テナントに入居するには?テナントに入居する際の4つの手順と注意点を解説
- オフィス移転
- 2021/02/01
テナントとは?
テナントとは、土地や建物を借りる人のことを指します。そのため、ビルの空きオフィスやショッピングセンターの空き店舗、空き倉庫などにテナント募集という貼り紙が貼られているのは、その事務所や店舗を借りてくれる人を募集しているということです。
テナントの本来の意味であれば、借りる物件は必ずしもオフィスや店舗、倉庫である必要はありませんが、一般的にテナントは事務所や店舗の借主のことを指します。また、テナントを借主ではなく、物件のことを指す場合もあります。
テナントの種類3つ
テナントは一般的には店舗やオフィス、倉庫などの借主、またはその物件のことを指します。これらテナントは内装の作りが店舗やオフィスなど、あらかじめ目的に合わせた物となっていることが多いです。
そのため、テナントの入居を検討する際には、テナントにはどのような種類があるのかを把握して、目的に合わせたテナントを選べるようにしておかなければなりません。
店舗
店舗は飲食店や小売店、美容院などのような不特定多数の来客を目的にした物件となります。店舗の場合は立地が非常に重要となります。
そのため、ビル内や商業施設内、路面店などのテナントが持つ特徴と開業する店舗の特徴を一致させる必要があります。
また、飲食店の開業を目的としてテナントを探す場合は、前の借主が厨房機器や電気、ガス、水道などの設備をそのままにして退去している居抜き物件を選べば、開業コストを大幅に削減することができます。
倉庫
テナントと言えば店舗やオフィスをイメージする人も多いですが、倉庫もテナントとなります。倉庫では主に荷物や商品などを保管するために使います。
ただし、倉庫には平屋型や多層階型、底床式や底床式などがあり、これらはそれぞれ持っている特徴が異なります。そのため、倉庫は広さや立地などだけでなく、扱う荷物や商品によってこれらの条件も入居するテナントを選ぶ条件に含める必要があります。
オフィス
オフィスでも来客はあるものの、店舗のように不特定多数の来客はありません。そのため、内装や設備などにこだわる必要がありません。
ただし、業務に支障が出ない広さを確保することや、個人情報や機密情報などを扱う場合にはセキュリティ面を重視することなどが必要になります。
本記事では、以下よりのテナントはオフィスのテナントのことを指します。
テナントの入居する際の手順4つ
入居したいテナントを見つけることができれば、契約をして入居の準備を進めることになります。ただし、テナントの場合は住宅のように簡単に入居ができるわけではありません。
そのため、テナントへの入居を検討する際には、どのような手順が必要となるか、事前に把握しておく必要があります。
1:テナント契約の申込書を出す
テナントの入居を希望する場合には、まずテナント契約をするための申込書を提出します。その申込書には申込者の氏名、住所、電話番号などの基本情報だけでなく、収入や連帯保証人などの記入が必要となる場合もあります。
収入や連帯保証人が必要となるのは、テナントの賃料が基本的に高額なので、その支払いを継続できるかを確認するためです。
2:その他の必要書類を出す
テナントに入居するためには、まず申込書を提出します。また、事業内容や財務状況を確認するために会社の登記簿謄本や決算書、会社案内なども提出することになります。
これらを提出することで、テナントをどのように利用するのか、継続的に賃料を支払っていくことができるか、入居する企業が反社会勢力との関係はないかなどを確認されます。
もし、新しく事業を始めるためにテナントに入居しようとしていて、実績がなくて決算書や会社案内などが提出できないという場合には事業計画書や運営資金などを確認されます。
3:オーナーと面談をする
場合によっては物件のオーナーと面談が必要になる場合もあります。面談を行うことで、どのような人がテナントを借りようとしているのか、その人の人柄や、事業は継続していけそうか確認するために事業計画を聞いたりします。
4:結果の通知が来る
書類の提出や面談が終われば、それらの情報をもとにして審査が行われます。審査に無事通ることができれば正式に契約を交わして入居の準備を進めることができます。
ただし、場合によっては連帯保証人を追加したり、家賃保証会社の加入を求められたりなど、条件の追加を求められることもあります。
また、審査の目安は1週間ほどなので、1週間以上経っても連絡がない場合には不動産会社に確認の連絡をするようにしましょう。
テナントに入居する際の注意点4つ
