オフィスレイアウトをパターン別7選から解説!メリット・デメリットも紹介
- 2021/02/24
目次
画一的にデスクが並べられたオフィスだけではなく、オフィスレイアウトの在り方も多様化しています。働き方やオフィスの目的、コンセプトに合わせた最適なオフィスレイアウトが経営戦略に直結します。オフィスのレイアウトだけで社員の生産性が大きく左右されると言われています。
では、オフィスレイアウトにはどのようなレイアウトパターンがあり、どのような特性があるのでしょうか。 代表的なものから人気のレイアウトパターンまで、7つご紹介します
1. 対向式レイアウト
一番スタンダードなレイアウトパターンです。最小のスペースで配置が可能。デメリットを補う為に、ローパーテーション(低い仕切り)でデスク前面もしくは側面を囲うケースも有ります。
特性
・グループワークを必要とする業務向き
対向式の場合、人と人が向き合っているので、コミュニケーションが取りやすい環境を作ることができます。そのため、会議室などによく使われるレイアウトになります。
メリット
・最小スペースで配置可能
・コミュニケーションがスムーズ
・レイアウト変更が容易
・電源、LAN、電話などの配線が容易 部屋の広さによって、レイアウトを調整しやすいのが対向式となります。広めの会議室なら中央部を開けることでスペースや人数の調整も可能になります。
どんな部屋のサイズにも対応可能であり、作業スペースにも会議スペースにすることができるので、ベンチャー企業などにはおすすめのレイアウトです。
デメリット
・プライバシーの確保が困難
・ありふれた配置
デメリットととしては、オフィスととしては特徴のないレイアウトになります。そのため、オフィスの一角としてコミュニケーションスペースだけの利用などに利用などの方法もあります。
プライバシーの問題などは仕切り(パーテーション)などで緩和できますので、そこまでのデメリットにはなりません。
2. 同向式レイアウト
一般的なオフィスではあまりスタンダードではないレイアウトパターンです。特定の提携業務を行う職種には非常に効率的です。馴染みのある所で言えば、学校や塾などの講義室が例に挙げられます。
特性
・銀行店舗、受付業務のある秘書室や作業スペース向き。
来客に対応する場面や、黙々と一人で作業するスペースとして効果が発揮されます。
メリット
・来客に対面するレイアウトが可能。
・ある程度のコミュニケーションとプライバシーが両立可能。
・一線式業務の業務効率が機能的。
メリットとしては、対応業務が効率的であるということですそのため、お客様が相談に来る、銀行、不動産などでよく用いられるレイアウトになっています。また、学校などでも、1対多数の生徒に対して効率よく教える、監視するという面で機能的なレイアウトになっています。
デメリット
・スペース効率が悪い
・管理、監視の色合い強い
・部署内のコミュニケーションが取りづらい
デメリットとしては、同一方向を向いているので、コミューニケーションが取りづらい側面があります。したがって、会議室などグループワークには向いていないレイアウトになっています。
また、動線の確保が必要になるので、スペース効率が悪いということもデメリットとなります。
3. 左右対向式レイアウト
隣同士のデスクを左右逆行させたレイアウトパターン。間にローパーテーションやキャビネット、サイドテーブルなど挟みこむアイテムを変えることでメリットの汎用性が高くなります。
特性
・管理職や思考・創造性の高い職業向き
こちらのレイアウトはすぐに自分の荷物に手が届き、自分好みの仕事スペースを作れるような自由度の高いものになっています。
メリット
・プライバシーの高い配置
・キャビネットを挟めば個人収納量が増える
・サイドテーブルを挟めば作業スペースが増える
メリットとしては、仕切りを挟めば、プライバシーの高い個人スペースを作り出すことができます。また、間にロングテーブルやキャビネット入れることで、作業スペースの拡大もすることができます。
デメリット
・余剰収納が発生し煩雑になる可能性がある
・コミュニケーションが取りずらい
収納スペースなどがしっかりあることはメリットでもあり、デメリットにもなりえます。スペースを使いきれなければ、無駄遣いになりかねないので社員のアンケートは必須でしょう。また、コミュニケーションスペースとしては不適なので気をつける必要があります。
4. 卍型レイアウト
4台1組のデスクを卍型にレイアウトしたパターンです。
特性
・個人執務が中心となるセクション向き
一人一人が自身の仕事に集中しやすいように、4台のデスクを全部違う方向に設定されています。
メリット
・目線が合いにくく、ある程度のプライバシーが確保できる
・集中して作業可能
