離職率の低下があげられます。


結婚や出産、転勤や介護などプライベートの都合により離職せざるを得なかった人材が継続できるため、スキルの高い人材を確保しやすいというメリットにつながっています。

5:緊急時の対応ができる

企業がリモートワーク導入に踏み切った要因のひとつに、中小企業庁が策定するBCP(事業継続計画)対策があります。


BCPとは自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に際し、損害を最小限にとどめつつ事業の早期回復を可能とするための計画です。


平時からリモートワークを導入しておくことで、緊急時にオフィスが使えない・社員が出社できないなどで業務が完全に停止してしまうリスクを分散できます。

企業におけるリモートワーク導入の欠点4選

企業がリモートワークを導入することには大きなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。


ここからは企業のリモートワーク導入で生じたデメリットのなかで、特に話題に上ることの多かった4点をご紹介します。

1:コミュニケーションが不足する

リモートワークによって個人の生産性は向上する傾向にありますが、チームの生産性には課題が残るという声が多く見受けられます。


チームの生産性の低下は非対面コミュニケーションによる連携不足によるものが多く、文章を考え、入力し、返事を読み解くというプロセスによる誤解や不備、タイムロスがその原因のひとつにあげられます。

2:生産性の管理が難しくなる

リモートワークでの勤務は勤務地が社員それぞれ異なるため、適切に管理するためには従来とは異なる能力やスキルが必要となります。


社員の作業履歴やWebカメラによる管理など煩雑な操作が必要なことから管理者の負担が増えると同時に、社員それぞれが生産性を維持できているのかも個人の資質に依存する部分が多いのが課題です。

3:社員の評価が難しくなる

勤務態度や勤労意欲、仕事のプロセスや成果、他者とのコミュニケーション能力など、社員を評価する基準は企業ごとにありますが、リモートワークではそうした能力の評価が難しくなることも問題のひとつです。


リモートワークでは社員の評価が成果物に依存してしまうため、業務遂行能力以外の評価が困難になります。

4:会社への帰属意識がなくなる

リモートワークの導入で社員間の空間の共有やコミュニケーションがなくなることで、会社への帰属意識が薄くなることも問題視されています。


帰属意識の低下は離職やモチベーションの低下、目的意識の不一致につながるため、長期のリモートワークにおいては会社やチームへの帰属意識を高めるための試みが必要となります。

働き手がリモートワークをするために必要なこと

生産性の高いリモートワークを行うために働き手が留意すべきことは主に3点あります。


1点目は安定したインターネット環境です。リモートワークの生命線であるインターネット環境は、普段の勤務地はもちろん緊急時に利用できる場所も確保しましょう。


2点目は適切な自己管理です。勤務環境や勤務時間、休憩時間などをしっかり律せられないと、低い集中力で時間ばかり浪費することになりかねません。


3点目は仕事とプライベートのメリハリです。プライベートを楽しみすぎて仕事をおろそかにしたり、逆に仕事に集中するあまり休まず働くことで長時間労働にならないように気を付けましょう。


インターネット環境の安定化、適切な自己管理、仕事とプライベートのメリハリの3点をしっかり意識することが、効率的なリモートワークの秘訣です。

企業がリモートワークをするために必要なこと

企業がリモートワークを導入する際に特に気を付けるべき点は以下の2つです。


1点目は適切なツールの導入です。社員の勤務時間や生産性を管理できるシステムと、それを運用できる管理職の育成が不可欠になります。


2点目はコミュニケーション手段を策定することです。リモートワークではコミュニケーション不全によるチーム全体の生産性低下が課題になるケースが多いため、あらかじめそうした事態に陥らないための手段を決めておく必要があります。


ツールの導入とコミュニケーション手段の策定が、企業が効果的なリモートワークを導入するためのポイントになります。

リモートワークの評判について知ろう!

以上が働き手や企業からみたリモートワークの評判やメリット・デメリットになります。


適切に運用されたリモートワークは、それまで削減することが難しかった時間的コストや維持管理コストを大幅に下げられ、緊急時のリスク分散にも大きく寄与します。


その一方で効果的な運用を行うためには、いままでにはないシステムやスキルが必要となってきます。


リモートワークの評判は賛否両論ありますが、導入や課題の改善に積極的な企業が多く、新しい働き方としてますます発展していく分野になるでしょう。

監修

執筆者
田中 陸(Riku Tanaka)
経歴
東京大学経済学部卒業後、住友不動産入社。オフィスビルのアセットマネジメントを担当し、海外事業部にて世界主要都市の市場調査や投資検討に従事。 estieでは、セールスマネージャーとして営業や事業開発を手がける。 ベンチャー感を出すため、ヒゲと伊達眼鏡をトレードマークにしている。
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