有楽町イトシアが賑わいをもたらす秘密【必見】歴史から読み解く

田中 陸(Riku Tanaka)

目次

  1. 有楽町イトシアの基本情報
  2. 有楽町の歴史
  3. 丸の内、銀座を結ぶ回遊動線
  4. 賑わいを生み出す「有楽町イトシア」
  5. 終わりに

有楽町駅東側から出ると、すぐに目に入ってくる有楽町のシンボル「有楽町イトシア」。「愛しい+ia(場所を表現する名詞の語尾)」から名付けられた「ITOCiA(イトシア)」は利用する人々にとって“愛しさ”を感じられる街になるようにとの想いを込められています。実際に多くの人に愛される「有楽町イトシア」はオフィスビルとしても交通の要所として通勤に便利なエリアとして人気があり、今回は「有楽町イトシア」がシンボルとしていかに街を魅力的に輝かせているのかを紹介していきます。

有楽町イトシアの基本情報

物件名:有楽町駅前ビルディング(有楽町イトシア オフィスタワー) 所在地:東京都千代田区有楽町2丁目7−1 階数:地下4階・地上21階 竣工:2007年10月 設計:三菱地所設計 延床面積:約75,900㎡(23,529坪) 構造:鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄筋コンクリート造 施工:大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店、戸田建設、ニューリアルプロパティ 駐車場台数:256台 事業主:有楽町駅前第1地区市街地再開発組合 店舗数:45店舗 アクセス: JR山手線「有楽町駅」中央口 徒歩1分 有楽町線「有楽町駅」D7-b出口 徒歩1分 銀座線・日比谷線・丸の内線「銀座駅」C-9 徒歩2分 立地としてはJR有楽町駅の東側に位置しており、有楽町駅、銀座駅、日比谷駅などが500m以内にあります。 主要3駅以外にも徒歩圏で5駅が利用でき、どこの駅からでも駅近なので通勤に便利なエリアですね。また駅直結のため、雨に濡れずに通勤することや館内で飲食、買い物をすることが可能です。

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引用:estie

有楽町の歴史

有楽町の名前の由来は江戸時代にまで遡り、織田信長の実弟で、千利休の生徒でもあった「織田 有楽斎 長益(おだ うらくさい ながます)」の屋敷があったことから由来していると言われています。

江戸時代から200年を経て、有楽町はビジネスの最先端の街として走り出します。多くの大企業が有楽町に拠点を置き、戦後の日本経済の復興、高度経済成長を進めてきました。

また、デパートや劇場、映画などのアミューズメントパークとしても発展し、ビジネスシーンだけでなく、多くの世代、男女問わず往来する街としてあり続けています。

今後の有楽町の開発の計画としては、丸の内と大手町エリアでは2027年の常葉橋プロジェクトまでの期間に特に開発の計画は無いので、その間に古いビル群が立ち並ぶ有楽町を変えていこうというのが次の動きです。

ハード面だけでなく、ソフト面を強く意識し、大企業が多く集まる丸の内、大手町とは異なり、スタートアップ企業などを誘致し、大企業とスタートアップ企業がシナジーを生み出していくことが期待されています。

丸の内、銀座を結ぶ回遊動線

「有楽町イトシア」が開発する以前の有楽町は都心の超一等地でありながら、戦後の土地の細分化、木造建築小売店の密集などの課題があり、早急に解決すべく再開発が求められていました。

1985年に地権者の合意をまとめることができず、計画は一時休止しましたが、1980年に決定された都市計画の「市街地再開発事業」から30年の時を経て、ようやく多くの人が待ち望んだ「有楽町イトシア」を誕生させることができました。この再開発が行われたことにより、丸の内、有楽町、銀座を結ぶ回遊動線が出来上がり、地区全体の繋がりがより強化されました。人の動きの流れは変化し、有楽町から銀座通りへの動きに加え、マロニエ通りにも人が流れるようになり、銀座の東側に新たな軸と機能が発達しました。

賑わいを生み出す「有楽町イトシア」

店舗のエリアは3つの大きなエリアに分かれていて、メインの店舗である「有楽町マルイ」は一番目立つ円弧状の建物の1階から地上8階部分を占めています。ちなみに、占有面積の18,500平方メートルは都心部の同社店舗の中では最大であり、いかに大きいかがよく分かります。 地下部分は「イトシアプラザ」が入っており、再開発事業の地権者の店などを含んだテナントが出店されています。 また地下1階、低層棟、高層棟にかけて「イトシアフードアベニュー」と呼ばれ、27もの食の専門店が存在しています。フードアベニューでは、地下鉄丸の内線から直結する駅前地下広場があり、その道沿いで通勤時などカフェやドーナツ屋さんは非常に賑わいを見せています。 特に「有楽町イトシア」で注目してほしいのは、外との繋がりです。一般的に、テナントが2階以上も入る複合ビルは出入り口をテナントと分け、ビルに一度入ることが先です。しかし、「有楽町イトシア」は各店舗の入り口からビルに入ることができ、路面店として駅前広場の賑わいを生み出しています。

終わりに

「有楽町イトシア」は30年以上もの議論を経て、完成しました。その登場により、大手町、有楽町、銀座までが地下通路で繋がり、地域一帯の動線が強化されました。地上でも新しい貫通道路が誕生し、老若男女問わず幅広いターゲット層を集める有楽町イトシアを中心に、有楽町駅前は人々に愛される街となっていきました。今後も有楽町の再開発が期待されるだけに、有楽町の進化に目が離すことができません。


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監修

執筆者
田中 陸(Riku Tanaka)
経歴
東京大学経済学部卒業後、住友不動産入社。オフィスビルのアセットマネジメントを担当し、海外事業部にて世界主要都市の市場調査や投資検討に従事。 estieでは、セールスマネージャーとして営業や事業開発を手がける。 ベンチャー感を出すため、ヒゲと伊達眼鏡をトレードマークにしている。
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