エキサイトHDが麻布台ヒルズ森JPタワーに本社移転

2025/04/18

エキサイトホールディングス株式会社（東証スタンダード：5571）は、2025年4月14日、本社を港区の「麻布台ヒルズ森JPタワー」27階に移転した。新本社では、グループ全体のコミュニケーション促進と生産性向上、ならびに他社との共創を視野に入れたオープンな拠点づくりを進める。

同社は、1997年に伊藤忠商事と米国Excite, Inc.の合弁により、「エキサイト株式会社」が設立されたことを起源とし、日本におけるインターネット黎明期からポータルサイト事業を展開してきた。現在のエキサイトホールディングスは、2018年にMBOにより伊藤忠グループから独立する形で体制を刷新し、2022年7月に持株会社体制へ移行。従来のポータル事業に加え、SaaS・DX支援、オンラインヘルスケア、インフラ（ブロードバンド）などを主力とする複数の事業子会社を傘下に持つ。

同社は事業拡大とそれに伴う採用強化を見据え、オフィス環境を整えることで社員同士の交流を促進するほか、外部パートナーや顧客との連携機会の創出を重視した。新オフィスにはイベントスペース「EXCITE HUB」を新設し、リアルな出会いを通じた新規事業やコラボレーションの加速を図る。この本社移転は、同社が今年2月に発表した2025～2028年度の中期経営計画「EXCITE 300」とも連動する施策だ。現在およそ90億円の売上高を155億円まで拡大する計画であり、主力のSaaS・DX支援事業やオンラインヘルスケア事業の拡大を柱に据えている。2024年3月時点で連結従業員数は177名だが、採用強化により増加することが見込まれている。

麻布台ヒルズでは、2024年末から2025年にかけて同社の他にもジョーシス株式会社や株式会社ZUUなど、著名IT企業の集積が目立つ。デジタル領域を中心に多角的な成長戦略を描くエキサイトHDにとって、先進的なオフィスインフラと都市機能が集積する麻布台ヒルズへの拠点集約は、象徴的な一手となった。