テナントは契約内容が複雑です。そのため、テナントに入居するのであれば、契約前に注意しておくべき点があります。もし、それらの注意点を把握しておかなければ、後にトラブルとなってしまう可能性もあります。
1:設備の不具合を確認する
テナントも住宅を借りた場合と同様に、退去する際には原状回復を行う必要があります。原状回復とは、テナントを退去する際に契約前の状態に戻すことです。
そのため、テナントに壁や床、天井などに内装工事をしていれば元の状態に戻し、傷や汚れなどがあれば修繕や清掃をする必要があります。
もし、入居前に壁や床、天井や設備などに破損あった場合は契約前にオーナーと確認しておかないと、入居前から破損していたので修繕の必要の有無でトラブルとなってしまうことがあります。
原状回復についてはトラブルになりやすいので、必ずテナントの状態は最初に確認しておきましょう。
2:契約の種類を確認する
テナントでも住宅でも、物件を借りる際の契約方法には普通借家契約と定期借家契約の2種類があります。
普通借家契約は一般的に知られている賃貸契約の方法で、契約期間を定めて、その期間が終われば更新をするかどうかを決めていきます。
定期借家契約の場合は普通借家契約と異なり、契約の更新ができません。そのため、契約時に決められた契約期間が終了すれば必ずテナントを明け渡す必要があります。
そのため、長くテナントを使っていくつもりであれば、契約方法が定期借家契約となっている場合には注意が必要です。
3:敷金が返還されるか確認する
テナントでは退去時に行う原状回復の工事費用は借主側が負担します。そのため、基本的に敷金は契約が終了すれば返還されます。ただし、契約内容によっては退去時に敷金の数%が差し引かれることもあります。
敷金は賃料の数ヶ月分となっていることが多いので、差し引かれる割合によっては返還される金額が大きく減ってしまうこともあります。そのため、あらかじめどの程度の敷金が返還されることになるか、契約時にはよく確認しておきましょう。
4:原状回復や修復の条件を確認する
テナントも住宅を借りた場合と同様に退去する際には原状回復を行う必要があります。ただし、テナントの場合は住宅の場合よりも、その範囲が広いので注意が必要です。
住宅の場合は経年劣化による破損などは原状回復の範囲に入りませんが、テナントの場合は経年劣化も原状回復の範囲となります。また、綺麗にテナントを使ってきたとしても、壁や床、天井の塗り直しや張り直しなどが求められます。
テナントは原状回復の範囲が広く、その工事費用の負担は大きいです。そのため、契約時には事前にどこまでの原状回復が必要になるか確認しておく必要があります。
テナントの入居審査をクリアしやすい条件
テナントに入居するためには審査をクリアする必要があります。テナントの入居審査で確認される主な内容は、財務状況が明確で十分な売上や収入があることや、本人や連帯保証人の身元が明確であること、企業の業務内容が明確であることなどがあります。
そのため、これらの条件が整っていれば入居審査がクリアしやすくなります。
テナントの入居審査をクリアしにくい条件
テナントの入居審査では主に確認される条件を整えておくことで審査にクリアしやすくなります。逆にテナントの入居審査が通りにくくなってしまう条件もいくつかあります。
その条件には、売上や収入が不十分で家賃に見合っていない、事業計画に無理があり継続的な売上や収入が見込めない、反社会勢力と関わりがある、過去に事件を起こしている、家賃滞納のトラブルを経験している、自己破産をしているなどがあります。
入居中のテナントを調べる方法
ビルや商業施設などのテナントへの入居を検討している場合、同じ建物内に同業他社がすでに入っていれば顧客が分散してしまうリスクがあります。
そのため、テナントは同業他社が入居していないか、現地に行って確かめることも重要です。また、建物の住所がわかるのであれば、ネットでその住所を絶対検索してみましょう。
絶対検索とは検索する際にキーワードを「"」で囲み、そのキーワードと完全一致する結果を表示させる方法です。
もし、その住所の建物に入っているテナントがホームページを持っていれば、その情報を確認することができます。
テナントの入居について理解しよう
テナントの入居は住宅の入居と違い、契約内容が複雑で、事前に把握しておくべきことが多くあります。もし、テナントの入居について詳しく把握しておかないと、後にトラブルの原因となってしまうこともあります。
そのため、テナントの入居をスムーズに行い、成功させるためにも、その手順や注意点などを知っておくようにしましょう。