・近接なコミュニケーションが可能 対向式レイアウトと異なって、人の目線を気にすることなく業務に取り組むことができます。コミュニーケーションとしては自分の左側の人に対してはある程度のコミュニケーションが可能な位置となっています。
デメリット
・スペース効率が悪い
・レイアウトの自由度が低い 対向式レイアウトと比較すると、スペースの効率は悪くなってしまいます。また、4台1組が基本であり、レイアウトとしての自由度は高くありません。
5.リンク式レイアウト
テーブルを挟んで多角方面にアメーバ状に発展させた配置です。
特性
・フレキシブルなワークスタイルに対応できるレイアウト
多角形式のレイアウトは自由度の高いレイアウトが特徴となります。デスクの台数を増やしても、対応可能なので非常に使いやすいレイアウトになっています。
メリット
・目線が合いにくい
・集中して作業が出来る
・斬新なレイアウト メリットととしては、オフィスとしてレイアウトの幅を広げてくれます。対向式レイアウトと組み合わせることで様々な社員の要求に広く応えるレイアウトを可能にしてくれます。
デメリット
・スペース効率が悪い
唯一のデメリットととしては、スペースを広く取ってしまうことです。上記の図のようなデスクを使用すると、デスクの台数が多くなると中央スペースが大きく空いてしまうので、そのスペースをいかに効率良く使用できることが重要です。一方、台形のデスクを組み合わせて使用すれば、スペースは十分に効率化できますので、リンク式レイアウトはおすすめのレイアウトです。
6.ベンゼン・背面型レイアウト
背中合わせの1組をユニットとして扱うレイアウトパターンです。前面をローパーティションで仕切ればよりグループ間のプライバシーが保てます。
特性
グループ作業や個人作業の万能型レイアウト
このレイアウトはオフィスのスタンダードな形ではないでしょうか。一人一人の作業スペースとしても効率的ですし、社員との距離も近くコミュニケーションとりやすい万能型のレイアウトになっています。
メリット
・背合わせの中央にミーティングテーブルを置くとコミュニケーションが容易になる。
・スペース効率が高い
・集中して作業ができる
レイアウトとしては総合的に機能性の高い形となっています。スペース効率も高く、真ん中も自由度がある程度保証されいることもメリットです。
デメリット
・ユニットを超えたコミュニケーションが取りずらい
唯一のデメリットとしてはユニット毎に別れたレイアウトとなってしまうことです。部署毎にこのレイアウトを取り入れると、部署同士の横のコミュニケーションが希薄となる可能性があります。
7.フリーアドレス型レイアウト
社員が個々の自席を持たず自由に働く席を選択できるオフィススタイルで、昨今主流になりつつあるレイアウトパターンです。
特性
・自席にあまりいない営業職や会議が多い企画職の職種向き
最近のIT企業など多くの会社が採用し始めたフリーアドレス型レイアウト。コミュニケーションなどの部分で悩んでいる会社は取り入れてみることを考えてみてもいいかもしれません。
メリット
・コミュニケーションパフォーマンスが高くなる
・スペースソリューションに繋がる
・コラボレーションの促進
・チーム編成が容易
・決断のスピード
・環境美化
・省スペース化
スペースの自由度が高いので、オフィスが広く、快適なスペースと感じることができます。また、1日毎に違うスペースで仕事をやることによって、新鮮な感覚で仕事に取り組むことができます。また、異なる部署でもコミュニケーションの機会があったりと多方面の価値観に触れ、仕事のパフォーマンス向上の期待もできます。
デメリット
・適度な距離感を保てない
・組織の中でのアイデンティティロス
・集中しにくい
・ルールの浸透不足
・固定の場所になりがち
・従来のマネージメント方式では対応しきれない
デメリットととしては、フリーアドレス式ならではの独自のルールや仕事に集中できる環境であるのかは確認しておく必要があります。机や椅子の不足や、作業スペースの不足などがあればオフィスとしての機能としては本末転倒になりかねません。
最後に:オフィスレイアウトから組織を見る
今までエントランスや会議室など来客エリアを重視していたオフィス作りも社員向けに変わり、いかに社員の生産性が上がるスペースをそろえるかが注目されるようになりました。 オフィスレイアウトを検討するにあたって重要なことは、自社に合った働きやすいオフィスレイアウトは何か?を常に考え、改善に努めることです。 「今までと同じでいい」「なんとなくこの形が好き」という考えだけではなく、ビルのサイズやスペース効率なども考慮したうえで、新しい働き方に合わせた最適なオフィスレイアウトを考えていく必要があります。 一度配置をしてしまうと変更が難しいオフィスレイアウトですので、オフィス移転時には将来的な働き方の変化も視野に入れフレキシブルなオフィスレイアウトを検討していくことをおすすめします。